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カンガルー無双  作者: oga
4/6

カンガルーの旅

トラックは高速を進み、かなり田舎の方まで来ていた。

田んぼや畑が多い。


(こんな所まで来たら、もう戻りようがないよなぁ……)


さらにそこから進み、ようやくトラックは下道を走り始めた。

ガタゴトガタゴト……

心地よい揺れにだんだんと意識が遠のいていった。






「おい、何でこんなやつを連れてきたんだ」


「い、いや、オレじゃないっすよ」


くあっ……

眠っちまってた。

何やら外でもめている。

目的地に着いたのか?


「お前、まさか盗んで来たんじゃないだろうな?」


「どうやったら盗めるんすか。 どこで乗り込んで来たのかも分かんないし…… あ、もしかしたら」


俺はヒョイと荷台から顔を出した。

片方の男は小太りで、結構おっさんだ。

っすよ! とか言ってる方はトラックの運転手か? 結構若い。


「うをおおおおおおっ」


おっさんの方と目が合い、相手は驚いてのけ反った。


「あ、起きたみたいっすね」


俺は敵意はないことを示すため、両手を上げた。

確か降参を示すボディランゲージだったはずだ。


「あはは。 なんかフレンドリーなカンガルーっすね!」


「……お前が思うに、このカンガルーはうちの牧場の牛乳を届けている時に、乗り込んだかもしれないんだな?」


「そっすね。 下野動物園でトラックを止めてる時に、ライオンが脱走したーって声が聞こえたんすよ。 多分その時に何かの手違いでカンガルーも抜け出して、それでトラックの荷台に乗っかったんだと思いますね」


「じゃあ、帰してくるんだ。 向こうも困ってるだろ」


まさか俺をこのまま送り返すのか!?

ちょ、まて!

ライオンを殴った手前、絶対ウェルカムな雰囲気じゃないのは分かっている。

俺は全力で首を振り、ノーを示した。


「なんか、めちゃ嫌がってますけど。 お前、帰りたくないのか?」


俺は縦に首をブン! と振った。


「帰りたい?」


俺は横に首をブンブン振る。


「……ここに残りたいみたいっすね」


「そんなに戻りたくないのか? 同時に2匹も抜け出すくらいだから、よっぽど居心地が悪かったのか? まともにエサを貰えてなかったのかもしれんな…… だが、うちの牧場だってカンガルーを飼うほど余裕はないぞ?」


「自分の分のエサ代は自分で稼いでもらったらどうすかね?」


お、どうやらこの牧場に身を置けるカンジか?

めちゃくちゃラッキーだぜ!

もし街に降りてたら間違いなく騒ぎになってた。

動物園に対してはちょっと誤解が生じてるところもあるが……


「よし、分かった。 お前を受け入れよう。 牧場主としても見過ごせんしな」


おおおおおおっ!

俺はジャンプして喜んだ。

荷台がガッチャンガッチャン言ってる。


「ただし、お前にはショーをやってもらうからな!」


ん?

なにすんの?


「キックボクシングのショーだ!」



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