無事生還
バラン→ラエルに修正
人物の名前間違えて書いてました。
すみません。
剣が紅く染まっていく内に、騎士にも紅い
オーラが纏っていった。
まったく戦闘経験がない健斗ですら、騎士の
戦闘力が跳ね上がっていることがわかった。
「ーーーはぁ!」
騎士が力を溜め、目を見開き力強く剣を振ると、
凄まじい威力の雷の衝撃破がウルフ達に
襲いかかった。
「グル!?」
「ガァッ!?」
それを受けても生き残るウルフ達は
騎士を囲むように包囲し、四方八方から
襲いかかる。
「やはり今回は厄介だ...姫様を下げて正解
だったな!」
そう言いながら騎士は前から飛びかかってくる
ウルフを縦に切断し、5匹同時に襲いかかって
きたウルフ達をほぼ同時に斬り、襲ってくる
ウルフ達を対処する最中にも衝撃破を放ち、
離れたウルフも処理していた。
「...なんだあのチート...ヤバすぎるだろ...」
健斗が有り得ないものを見る目でその戦いを
見ていると、少女が近くに駆け寄ってきた。
「大丈夫ですか?」
「ああ、ちょっと左腕がやられたけど
多分大丈夫...だと思いたい」
そう言うと、少女は健斗の左腕に優しく手を
添えて怪我を確認する。
「酷い怪我じゃないですか!
"癒しの風よ、この者にその祝福を与えたまえ"
治癒風」
優しい緑の風が健斗の腕を包み込み、
痛みがかなり和らいだ。
「完治、まではいきませんがこれくらい
治れば大丈夫だと思います。 あとはラエルを
待ちましょう」
「ラエル...あそこで戦ってる騎士のことか?」
「そうです。 ラエル・ゼブキ・ベブバル
私の国の9つある騎士隊のうちの7班の
隊長です。
そして私は イリーナ・グラム・メディス と
申します」
「俺は真鍋...いや、ケント・マナベだ」
「ケントさんですか...珍しい名前ですね」
「なんかDQNネームみたいな扱い受けてる
気がするのは気のせいか?」
「?」
イリーナは首を傾げたが、ケントはなんでもないと
彼女に伝えると、騎士の方に視線を向け
「あの人強すぎないか?」
健斗がそう言うと、イリーナはクスリと笑い
「ふふっ...確かにラエルは強いです。
ですが彼は7班隊長...つまり強さの序列では
7番目ですから...」
そう言うと、イリーナは左手を開いて健斗に向け、
そして右手の人指し指を左の手のひらに
添えて
「あと6人、彼より強い人が居るんですよ」
「マジかよ...」
只でさえこうしている間にもウルフ達を
どんどん斬り倒しているラエルが恐ろしく
強く見えるのに、この上にあと6人。
想像しただけでも背筋が寒くなった。
「...そろそろ終わりそうですね」
「え?」
見ると、ラエルの周囲にいるウルフは
残り3匹になっていた。
警戒して近づいて来ないウルフ達に
ラエルは自分から接近し、三匹を斬り伏せると、
周りを見渡したあとにイリーナの方を向き
「どうやらこれで終わりのようですね。
厳しい戦いでした」
嘘つけ、と健斗は思うが、彼は汗を流して
意外なことに疲弊していた。
「やはり暴食の魔剣に
喰われる魔力は多い...もっと使い慣れないと
いけないな」
「ラエル、あまり無理はしないでくださいね?」
「わかっています。 それよりも、彼は
大丈夫ですか?」
ラエルが健斗の方を振り向いたので、健斗は
左腕をラエルに見せ
「怪我してたけどイリーナさんに
治してもらったんで大分楽になったよ。
本当に助かった。 ありがとう」
「そうか、どういたしまして」
「ところで...、グラ、トニー? だっけ?
その見るからに恐ろしい剣はなんなんだ?」
「この剣ですか?」
ラエルはそう言うと剣を横にして両手で
持つと、
「触ってみます?」
「...いいのか?」
「はい、先程から触りたそうな顔をしてたので、
詠唱して効果を発揮させないかぎり魔力を
吸われることはありませんよ。 まあ、自分から
魔力を吸わせて予備の魔力を蓄えることが
出来ますが」
「じゃあ安全ってことだな...それなら失礼
して...」
健斗は慎重に魔剣を受け取った。
赤黒く染まった刀身はうっすらと健斗の姿を
映していた。
「自分で持つと格好よく見えるな、うん。
中ニ心がくすぐられる。 ほい、ありがとな」
健斗はすぐにラエルに剣を返した。
「もういいのですか?」
「ああ、なんか落としちゃいそうで怖いし、
ぶっちゃけ腕が完治してないから持ち続けるの
辛いんだよ」
「そうですか。 イリーナ様の回復魔法の効果は
高いですしそのうち治るでしょう」
健斗から魔剣を受け取ると、ラエルは
魔剣を鞘に納めた。
「さあ、そろそろグラムに戻りましょう。
えーっと...」
ラエルは健斗を見てなにやら迷っているような
様子だった。
「ああ、悪い。 名前言ってなかったな。
ケント・マナベだ。 ラエルさんの名前は
イリーナさんから聞いてるよ」
「そうですか。 それでケントさん、立てますか?」
言われて健斗は座り込みっぱなしだったことに
気がついた。
ラエルから差し伸ばされた手に健斗は
手を伸ばし
「ありがーーー」
手に触れた瞬間、世界が暗転した。




