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プロローグ
「俺、彼女出来た」
そう言うと周りの野郎達からは、
「嘘吐くなよ」
「ちゃんと生きてる?二次元?」
「どんな子?写真写真!」
半ば信じてない様子で質問を攻め掛けてくる。
大学の男友達四人で長い大学生の春休みを利用して一泊二日の旅行に来ている。今年で二回目となるこの行事は彼女のいない寂しさを紛らわす、傷心旅行のようなものとなっていた。それなのに、あんな安易な言葉が出てしまったのは、夜、布団の中というシチュエーションがそうさせたのかもしれない。
「もったいぶらずに言えよ」
「もしかして、超ブサイクとか?」
「まさか、本当に二次元とか?」
「いや、ちゃんと現実に存在してるよ。しかも、けっこうかわいい」
「ただ一つ問題がある。いや、二つか」
「なんだよ?」
「一つはまだ中学生ということ」
「うわーおまえロリコンかよ」
「まぁ来月から高校一年生だけどな」
「そんでもう一つの問題は?」
「もう一つはその子の家が俺の家の隣ということだ」