母様とヴィータ、
ぷろろうぐ的な何かです
ゆっくり始めてきます〜
俺の周りには変わった奴らが多くいる。
例えば俺の母様、見た目はすごくおしとやかなのに性格が変わっている。なんと言えばいいか。男性が好きだ。普通だろ?と思うかもしれないがそうじゃない。簡単に言えば母様は「内心は男」であるという前提がある。しかもそれでいて「男性好き」だ。それに…なんだ下の話になるが母様は「攻めたい」方の人だ。役目的に言えば男女逆転が好きな人なのだ。だから俺が生まれたことは奇跡に等しい。
母さんが俺を生んだのだから母さんは愛している人のために自分の心に鞭を打って俺を生んだ。素晴らしいことじゃないかと思うだろう。
まぁこんな感じの人たちが俺の周りにはたくさんいる。そして俺もそんな問題を抱えている人物の一人だ。そう問題は山ほどある。なぜかって?それは簡単だ。俺がれっきとした生物学、そして精神的にも「女性」だからだ。
私たちの国では一人っ子の女性は家を継げない。継げる場合は兄弟がいる場合のみ、である。俺は一人っ子、つまり継げません。この国の法律色々おかしいとか突っ込みたくなるけど、俺は今のままでは家が潰れるのを見ておかなければならない。
そんなことはごめんだってことで……成人の儀、で男性だと偽って報告した。名前がアルフレッドだったからもともと違和感はないけれど…俺だって恋した人ぐらいいたんですよと言ってあげたいぐらいだ。
相手は伯爵家長男、ヴィータ=アルバズ
王家とも血縁関係がある国の重役でもあるアルバズ家の長男、たかが端くれ男爵家の娘がおいそれと好きになっていい相手ではない。
でもそれ以前に悲しいことにヴィータは俺のことを男性だと思っている。
つまり恋は始まる前に終止符が打たれていたってことだ。
そんなこんなで俺は今国に嘘をついてまで自分の家を何とか支えようとしているわけなんだけれど。さらにめんどくさいことが重なりまくった。
そう、ヴィータと一週間一緒の屋敷で暮らせと言われたわけだ。
俺も成人の儀を終えた16歳。もう正直な話月経だってきている女の身だ。そんな女が一つ屋根の下、立派な成人男性18歳であるヴィータと一週間をすごせだなんて無茶苦茶言う。
なんでこんなめんどくさいことになったか……それは簡単に言えあの母様と乙女の父様のせいだ。
「は、妹か弟を?」
いきなり告げられた一言に唖然としつつ聞けば母様は一つ頷いて扇子で肩を叩きながら言った。
「そう、僕もそろそろ年だし最後のチャンスかなぁってね」
行動がすでに女子らしくないなどと色々突っ込みたいが俺の心情はそんなものでない。
「確かに母様そうかもしれませんが」
俺が口を開こうとすれば先ほどまで空気のようになっていた人が口を開いた
「オレも、もう一人子供が欲しかったんだ」
「父様⁉︎」
最後の頼みの綱が切れたと思い父をガン見すると だってアルフももう一人いて欲しくない? などとふわふわした笑顔でいうものだから意見を飲み込んでしまった。この顔には母様も俺も弱い。
「ってことで一週間ぐらいこいつに本能的なオスになってもらわないといけないから……お友達のところにお泊まりしてきてちょうだいなアルフ」
ああ、薬とか魔術とかそっち使うんですねわかりましたと遠い目になりながら殆んど強制的に家を追い出されたわけなんですが…問題がありました。
俺友達いません
なぜって男女ですし胸だってほら絶壁です。見た目完璧男の子です。そんな人が女の子の家に泊まるとかアウトコースまっしぐらです。ということで俺は野宿でもするかなぁと考えていたんですが…フラフラと森の周りを歩いて野宿場所を探しているとヴィータに合ったわけです。
「アル⁉︎こんなとこで会うなんてまるで運命の出会いだね!親友として嬉しいよ。よければ一緒に俺の家に来ないかい?」
うるさいやつに会ってしまった。
俺は思いっきりヴィータを無視して歩いて行こうとしたわけなんだがヴィータが許すはずもなく腕を掴まれました。
俺の友人は正直ヴィータしかいない。男友達を作ろうとすればなぜか逃げてくし、女友達はもう最初から諦めている。つまり母様が言ったお友達は必然的にヴィータだけになるというんだけれど…
「悪い、ヴィータ。結婚前のお前の家に転がり込むのは心情的によろしくない。よって辞退させてもらういい狩りを」
結婚前、と言っても結婚まであと1年弱はある、まぁ俺はこれを機会にヴィータから離れるつもりでけいさんだてているのだからこんなことで距離を縮めたくはない。
「狩りは終わったんだ。それに結婚前って言っても許婚には好きな人がいるんだ。婚約はいずれ破棄になる気に負わなくていいよ」
そういう問題じゃねぇんだよこの鈍感頭!
と罵ってやろうと口を開きかけたとき口を塞がれた。
「ほーらアルフったらはしたないわよ?もう」
屋敷にいるはずの母様の声だった。
「⁉︎!!!(母様なんでここに⁉︎)」
俺がびっくりして目を白黒させていると少しびっくりしたようにヴィータが母様に声をかけた
「おや、ルーズベルト夫人、お久しぶりです。」
「まぁアルバス次期当主様いつも我が子と仲良くしていただきありがとう。……どういう状況がお聞きしても?」
俺が余計なことを聞くなというように母様を見れば、母様は女の目をして相手を見定めていた。
この人も女なんだな、と俺が感じてしまうのはときより見せるこの表情のせいだと思う。
「たまたま、友人と会ったのでお茶にでもと思いお誘いしているところでした。よければルーズベルト夫人もルーズベルト男爵とともにお茶会などいかがでしょう?」
かしこまった態度で、母様に礼をするヴィータに俺はよくそんな真似ができるなとある意味冷めた目線を送っていた。
「まぁそうでしたの、我が子も嬉しいでしょう…申し訳ありませんが私と主人は少し用事がありまして辞退させていただきます」
恭しく頭を下げる母様に俺はよくやるな…と少し考えていた。
頭を上げた母様は少し笑って実は…と相手相談するように言った。
「…今諸事情でこの子はしばらく宿に止まらなければと考えておりましたのでアルバス様の屋敷でない宿やを探すにを手伝ってやってはくれませんか?」
母様⁉︎と叫びたい気持ちを抑えて母様を見れば、女のお前を男の中にポンと僕が入れるとでも?と母の目をしながら小声で言ってきたのでわきまえてはくれているんだな、とわかり少し安心した。
「…私の家では荷が重いと仰りたいので?」
ヴィータはこれまでに見たことないほどに冷めた目線を母様に送った。
「いいえ、違いますわ。むしろ役不足なのです。我が子がもしアルバス家に迷惑をかけてしまったらと思うと…この子はやんちゃなところがありますから」
慈しむように俺を見てくる母様は役者であり本当の母親だと思う。父様もおおらかで母親のようではあるけれど、あの人も父なのだ。少し変わっているだけで。
「…わかりましたいい宿を探しましょう。その間だけは私の家に招いても?」
ヴィータは何が何でも諦めないつもりのようで……俺は頭を抱えた。内心で。
「ええ、もちろん。アルフレッド、粗末のない様に。」
母様はそう言って父様が待っているであろう屋敷にゆっくりと戻っていった。
「じゃあアル一緒に行こうか」
俺の手を取ってくるこいつは、本当に俺を男だと思っているのか不安になる。
さて無事にエンドまでいけるかな?




