孤独
文章が拙かったり設定が甘かったりするところ等あると思いますが、気づいた点がございましたら感想等で教えていただけると嬉しいです!
私の部屋は狭くて、窓の外からは隣の家の壁しか見えない。
静かな場所なのに、心の中はいつも騒がしかった。
母は毎日、朝から夜まで仕事に追われていた。
「また遅くなるから、夕飯は勝手に食べて」
そんな言葉が日常だった。話をしようとしても、電話の向こうの声はいつも忙しそうで、私に耳を傾ける時間なんてなかった。話しかければ返ってくるのは怒声か沈黙だけだった。
父はもう何年も前に家を出ていった。
理由は聞かされていない。誰も、何も教えてくれなかった。
一人きりの部屋で、私は時々泣いた。
でも誰にも見られたくなくて、すぐに涙を拭って顔を上げた。
家族からの愛情を受けず、心が廃れていた私は、学校で一人なじめていなかった。
人混みの中にいても、誰にも触れられないような気がした。
友達はいるはずなのに、心はどこか遠く離れている。
「みお、大丈夫?」
誰かが声をかけてくれても、笑顔で答えることはできなかった。
自分がここにいても、いなくても、誰も変わらないと思った。
そんな私の心は、どこか冷たくて、動かなくなっていた。
けれど、あの夜――レイに出会った。
彼が現れたとき、胸に刺さった衝撃は、私が忘れていた何かを呼び覚ました。
私はまだ、その衝撃が何なのか分からない。
それは“恋”なのか、”依存”なのか、それとも単なる救いへの渇望なのか。
ただ一つ確かなのは、あの瞬間、私は自分の心臓を差し出してもかまわないと思ったこと。
それは、初めて自分で選んだ「生きる理由」だった。