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虹彩の私  作者: 六花
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2度目の偶然


連絡を交換したからといって

特に何かがある訳でもないし

言い訳になるなら、返信が来なかったらと

思うと、怖かったのだと今は思う。


相は学生だし、先ず時間は合わないだろうし

散歩で偶然に会えるかなと

期待しても、私は決まった時間に散歩をしないし

まぁ、逃げてたのかもしれない


今日は、バスに乗らなければ行けない場所に

行く為にバス停で、ぼんやりとバスが来るのを待っていた。

バスに乗って空いてる席を探していると

後ろの二人席に、相が居た。


小さな嬉しさと、こちらに気が付かないで

窓を見てる相に、近づいて、相の後ろの席に座ってみた

後ろから見る相は、相変わらず白い綺麗な首を右に向けて、ぼんやりしている

「相、首が出てるよ」

私は相に小さな声で話しかけた


「うわぉっ!」

「シーっバスの中だよ、大きな声出したら迷惑だよ」

相は真っ赤な顔でこちらに振り返った

「真さん!」

「元気だったかな?考え事の邪魔をしてごめんね」

「ぼーっとしてただけです。いつから居たんですか?」

「今さっきだよ」

「気が付かなくてすみません」

私は笑顔で

「いいんだよ、それよりも相からの連絡を、ずっと待って居たんだよ。寂しかったな、弄ばれてしまったよ」

「な、なに言ってるんですか!返信来なかったら落ち込みそうで、出来なかっただけですよ」

「ベンチにも、たまに行ってたんですよ」

「私と一緒だね。相から返信が来なかったらと思うと、私も連絡出来なかったよ。一緒だね、小心者同士」

小さく相が笑った


「それより、相。綺麗な首が見えてしまってるよ」

「それ、それですけど、首は普通に見えるものです!」

「綺麗は否定しないの?」

そーっと、薄いガラスを触る様に相の首を撫でてみた

「!なっ!くひっ!」

「怒るかな?相?」

「触ってから言わないで下さいよ!」

「怒りませんよ。真さんは何か、しょうがない感じになります」

ため息混じりに相は言った


「怒られないのか、じゃあ嫌われたりはしないのかな?」

「嫌わないですよ。今日会えて嬉しいですし」

「相は本当に良いね。私も会えて嬉しいよ。偶然に会えるのは、思いの外嬉しいものだね」

「相の首も見れたし」

「首から離れて下さい」

「相は何処に行くのかな?」

「総合病院です」

「怪我とか?」

「違いますよ」相は手振りでブンブンしている

「私も総合病院にいくんだよ。ちょっと病気でね」

「真さん、病気なんですか?」

「うん。相の首触りたい病」

「からかってますね」

「本当だよ、一部はね」

「ハイハイ」

「相はその後予定はあるのかな?」

「特にないですよ。終わったら帰ります」

「じゃあ、お昼を一緒に食べないかい?おごるよ」

「私は相に合わせるから、時間がかかっても気にしないよ?どうかな?」

「僕、凄く食べますよ、いいんですか?」

「食べ盛りは大事だよ。大人になるからね」

「よくわからないけど、相さんとご飯食べたいです」

「いいね、相は。誘拐され放題だ」

「ご飯で釣れちゃうね」

相はむくれてしまった


「ごめんね、嬉しくてね、つい」

「真さんの、ついは、子供扱いです」


相との話しは面白い

いつもより早く、病院に着いた気がする

お昼も一緒に食べる

病院デートだな

何て事を考えながら、用事が終わったら

今度こそ、連絡することを、二人で約束した


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