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魔法=プログラム?

「――と、いうわけでですね。あなたは私のお師匠様が残した魔術によって異なる世界から召喚されてきたのです」

 メガネ巨乳の童顔美少女はそう言って俺の目を見つめる。俺は頭をかいた。

「そんなこと言われてもなあ……。ええと、君の名前なんだっけ」

「ナツミです。あなたの名前は田乃上裕志たのうえゆうしですよね。伝承にある名前と同じなので、間違いありません」

「ホントかよ……。俺、二十二歳の単なる社会人二年目プログラマーなんだけど……」

 会社の帰りにトラックと正面衝突し、気がついたらこのナツミという女魔術師に膝枕されていたのだ。

 ナツミが、失踪した師匠が残した「この世界に平和をもたらす勇者を呼びだす」という儀式魔術を実行したら、俺が召喚されたらしい。

 ナツミは俺に世界を救って欲しいようだが、俺にはまだここが異世界だということも半信半疑だ。

「確かにこの部屋は壁が石造りだったり床に魔法陣が書いてあったりしてファンタジー世界っぽけどさ」

「魔術師の住む家ですから。あ、もちろん私も魔術師ですよ?」

「あのさ、この世界の魔術師って、みんなナツミみたいに下はミニスカニーソで、上は胸元に空いた穴から谷間が見える服着てるの?」

「これは伝統ある女魔術師の正装です! いやらしい目で見ないでください!」

 ナツミは顔を真っ赤にして胸元を両手で隠した。

「ええと、じゃあさ。その魔術ってのをなんか見せてよ」

「分かりました。簡単なのでいいですよね?」

「ああ」

 ナツミは部屋のカーテンを閉め、机の上にあった箱を開き、中に入っていた羊皮紙を一枚取り出した。なにか書いてあるようだが、暗くて見えない。

「これは呪文が書いてある紙です。これに呪文の触媒を『喰わせる』ことで呪文が発動します」

「触媒って?」

「呪文の源の力となる物です。まあ、エネルギーですね。今回はこれを使います」

 ナツミは腰に取り付けている袋の中から、小さな赤い石を取り出した。

「レベル5の赤石せきせきです。一番低いレベルの赤石なので、大した力は出ません。その代わり安いんです。見ててください」

 ナツミは羊皮紙を床に置き、そして、手に持った赤石をその羊皮紙に向かって投げつけた。

 赤石が羊皮紙に触れたその瞬間、部屋がまるで昼間のように輝いた。


 パアッ!


 光はすぐ消えた。ナツミはカーテンを開ける。

 俺は生まれて初めて魔術なる物を見て驚いていた。

「すげえ!」

「伝承が真実なら、あなたはもっとすごい魔術を使える筈なんですよ?」

 ナツミが呆れた顔で俺を見ながら、床に置かれていた紙を拾う。

「あれ? その紙、なにも書いてないな? さっき見た時はなにか書いてあっただろ?」

「術が発動すると、触媒に使った石と、呪文そのものが魔術力に変換されて世界から消失するんです」

「もう一度同じ術を使いたい時はどうするんだ?」

「元になる魔術書から書き写しておくんです。この箱の中にはさっきと同じ呪文を書いた紙が入ってるんです。呪文を書き写すのは、私達魔術師の日課みたいな物ですね」

「ちょっと見せてくれ」

 ナツミが箱の中から一枚取りだして俺に手渡す。すると――

「――え、なにこれ?」

 紙にはこう書かれていた。


--------------------------


instant light(red_stone rs){

  reverse_element(rs, LIGHT)

}


--------------------------


 これ、プログラムじゃん!

「インスタント……ライト?」

 1行目を読んだら、ナツミが驚いて目を見開いた。

「読めるんですか!?」

「え、ナツミは読めないの?」

「無理ですよ! 呪文を読める人間は、この世界には6人しかいないんです。あなたが7人目ですよ!」

「マジ?」

 これはもしかして、俺すごい所に召喚されてきたんじゃないか?


・特にキツい描写はない予定ですが、一応R15にしておきます。

・連載小説を投稿するのは初めてでドキドキしています。よろしくお願いします。

毎日投稿したいけど、ちょっと難しいかもです。


(02/15)呪文の書式を修正しました


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