表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

孤独

文章が拙かったり設定が甘かったりするところ等あると思いますが、気づいた点がございましたら感想等で教えていただけると嬉しいです!

私の部屋は狭くて、窓の外からは隣の家の壁しか見えない。

静かな場所なのに、心の中はいつも騒がしかった。


母は毎日、朝から夜まで仕事に追われていた。

「また遅くなるから、夕飯は勝手に食べて」

そんな言葉が日常だった。話をしようとしても、電話の向こうの声はいつも忙しそうで、私に耳を傾ける時間なんてなかった。話しかければ返ってくるのは怒声か沈黙だけだった。


父はもう何年も前に家を出ていった。

理由は聞かされていない。誰も、何も教えてくれなかった。


一人きりの部屋で、私は時々泣いた。

でも誰にも見られたくなくて、すぐに涙を拭って顔を上げた。


家族からの愛情を受けず、心が廃れていた私は、学校で一人なじめていなかった。

人混みの中にいても、誰にも触れられないような気がした。

友達はいるはずなのに、心はどこか遠く離れている。


「みお、大丈夫?」

誰かが声をかけてくれても、笑顔で答えることはできなかった。


自分がここにいても、いなくても、誰も変わらないと思った。


そんな私の心は、どこか冷たくて、動かなくなっていた。


けれど、あの夜――レイに出会った。

彼が現れたとき、胸に刺さった衝撃は、私が忘れていた何かを呼び覚ました。


私はまだ、その衝撃が何なのか分からない。

それは“恋”なのか、”依存”なのか、それとも単なる救いへの渇望なのか。


ただ一つ確かなのは、あの瞬間、私は自分の心臓を差し出してもかまわないと思ったこと。

それは、初めて自分で選んだ「生きる理由」だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ