第13話 燃えなかった本能寺の朝のあとで
本能寺は、燃えなかった。
その事実は、龍之介にとって何より重かった。
茶室を出たあと、廊下を歩くたびに、板の間の静けさが胸へ染みた。
軋む床の音がする。
障子越しの光が白い。
庭では風が葉を揺らし、遠くで水の音まで聞こえる。
あまりにも穏やかで、あまりにも普通で、だからこそ恐ろしい。
本来なら、もうこの頃には火が上がっていたかもしれない。
槍の音、怒号、走る足音、燃えた木のはじける音、血と煤の匂い。
そうしたものが、この寺の朝を塗り潰していたはずだ。
だが、いまは違う。
僧が歩いている。
近習が低い声で言葉を交わす。
どこかで湯が沸く気配がする。
人が生きている朝の音ばかりが、静かに積み重なっている。
燃えなかった。
ただそれだけで、この場所の見え方がまるで変わっていた。
龍之介は廊の端で一度立ち止まり、庭の方を見た。
六月の光は、まだ昼には遠い。草木は青く、空は高い。
その景色の美しさに、不意にめまいに似たものを覚える。
美しい、と思ってよいのか。
よかった、と思ってよいのか。
まだ何も片づいていないのに、ほっとしてしまう自分がいることに、少しだけ後ろめたさもあった。
「……妙な気分ですな」
誰にともなく呟いたつもりだったが、すぐ近くで「でございましょうな」と声が返った。
影鷹だった。
いつの間に入ってきたのか、本当に気配が薄い。
茶室までは入らなかったはずだが、その周囲の動きは押さえていたのだろう。
相変わらず、影のように現れる男である。
「おぬし、どこまで聞いていた」
「聞くつもりはございませなんだが、茶室の外におると、声の熱はどうしても」
「便利な耳だな」
「稼業ゆえ」
影鷹はそう言って、龍之介と並んで庭を見た。
「燃えませなんだな」
「そうだな」
「ですが、何もなかった朝、ではございますまい」
龍之介はその言葉に、静かに頷いた。
たしかにそうだ。
本能寺は燃えなかった。
信長も死ななかった。
光秀も討たれていない。
だからといって、今朝が“何もなかった朝”になるわけではない。
むしろ逆だ。
起こるはずだった大事が起こらなかったせいで、そこにあった人の動きや感情や兵の配置だけが中途半端に残っている。
その半端さこそが、いま最も危うい。
「光秀の兵は」
龍之介が問うと、影鷹は小さく肩をすくめた。
「まだ動揺しております」
「だろうな」
「そもそも、何をしようとしてここまで動いたのか、下の者ら全てが全て理解していたとも限りませぬ。ですが少なくとも、“何か大きなことが起こるはずだった”気配は皆が持っておりましょう」
「それが起きなかった」
「はい。起きなかった」
影鷹の声音はいつも通り淡々としていたが、その内容は重い。
「何も知らぬ者は、“日向守殿が本能寺へ急ぎの言上に向かわれた”と見ます。だが少し勘の利く者なら、兵の置き方や供回りの張りを見て、ただ事ではなかったと感じます」
「その“ただ事ではない”が厄介だな」
「左様にございます」
戦国において、完全な秘密などそう長く保たない。
だが、全貌が分からぬまま“妙なことがあったらしい”だけが広がるのもまた危険だ。
疑いは形を持たぬぶん、好きなように育つ。
「秀吉あたりは、すぐ嗅ぎつけるでしょうな」
影鷹が何気なく言う。
龍之介は思わず顔をしかめた。
「やはり、そこが怖いか」
「怖うございますとも。羽柴殿は、火が上がる前の煙で飯が食える御方です」
「嫌な表現だな」
「的確かと」
たしかに的確ではある。
秀吉という男が史実において本能寺の変後にどれほどの速さで動いたかを、龍之介は知っている。
あの男は、歴史が裂ける匂いを嗅ぎ取るのが異様にうまい。
本能寺が起きていないからといって、今朝の不自然さに気づかないはずがない。
「だが、秀吉だけではない」
龍之介は言った。
「蘭丸も、ほかの近習も、何かあったと感じている」
「でしょうな」
「信長公も、無論分かっておられる」
「それはもう」
影鷹は少しだけ口元を上げた。
「上様は、分かったうえで普段通りに見せるのがお上手でございます」
「だから余計に怖い」
「左様で」
その会話の最中にも、廊下の向こうでは近習たちが普段通りに立ち働いていた。
誰も騒がない。
誰も露骨に顔を曇らせない。
だが、その“普段通り”がすでに不自然なのだ。
もっとも、そこで大騒ぎを始めれば、本当に何かがあったと外へ知らせるようなものでもある。
本能寺の中は、いま全員が“何もなかった顔”をしている。
それがどれほど緊張を要するか、龍之介には分かる気がした。
その時、足音がした。
蘭丸だった。
歩みは静かだが、目元の硬さは先ほどより増している。
茶室の中身までは聞いていないにせよ、そこで何か重大なやりとりがなされたことくらいは察しているのだろう。
そして彼にとっては、“察しているのに中身が見えぬ”こと自体が警戒の理由になる。
「三上殿」
蘭丸が呼ぶ。
「は」
「上様がお呼びにございます」
短い言葉だった。
影鷹が一歩下がる。
蘭丸は彼には何も言わない。視界には入れているが、いま優先すべきは龍之介だけなのだ。
龍之介は蘭丸の方を向いた。
「今度は私だけか」
「左様にございます」
「光秀殿は」
「すでに退出の用意を進めておられます」
その言葉に、龍之介はほんの少しだけ胸を撫で下ろした。
少なくとも、即座に拘束されたりはしていないらしい。
だがそれで安心はできない。
光秀が“助かった”のではない。信長の前で首を繋がれただけだ。
ここから先、家中や配下や自分自身の中でどう折り合いをつけるかは、また別の地獄である。
「参ろう」
龍之介がそう言うと、蘭丸は無言で先に立った。
◇
先ほどの茶室ではなかった。
通されたのは、本能寺の一角にあるやや広めの部屋だった。
座敷としては質素だが、茶室よりは息がつける。
それでも信長がいるだけで、やはり場の温度は決まってしまう。
信長は庭を背にして座っていた。
茶席の時よりも幾分くだけたようにも見える。
だが、くだけて見えるだけで油断してよい相手ではないことは、もはや骨身に染みて分かっている。
「来たか」
「は」
龍之介が頭を下げると、信長はすぐ本題へ入った。
「妙な朝になった」
「さようにございます」
「本来なら、儂はここで死んでおったかもしれぬ」
その言葉が、龍之介の胸に冷たく落ちた。
信長は、やはり分かっている。
光秀の腹が、どこまで煮えていたか。
いま朝が静かなのが、どれほど危うい均衡の上にあるか。
「で、龍之介」
「は」
「おぬしは何者だ」
茶席の最後に問われた言葉を、信長は改めて繰り返した。
逃げ道のない、静かな問いだった。
龍之介は、あらかじめ用意していた言い訳の類が、この男には通じないことを知っていた。
かといって、転生者だの閻魔だのと言えば、それこそ茶化しと受け取られるか、狂人と思われるかのどちらかだろう。
ゆえに、嘘ではないが全部でもない言葉を選ぶしかない。
「人の疲れ方を見る癖がございます」
龍之介は言った。
信長の片眉がわずかに上がる。
「ほう」
「戦も、政も、現場も、人が動くところには必ず歪みが出ます。表に出る前に、どこかへ出る。その匂いを見るのが癖になっております」
「匂い、とな」
「はい」
「おぬし、日向の腹の内を“見た”のではなく、“嗅いだ”というわけか」
「そう申せば、近いかと」
信長はしばし龍之介を見ていた。
「胡散臭い」
「否定はいたしかねます」
「だが、つまらぬ嘘も言わぬな」
その返しに、龍之介は少しだけ息をつけた。
全面的に信用されたわけではない。だが、少なくとも“いまこの場で処断するほどではない”位置にはいる。
「おぬし、儂を惜しいと言うたな」
「はい」
「なぜだ」
「上様のような御方は、そうはおらぬからにございます」
龍之介は率直に言った。
「大きく見て、速く進み、怖ろしく、そして危うい。そういう御方は、惜しいものにございます」
信長はその言葉に、小さく鼻を鳴らした。
「褒めておるのか、貶しておるのか分からぬな」
「両方かもしれませぬ」
「ふん」
信長は、だが不快そうではなかった。
「日向をあそこで止めたのも、その“惜しい”ゆえか」
「はい」
「儂のためにか」
「半ば」
「半ば」
「残り半ばは、歴史のため……と申せれば格好もつきましょうが」
龍之介は少しだけ苦笑する。
「本音を申せば、私自身が見たかったからにございます」
「何を」
「上様の先を」
信長の眼差しが、ほんの僅かに動いた。
「儂の、先」
「はい。この国がどこまで変わりうるのか。上様が生きておられたなら、その先に何があったのか。それが見たかった」
信長は黙る。
その沈黙は、相手の真贋を測っている沈黙だった。
野心か、打算か、憧れか。
何を混ぜてそう言っているのかを見ているのだろう。
「面白い男だな」
やがて信長が言った。
「儂の天下を見たいと申す者はおる。儂に仕えたいと申す者もおる。だが、“先が見たい”と申す者は珍しい」
「仕えるかどうかは、まだ分かりませぬ」
「ほう」
「ですが、見届けたい気持ちはございます」
信長の口元が、かすかに緩んだ。
「正直でよい」
「そうありたいと思うております」
「蘭丸」
不意に信長が呼ぶと、襖の外で控えていた蘭丸がすぐに入ってきた。
「は」
「三上龍之介は、しばらく儂の近くに置く」
蘭丸の目が一瞬だけ龍之介へ向いた。
警戒と、不服と、そして主君の判断を受けるしかない近習としての静かな承知が、その一瞬に詰まっていた。
「……御意」
短い。
だが十分だった。
龍之介は内心で、思っていたより早く大きな渦へ引き込まれたことを悟る。
「上様」
蘭丸が静かに言う。
「よろしゅうございますか」
「何がだ」
「この者、いまだ底が見えませぬ」
「見えぬから置く」
信長はあっさり言った。
「見えきった者ばかりでは、つまらぬ」
蘭丸は口を閉ざした。
だが納得したわけではないだろう。
それでも信長の“つまらぬ”の一言は強い。
この男にとって面白いかどうかは、単なる趣味ではなく、使うか捨てるかの基準でもある。
「龍之介」
「は」
「おぬし、今朝のことをどう見る」
唐突な問いではある。
だが信長は、今朝の評価を聞いているのだ。
「火は出ませなんだ」
龍之介は慎重に答える。
「ですが、火種は残っております」
「どこに」
「日向守殿の内にも。配下の者らの胸にも。近習の警戒にも。外へ漏れれば、諸将の勘にも」
信長はそれを聞いて、わずかに頷いた。
「その通りだ」
「だからこそ、何もなかったように見せるのが肝要かと」
「簡単に申す」
「簡単ではございませぬ。ですが、いま大騒ぎすれば本当に何かがあったと広まる」
信長は庭へ視線をやる。
「日向は、表向き急ぎの言上に来た。それで通す」
「それがよろしいかと」
「だが、通るか」
その問いは重かった。
通るか。
外へ向けての形としては成り立つ。
だが内実を知る者、勘の利く者、兵の動きを見た者には、いずれ違和感が残るだろう。
「完全には通りませぬ」
龍之介は率直に言った。
「ですが、戦国にございます。理と力が揃えば、“そういうことになった”で押し切れる場もございます」
信長が笑う。
「実に戦国らしい答えだ」
「現場を収めるには、綺麗事だけでは足りませぬ」
「よい。儂もそう思う」
信長はそこで、蘭丸へ目を向ける。
「本能寺の朝、日向は急ぎの言上に来た。妙な噂を立てるな」
「承知」
「ただし」
信長の目が細くなる。
「何かを嗅ぎ取っておる顔をした者がおれば、儂へ先に上げよ」
「御意」
蘭丸は深く頭を下げた。
やはり、近習たちにも分かられているのだ。
信長自身がそれを前提に動いている。
この男は、自分の周囲が何を感じ、何を言い出しそうかまで最初から考えている。
「龍之介」
「は」
「おぬし、今日一日は本能寺におれ」
「よろしいので」
「日向がどう出るかも、近習がどう動くかも、見ておきたい」
つまり龍之介を、観察する目としても、火消しの手としても使うつもりなのだろう。
そしてそれができると思われている。
龍之介は、そこに妙な重みを感じた。
本能寺を止めた、その褒美のような顔をして、この男は新しい責任を投げてくる。
「承知、つかまつりました」
信長は満足そうに頷いた。
「よろしい。では、まずは日向がどう去るかを見よ」
「……光秀殿を」
「そうだ」
信長の声が少し低くなる。
「あれは首を繋いだから終わりではない。生きて続ける方が難しい時もある」
その言葉に、龍之介は胸の奥で強く同意した。
死ねば終わる。
だが生き延びたなら、自分のしでかしかけたことと、その朝以後の視線と、主君との距離とを全部抱えて進まねばならない。
光秀にとって、本当に苦しいのはむしろこれからだ。
◇
本能寺の外へ出る頃には、朝はすでに次の刻へ移りつつあった。
光秀の一行は、来た時と同じようでいて、まるで違う気配をまとっていた。
斬り込む前の軍勢でもなければ、勝ち誇る者たちでもない。
かといって安堵しているわけでもない。
全員が何かを呑み込めぬまま、しかし命令に従って形だけは保っている。
その奇妙さが、いかにも危うかった。
龍之介は少し離れた位置から、その動きを見ていた。
影鷹もまたどこからか現れ、隣へ並ぶ。
「生きたまま帰りますな」
影鷹が言う。
「そうだな」
「だが、楽には帰れますまい」
「それもそうだ」
光秀は馬に乗る前、一度だけ本能寺を振り返った。
その横顔を見て、龍之介は少し息を止めた。
そこには安堵も、悔恨も、怒りも、いくらかずつあった。
だが最も強いのは、たぶん重さだ。
自分が今朝何をしかけ、何を引っ込めたのか。その重さが、あの男の肩へ静かに積もっている。
光秀は龍之介を見つけると、馬上からごく短く視線を寄越した。
礼でもなく、感謝でもない。
だが無視でもない。
“まだ終わっておらぬぞ”と告げるような、重い視線だった。
龍之介もまた、小さく頷くだけに留めた。
ここで言葉を交わすのは違う。
今はまだ、それぞれが抱えたものをそのまま持って去るしかない。
明智勢が去っていく。
砂塵がわずかに立ち、馬の蹄の音が遠ざかる。
本来なら、ここから本能寺は炎に包まれていたかもしれない。
だが今は、ただ一団の武士が本能寺を訪れ、そして何事かを抱えて去ったように見えるだけだ。
それがどれほど異様な朝か、知っているのはほんの一握りだ。
「龍之介様」
影鷹が、去っていく一団を眺めながら言った。
「ご自分が何をしたか、実感はございますか」
龍之介はすぐには答えなかった。
何をしたのか。
本能寺を止めた。
信長を生かした。
光秀を逆臣にせずに済ませた。
言葉にすればそうだ。
だが、それは表面の話にすぎない。
「……歴史を止めた、のではないな」
やがて龍之介は言った。
「はい」
「別の歴史を始めてしまった」
影鷹はその言葉に、静かに頷いた。
「左様にございます」
本能寺は燃えなかった。
だがその代わり、本来終わるはずだった信長の未来が続く。
秀吉の未来も、光秀の未来も、家康の未来も、すべてが違う形で続いてしまう。
あまりに大きい。
今朝までの自分は、“本能寺を止めたい”という一点だけでここまで来た。
だが、その一点の先には、こんなにも広い余波がある。
龍之介は本能寺の屋根を見上げた。
まだ静かだ。
まだ燃えていない。
だが今や、この静かな寺そのものが、別の歴史の起点になっている。
「妙な顔をなさっておりますな」
影鷹が言う。
「どんな顔だ」
「嬉しいような、青いような、少々やりすぎたと気づいた者の顔で」
「だいたい合っておるな」
龍之介は苦笑した。
嬉しいのはたしかだ。
惜しいと思っていた歴史の一点を、今朝、自分の手で別の形へ持ち込んだ。
それは間違いなく胸を打つ。
だが同時に、やりすぎたのではないかという青さもある。
信長という怪物の未来を、もう一度動かしてしまったのだ。
本来ならここで終わるはずだった天下人を、生かして先へ送ってしまった。
その先が良いものになる保証など、どこにもない。
「影鷹」
「は」
「おぬし、私が本能寺を止めたことをどう思う」
影鷹は少し考えた。
考えてから答えるところが、この男らしい。
「面白いことをなさった、とは思います」
「軽いな」
「重く言い換えれば、“天下の歯車へ無理やり指を突っ込んだ”とも」
「やはり重いではないか」
「ですが、いまさらです」
影鷹はさらりと言う。
「止めてしまった以上、あとは噛まれぬよう手首まで持っていかれぬよう、うまく抜くか、いっそもっと奥まで入れるかです」
「ろくでもない二択だな」
「戦国にございますので」
それもそうだった。
本能寺を止めた。
だがそのあと綺麗に観客席へ戻れるほど、戦国も信長も優しくはない。
もう噛み込まれたのだ。
ならば抜くにも、さらに差し込むにも、覚悟が要る。
その時、再び蘭丸が現れた。
いったいどこから見ているのか、本当にこの寺の中は目だらけだと龍之介は思う。
「三上殿」
「は」
「上様がお待ちです。本日より、しばらく御側近くに置かれるとのこと」
その言葉に、龍之介は内心でやはり来たかと思った。
信長は放さない。
少なくとも今朝のことが完全に収まるまでは、自分を近くに置いて観察し、使い、試すつもりなのだろう。
「承知いたした」
蘭丸は頷いたが、その目の奥の警戒はまだ消えない。
「申し上げておきます」
蘭丸が静かに言う。
「上様の近くは、面白いだけで生き残れる場所ではございませぬ」
龍之介はその言葉を受けて、少しだけ口元を緩めた。
「肝に銘じよう」
「……軽く受け取らぬ方がよろしい」
「軽くは受け取っておらぬ。軽く返しただけだ」
蘭丸の眉がわずかに寄る。
だがその表情には、先ほどまでの露骨な拒絶だけではなく、少しばかり“どういう男だこいつは”という観察も混じっていた。
「参りましょう」
蘭丸が先に立つ。
龍之介はその背に従いながら、ふと振り返った。
本能寺の屋根が朝の光を受けている。
静かだ。
あまりにも静かだ。
燃えなかった本能寺の朝。
そのあとに続くものが、いったいどれほど大きいか、いまの自分にはまだ測りきれない。
だが少なくとも、もう後戻りはない。
本能寺を止めたのではない。
ここから先の歴史を、自分は本当に始めてしまったのだ。




