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多分プロローグ。

大学2年と3年の間の時期に実家の母からメールが来た。

何年振りだろう、このメアド見たの。

『いとこの万結まゆちゃん、ハルと同じ大学だから住んでるマンションに住まわせてあげてよ

そっちには27日くらいに行くって。』

と、こっちの都合とか全部無視のメールは明らかに母さんの物だが、懐かしくもある。ちょっとだけ。

ちょっと寝不足気味で、あやうく携帯を握りつぶすところだった。

危ない危ない、今日日携帯と言っても高いのだ。スマホだし。

「てか来るの明日なんすか……」

ガサツで有名な友人、田中にすら『うわー、男の一人暮らしって感じだねー』と言わしめた部屋である。

その後、田中が家に来ることは無かった。いや、生きてるよ、田中。このフォロー意味分かんないかも。

まぁ、原因は俺だけじゃないけど。

あの辺で寝てるアイツのせいだけど。

「おい起きろ寄生虫」

「む……せっかく良い眠りだったのに」

ゴミの山から美人が出てくる、もとい這い上がってくる。

さて、これは俺の後輩で美人で女子だけど、

普通なら一緒に住んでるとか超絶幸せだけど、

社会生活不適合者なので全然幸せじゃない、不幸だ。〇条さん風に言っても不幸だ。

人の事言えないけどオタクだし。腐女子一歩手前だし。いや、婦女子か。上手いこと言ったぜ。

ちなみに名前は島田しまだ あゆ

この寄生虫は『同居中の友人と喧嘩した』とか『調子が悪い』とか『眠い』とか

後半に至っては最早意味不明だが、そんな理由をつけて俺の部屋に上がりこんでくるのだ。

今はいいが彼女とか出来たたらどうしよう、と思わなくもない。思えないけど。できないけど、彼女。

なんであれを俺が保護してるのか、あの日のせいだけど。やっぱ不幸だ。○条さ――やめとこう。

こんな俺でもあんな人になりたくない、ある意味なりたいけど。噂をすれば何とやらだし。

あんな風にフラグ立ててみたいけど。ま、あれはフィクションだからな。

この世界は―――濁しておくの一番だな。

マトリックス的な展開はいらない、ネオにあこがれる時代は過ぎた。中学三年でも中二、これいかに。

「先輩、どうして私の睡眠を妨害する」

至って真面目に言ってるんだろう、

だが残念な事に頭にカップ麺の発砲スチロール製容器が乗っかってるから間抜けだ。

「部屋の掃除をする。手伝うか出ていくか二択だ」

「………手伝う」

首が揺れる。カップ麺の容器落ちた。残念、似合ってたのに。

「まずはこのリビングからだ、最悪部屋はドア閉めちまえば大丈夫だろーし」

「ぶっちゃけおっけてぃんぐ~」

「じゃ、ゲデヒトニスは明らかなゴミだけ片付けろ」

分かりにくいネタだ。分かるけど。分かっちゃうけど。マイナーなアニメだ、ディズニーなのにね。

「承知しました」

「三田さん目指すには無理があるな」

ちょっと前にはやったドラマで締めくくって作業開始。

俺はキッチンへ向かって溜まった、もとい溜めた食器洗浄に従事する。

そして2時間後。

「なんでさらに散らかってんだよ!何か!?お前は散らかすことに特化したメイドロボですかぁ!?」

「む……私、頑張ったんだけどな」小首傾げー。

「うん、もっと汚してやろうと思って頑張ったんだな」

可愛く言おうとお前なら無意味だ。相殺どころか取り立てが来るレベル。ちょっと意味わからないな。

「う、じゃあ私は実家に帰る」

「ん、気を付けろよ」

「はーい」

さて、台風もとい悪魔もとい寄生虫もとい後輩の島田は帰った。

これで平和になった、片付けを再開する。

そして6時間後、完全に夜だ。良い子なら寝てる時間。この現代にそんな子いないと思うけど。

夕食の時間は2時間前に過ぎた。

掃除完了、戦果はゴミ袋4袋と失くしたと思ってた物計30個。

………物持ちが良いね、って言っていいの?ダメだな、分かってる。

なんか掃除して良かった気がする。

と、広くなったリビングの隅で寝転がる。

真ん中でやりたいがコタツとダブルブッキングだ。壊れてるな。日本語じゃなく俺の頭が。

「腹減ったなぁ………」

でもメシは作らない、だってめんどくさいもん。

「でも腹減ったなぁ………」

ごろごろして廃人コースまっしぐら。俳人コースなら言っても……よくない。

実家の親に世捨て人とか言われたくねぇ。死ぬ……よりはマシ。

カップ麺にしよう。ゴミ増えるけど、いいか。もう増えた所で同じだ。

ごろごろー、と車輪ばりの回転移動でキッチンへ移動し、湯沸かしポット(メーカー不明)に水を入れて待つ。

その間にどれを食べるか考えよう。

2分迷ってカップヌードルシーフードに決定。

ちょうど湯も沸いたし、湯を入れる。タイマー無いけど5分までなら何とかなるもんだ。

友人と言うか田中に言ったら、カップ麺の食い過ぎだよ。とあきれられた。

この後喧嘩になった事は言うまでもない。

カップ麺を持って回転移動するわけにもいかず、立って移動する。

誰だって顔面に湯をかけたくない。あの後輩ならわかんないけど。それは言い過ぎか。

………そうでも無いな。

コタツの中に入って、スイッチを入れる。

「おー、じわーって温い」

あの後輩の様な事を言ってしまった。やばい、汚染されてる!?

と言うか一人暮らし始めてから独り言多くなったな。なんか悲しい。いや、元から多いんだけどさ。

「…………そろそろだな」

銀色のフタをゴミ箱に投げ捨てる――前に張り付いたネギを回収。

この行為はアイスのフタをなめるのと同じだと思う。なので恥ずかしくない、一人なら。

むぐむぐとカップヌードルと具を租借≪そしゃく≫。

星2つぐらい、ブレの無い安定した濃い味。

咀嚼。

スープを飲む。

……ブレは無いけど飽きは来るな。この味。

「夜にカップ麺って楽だけどそれ以上に悲しいんだよな」

これ以上独り身をこじらせて鬱になってもしょうがない。

さっさと平らげ風呂に入って寝る事にする。

取りあえず風呂を沸かすところから。

ぴ、ぴ、とボタン二つ。『オふろヲ――』この声後半なに言ってるか分かんない。

待つだけなので、コタツに入ってテレビを見る。

『まだ、この季節になっても寒いですよね。今年の冬は長いですかね?』

バラエティーだ、胡散臭うさんくさい専門家とうるさい司会者が胡散臭い情報をお届けする番組だったと思う。

暇だし見よう、主に冷やかしながら。

よく分からないメロディが鳴った。テレビを消して風呂場に向かう。

昔はいっぱいに溜めた湯船につかって湯を贅沢に使うのが好きだったが今は経済的にできない。

俺は昔から長く湯船に浸かってられない、すぐに熱くなってのぼせた様になる。

なので、さっさと体と髪を洗って風呂を上がる。

髪を入念に乾かしてからリビングに戻る。テレビをつけるとまだあの番組が続いていた。

風呂短いなぁ、俺。

専門家が喧嘩してる。こんな大人には成りたくないなと思ったけど、成れないなと思い直す。

よく言っても平凡な大学生だ、取り柄なんてないし。

将来俺は何かに打ち込めているんだろうか、テレビの専門家のように。

それとも、そんな専門家をバカにしているんだろうか、テレビの前の俺のように。

人の眼なんて気にしないで自分のしたい事をしろ、なんてできる人の押しつけだ。誰にでもできる事じゃない。

少なくとも俺にはできないだろう。

ちょっと落ち込んだところで立ち上がり、寝る事にする。

少し早いが別にかまわない。

部屋を確認しながらスイッチを切ってから寝室へ。

ベッドにもぐりこみ、良い夢が見れたらいいなぁ、と思って就寝。


総評、良くも悪くも差し引いて普通の一日でした。


多分。

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