Hello.Who are you?
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4/3 金曜日。 雨。
雨は嫌い。
ジメジメするし、髪がはねるし。
あと、検査は大体雨の日だし。
雨だと..
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コンコン。
ドアをノックする音に陽奈はペンを止めた。時計を見ると、画面には17:42の文字が表示されている。
コンコン。
もう一度ノックが鳴る。
誰だろうと思いながら、陽奈は「どうぞー」と返事をする。
しかし、扉は開かない。
陽奈は首を傾げながら、布団から降りて
ドアを開けた。
外には誰もいない。廊下を見回しても、人影ひとつ無かった。
「あれ...?」
冷たい空気が肌を撫でる。
陽菜は扉を閉めてベットに腰をかける。
時計を見ると、17:42の文字が表示されていた。
外では雨がうるさいほどに窓を叩いてる。部屋の気温が少し下がった気がした。陽菜は気を紛らわせようと本を取り、読もうとしたが、ドアの前に人影が一つ。
明らかに人の気配を発していない人影は、ただそこに立っていた。
「なに....誰...?」
陽菜は 動機を抑え、掠れた声を絞り出して言った。
人影はしばらく揺らめくと、まるで何かに乗っているかのような動きで前に出てきた。とてもゆっくりと。その速度が、陽菜をさらに不安にさせる。
人影に光が当たると、だんだんと形が見えてくる。
まず見えたのは脚だ。
細い女性のような脚。そのあと、下半身から上に形が見えてくる。
その人影は、女性だった。
20代だろうか。若い女性だった。
若いが、何処か生き物の気配はしない。
「あなた....誰?」
陽菜が聞く。
女性はもう一歩前に出て答える。
「私は死神です。あなたの命の管理をしています。」
まるで書類でも読むかのような声。
機械のように淡々とした口調。
外では雨が降っている。さっきよりも、余計に強い。
薄暗い部屋のカーテンが風で揺れる。
やっと脳が処理を終えたあと、陽菜は笑みを浮かべる。
この女性は嘘を言っていないと、そう思った。
きゃー怖い!
一番好きなホラー物は幽霊が出てこいない系のやつです。
次で完結(?)です。