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14話 招集

―――――――――泥啜り達 空港襲撃前―――――――――


 Mark本部。


 それは普通のオフィスである。


 街の中にある、至って普通のオフィス。


 しかしそれは外見のみに過ぎない。


 いわば、Guardianという表向きの会社に過ぎない。


 Markの構成員は、基本的に常日頃変装をして過ごしている。


 故に、そこらにいる清掃員、受付嬢、ましてや自販機の補充をする者でさえ、裏の人間だ。


 しかも、全員戦える。


 裏の顔は、建前は狙撃者集団というのがあるが、本当は、そんな事はない。確かに狙撃に長けた者は多い。が、狙撃者だけでやっていけるわけもない。


 近接に長けた者も多い。


 というより幹部には、近接で戦う者が多い。


 重宝される上に、限界値が狙撃手よりも高い者が多いからだ。 

 


 さて、俺達は変装が故に、Guardianの客として訪れる。


 本当は、全員に仕事名は知られてるんだろうがな。

 


「ここが、お父さんの目的地?」


「そうだよ。立派な建物だろう?」


「うん!」


 さて、本部自体に入るには色々な条件がある。


 しかし、知っていれば簡単だ。


 今から実践してみせよう。


 1 受付に行く。


「こんにちは。予約していたシドです。シド・レイです。こちらは娘のケニー・レイですが……」


「承知しました。少々お待ち下さい」



 2 招集毎に変わる合言葉を、会話内でさり気なく言う。


「にしても、今日はいい天気ですね。まるで、煌めく金のようで」


「えぇ。そうですね」


 受付嬢は、さり気なく名簿を見るフリをした。


「……確認が取れましたので、ご案内します」


 社内とはいえ、警戒は一切怠らない。頼もしいものだ。 


「ありがとうございます」



 3 受付がエレベーターに案内するので、それについて行く。そして、エレベーターに乗る。


 乗る際は、囮を含む助手も入れる事。


 エーフィーに関しては、本部に伝えている。


 もしかしたら、それで呼び出されたかもしれないのが、怖いところ。


 4 会話を続け、もう一つの合言葉をさり気なく言う。


「やはり、受付嬢というのは大変ですか?」


「えぇ。」


「そうですか。いや、やはりそうでしょう。なんてったって、客を怒らせて、火に油を注ぐ訳には、いきませんからな」


 今回は、火に油を注ぐ。というのが合言葉。


「……えぇ。そうですね。シド様はお仕事などは、何をされているのですか?」

 


 5 受付から、会話的に自然な問いを返されるので、それに対して、突拍子もない合言葉を言う。


 今回は

 

 「アルバータの海で泳げれば面白いのに」

 

 である。


「……」


 受付嬢から、作り笑顔が消えた。


 裏社会の人間の目だ。見せても問題の無い相手、つまり同業者に見せる目になった。


 6 受付が、エレベーターのボタンをパスワードみたく、決められた手順で押してゆく。


 7 地下のとある階層に付く。


「ここです」 


「ありがとう。気を付けて戻ってくれ」


 受付嬢は、エレベーターの扉が閉まりきるまで、お辞儀をしていた。


 さて、目の前に見えるのは、ボロボロ長い廊下の一本道。


 剥げたコンクリート、少しずつ垂れ落ちる水、足元が見える程度のライト。


 実は、銃器のチェックロードでもある。


 本部に行く際、絶対に守らなければならないルール。それは、銃器の持ち込み禁止である。


 持ち込んだままにした際、滴る水が一気に増え、体を濡らす。そして、気絶電流のセットだ。


 仮に、敵組織が入ってきた際の対応策だ。


 詳しく知ってるのは、俺の師匠の罠だからというのもある。


 組織内であれば、絶対的に守らなければならないルールだからだ。


 あ、待てよ。


 エーフィーに言ってないんだよな。


 本部のルール漏洩させたくなかったし……。


 ……あ、やばい。


「エーフィー」


「もうパパじゃなくて良いの?」


「あぁ。いや、そこじゃない。銃、大丈夫か?」


「うん!大丈夫!」


「ヨシ」


 俺は目に見えぬセンサーを通った……はず。ヨシ。何も起きな


 ―シャアアアア―


 ん?水?


 なっ………!まさ


 ―――――――――――――――――――――――――――――――


 目を開くと、目の前には金髪、かつ蒼眼の老婆が立っていた。


 肩から、前側を塞ぐ白いクロークマント。

 


 腰は少し曲がっているが、80を超えているようには見えない。


 その左右には、真っ白な仮面をした屈強な男が2人。


「……」


「……」


「……」


 気まずい沈黙。


 隣には、エーフィーが立っていた。


 しかし、俺は椅子に縛られ、その上、手には手錠が掛かっていた。


「……あんた、泥啜りだね。何やってんだい」


 金髪の老婆が喋りかけてきた。


 この人こそ、Markのボスにして、諸説はあるが、世界最強のスナイパー。


 カーラ・ラスタだ。

 

「……すみません。まさかエーフィーが銃を持ってるとは……」


「……馬鹿だねぇ。会議は一番乗りだったんだけどね。気絶してる間にゃ、もう2人は来たよ」


「そうですか……」


Mark構成員は、雑務含めると1000人以上を超える大集団だ。


 裏組織というより、もはや大企業と言って良いだろう。


 その中でも、俺達実行部隊は、10本指の幹部みたいなものだ。


 そう。俺の様な奴が10人いるのだ。 


 そして、世界でもトップレベルの暗殺者達でもある。


 もっとも、凄いのはそんな奴らをまとめ上げるカーラさんなのだが……。


「……ごしゅじん、ごめんなさい」


 エーフィーが謝ってきた。


 エーフィーの目は若干赤く、顔は俯いていた。


「いや、エーフィーは悪くない。言い忘れた俺の責任だ」


 そう。実際そうなのだ。


 タイミングを失ったという言い訳はさておき、実際忘れていたのは事実ではある。


 銃を持っていたのは、念の為という、エーフィー警戒心の強さの表れだし。……俺は別にいいと思う。


 それに、俺はエーフィーを危険に晒したしな。


 ん?待てよ。囮じゃないか。


 あぁ、いや違うな。


 囮だからこそ、戦場ではしっかりと囮として。無駄なダメージは避けさせるべきだよな。


 あ。待てよ。そもそもエーフィー気絶したのか?


「……なんだか、お前達は似ているよねぇ」


 カーラさんが呟いた。 


「え?」


 似ている?誰と?


「お前の師匠もそんな感じだったろ?」


 あぁ。そういう事か。


「……まぁ、そうですね」


「……フッ。まぁいいか。次からは気を付けるんだよ」


 カーラさんが片手を上げる。すると屈強な男が、手錠を外し、縄を解いた。


 立ち上がり、直ぐ様エーフィーの前にしゃがむ。


「電撃、痛かったよな。スマン」


「……?いや、ごしゅじんが急に前で倒れたから……すぐに後ろに下がったら……」


「あぁ……避けたのか?てか、避けれたのか?」


「……うん。……ごめ」


 謝りかけるエーフィーを遮り、言葉をかける。


「あぁ、いや、責めてるわけじゃない。むしろ、ほっとしたよ」 


 怪我がないのなら、それに越したことはないしな。


 しかし、まさか防衛システムに欠陥があったとは……。師匠のシステムの不備、か。


 俺が直しておこうか……。




 あ、言い忘れるところだったな。


「カーラさん」


「なんだ」


「実は、ヴァロン国内で、襲撃されました。恐らく、Markと知った上で、です」


「あぁ、それかい。囮の子から聞いたよ。それも会議で話そうか」

 


 その後、俺達は監禁室を後にして、Mark本部会議の部屋の、扉の前に辿り着いた。

 

 シンプルな扉。装飾などは一切無い。


 費用節約の為らしい。


 さて、ここでも気を抜いてはいけない。


 Mark本部の幹部には、追加で確認作業がいる。


 それは、扉に入る前の所作。というより、合言葉。



 1 まずは、3回ノック。その後、合言葉


「すいません。“10の指跡はあるでしょうか“」


「あぁ。あるぞ」


 カーラさんの声が返ってくる。


 2 Mark幹部には、各々数字が与えられる。数字に序列関係は無く、本当にただの番号だ。


 因みに、俺は4本目。


「4本目です」


「よし。入れ」


 カーラさんの声が返ってきたので。即座に扉を開ける。



 目の前には、アンティークな雰囲気の漂う部屋が広がる。


 円型の大きなテーブルがあり、カーラさんから時計回りに、10の椅子が1周する様に、等間隔に並んでいた。


「来たね。……聞いたよ。面白い囮ちゃんじゃないか」


 7番目の椅子に座る、痩せ型でサングラスをかけている、銀髪ポニーテールの、身長の高い女性。


 仕事名―鎌鼬スライサー


 刃物を主体として、素早い動きで仕留める。


 


「気絶なさったそうですね。災難な事です」


 5番目に座る、普通体型、髪型は白髪のオールバック、口元には口が見えない程度の白髭、そして黒いスーツをこしらえた男。


 仕事名―爆破屋ボマー


 言わずもがな、皆、変装である。


 各々好きな格好をしている者もいる。


 俺はあくまで、仕事として着ている。


 本来の顔は、誰も知らない。


 ただ、本人曰く、カーラさんは本当の顔らしい。 



「で、本当に気絶したのかい?」


 鎌鼬が目を輝かせながら聞いてくる。


「……まぁな」


「へぇ……」


 コイツ……ニヤけた。酒のツマミにされるな。クソッ。


「お名前はなんというのですか?Mr.泥啜り」


 爆破屋が、微笑みながら言った。


「エーフィーだ」


 紳士的な態度だが、爆破屋は、Mark内でもトップレベルのイカれ具合をしている。


 色々理由はあるが、ヴァロンの時に散々やったからな。


「Msエーフィーですか。……良い名前ですね。あと……囮とした事を、本人が了承しているのかは純粋に気になりますね。疑問として」


「しているさ」


「……貴方が答えてもあまり意味を持ちませんよ?どうなのですか?Msエーフィー?」


「……してます」


 小さい声だが、エーフィーは確かにそう言った。


 一緒に隣で立っているんだ。確かに聞こえた。


「……そうですか。ありがとうございます。貴方の様な境遇の人は珍しいですから。純粋に気になってしまいまして。あ、あともう一つ質問を……」


「もう座らせてやれ」


 カーラさんが、爆破屋の言葉を遮った。


「おや、失礼しました。Msカーラ」


 俺は、席に座って気が付いた。


 エーフィーの席が無い。


 立ちっぱなしにするのもなぁ。


「カーラさん、この子に椅子座らせてやっても良いですか?」


「あぁ……別にいいよ。お前はどうするんだい?」


 そういえば、この部屋には10個の椅子しか無いんだったな。残るは拷問椅子ぐらいだろうな。


 わざわざMark本部の外に出て、持ってくるのも面倒だ。


 立ったまま参加するとしよう。


「俺は、立ったままでも大丈夫です」


「いやぁ……ココは膝に座らせてやったらどうだい?お似合いだよ」


 鎌鼬が、笑いを含みながらそう言った。


 コイツ。俺で遊ぼうとしてやがる。


 いや、囮を雇うと言ってから、こうなりそうな雰囲気はしたんだよな。


「……いや、俺が立ってますよ」


「何だい、つまんないねー」


 俺が立ち上がろうとした瞬間、エーフィーが俺の膝に腰を掛けた。


「ん?エーフィー?」


「……ダメ?」


 エーフィーが、俯いてそう言った。つむじが強調されて見える。


「ん?いや、別に駄目って訳じゃないんだがな……?」


 何故こんな行動をしたのか、俺には分からなかった。 


 ふと見ると、鎌鼬の目が丸くなっている。予想外な反応をされた目だな。


 その後すぐに、目がとろりと溶けた。え、まさかコイツ、ロリコンなのか?


 爆破屋は、何か尊い物を見る目をしていた。


 何でそんな目になれるかは不思議だが。


 一方カーラさんは、少し悲しい目をしていた。


 待って下さい。俺はこんな教えはしてません。カーラさん、勘違いしないで下さい。お願いします。俺はロリコンじゃないんです。


 ―コンコン―


「すいませーん。“10本の指跡ってありますかー!“」


 丁度良いタイミングで人が来た。 


「あぁ。あるぞ」


「3本目でーす」


「入れ」


 入ってきたのは、3番目。背まである黒髪、黒い帽子に、フード付きの黒いパーカーの女子。


 身長は、低め。


 破砕者ブレイカーだ。


 パット見細身なので、そんなブレイカーとか言われる程のパワーがある様に思えないだろう。


 が、腕、脚などが全て、骨は金属をベースに、硬化する筋肉だったりと……人工的に作られたものだ。


 しかも、本人自作。


 ……と、本人が喋っていた。


 だからパワードスーツ並、とまではいかないが、とんでもないパワーを持っている。


 そのパワーで、関節等を狙って、ぶっ壊しにいくらしい。


 だから、破砕者。


「やぁ。破砕者。おひさ」


 鎌鼬が手をヒラヒラとさせた。


「鎌鼬ちゃん!おひさ~!」 

 

 粉砕者が、横目で俺達を見て、ピタリと止まった。嫌な予感がする。


「え、泥啜りさんってロリコンなんですかー?!」


 この流れ続くのかよ。ま、粉砕者なら、そういうと思ったけどさ。


「いや、コイツは囮だ。あと、俺はロリコンじゃない」


「え、じゃあ何で膝乗せてるんですかー?」


「……コイツから乗ってきたんだよ」


「へー。そんな甘えん坊なんだー!すぐ死にそうですねー!」


 粉砕者。コイツは体だけでなく、空気までも壊す。故に粉砕者なのだ。


 もう既に、指達は慣れてるのが、プロというかなんというか。


「いや、すぐに死なせはしないさ。既に金もかけちゃったしな」


「……ふーん。でも、泥啜りさんの金をかけるって結構安いじゃないですかー」


「いや、今回“は“違う。まぁ、共同作戦とかで見せる時があったら見せるよ」


「は“って……やっぱりケチって自覚あったんだー!」


「……」


 粉砕者は、そう言った後に、ニコニコ笑いながら3番目の席に座った。


 もう慣れたからいいが、最初は髪がよく抜けたな。


 

「……というか、お前が早いとは珍しいな。粉砕者」


 そう、カーラさんが言う通り、かなり珍しい。いつも遅刻常習犯だというのに。


「え、カーラさんヒドーイ!だって、今回って、クイルァ内部のテロリスト関連じゃないですかー?」


「……どうして分かったんだい?」


「そんなの、内政事情把握してれば、分かるじゃないですかー」


「まぁ、そうだねぇ」


「テロリスト相手なら、思い切りやっても良いのかなぁー、って思うと早めに来ちゃって!」


 粉砕者は、えへへと、後頭部をかいていた。


 取り敢えず、エーフィーの事での会議ではないのか。


 安心した。


「……。まぁ、先に伝えておこうか。粉砕者の読み通り、クイルァのテロリストを潰すのが私達の役目だね。しかも、ほぼ国からの命令って言っても良い」


「おや、それは光栄な事で」


「……それでカーラの姉御。何人来るんだい?今回は?」


「私も気になりますー!」


「俺も気になります。ですが、それは人数が揃ってからでも良いとは思います」


「……まぁ泥啜りの言う通りだね。人数だけ言うと、あと2人は来るだろうね。壊滅者バーサーカー神威カムイだ」


「人数的に足りるのですか?Msカーラ?」


 爆破屋が、両肘をつきながら言った。


「……そもそも、一つの作戦に、こんなに指を出すことなんて無かっただろ?」


「いえ、規模的な意味で、です」


「まぁ、彼奴等が来たら話すさ。気長に待ちな」


 会議室が静まりかけた時、粉砕者と鎌鼬が喋りだし、静かさは消えた。


 殺しの規模が大きくなりそうで、キャッキャッしている。


 


 ……まぁ、待とう。


 そんなこんな待っていると、エーフィーが座っていたせいか、脚に痺れが来た。


 


「……エーフィー。そろそろ降りてくれ。脚が痺れてきた」


「……あ、ごめんさない……」


 そのエーフィーの声は、弱く小さかった。


 かなり萎縮しているらしい。


 まぁ、粉砕者とかに慣れてない上に、エーフィーは子供だしな。そりゃ萎縮するだろう。


「椅子、座るか?」


「……うん」


 俺は席を譲り、立ち上がる。


 脚が痺れていたが、難なく立ち上がれた。


 ―コンコン―


「10の指はあるか?」

「……10の指はあるだろうか?」


 2人の声が聞こえた。


「あぁ。あるぞ」


「2本目と」


「……3本目の指はあるか?」


「……入れ」


 扉が開いた。


 大柄で、無精髭を生やし、白い短髪で黒いコートを着た男。


 壊滅者バーサーカー



 黒いフード、黒のマスク、黒のサングラス、そして、黒いジャージ、軍手、の完全不審者コーデ。


 神威カムイ


「おや、2人同時とは珍しいね。しかも、1人が好きなあんたらが」


「たまたまな」


「……タイミングが合ったので」


 神威のマスクで籠もった声に、破砕者が反応した。


「えー、神威さんまた不審者コーデなのー?」


「……格好などは気にしないからね」


「気にしないとー、モテませんよー?」


「……今回は指定も無いだろ?モテようとも思わないし」


「つまんないのー」


 神威は相変わらず、こういった場面での服装は同じだ。


 よくバレないな。


「まぁ、座れ。……作戦を話す」


 カーラさんの声に、一瞬で静まり返る。皆の目は、暗殺者の目になっていた。


 血に飢えた獣の目。もしかしたら、俺もそうなっているかもしれない。


 壊滅者と、神威が席に付く。椅子を引く音が響いた。


「さて、今回の依頼者は、“名義上“はデンダロ・ポップ。クイルァ政治家の重鎮だ。報酬は、全部で15億モント。モントの価値は高いから、他国でも、かなりの額になるだろう。これを山分けする」


「よろしいですか?Msカーラ」


 爆破屋が、片腕を上げた。


「爆破屋か。いいぞ」


「15億モントなど、1人では到底払える額ではありません。……払えるか怪しいですが、貴方が了承したということは、確実に報酬が払われるということ。つまり、先程の“名義上“という表現は、実質的に、複数人が関わっている。という事でよろしいですかな?」


「あぁ。実質的に、ポップが代表して依頼した。政治家の1部から、少しずつ金を収集し、集めたそうだ。……まぁ、国直々の命令と言っていいな」


「なるほど。だから先程は、国からの命令、と言った訳ですね」


「あぁ。そうだ。……話を続けるぞ」



「今回の依頼は、クイルァの極右派、クイルァ解放戦線となったテロリストの制圧、かつ、奴らに武器を流している、裏組織の制圧だ」


 なるほど。極右派もそこまでいくと、決意したのか。


「……待てよ、カーラの姉御。裏組織はいいとして、テロリストの制圧はどうすんだよ?」


 鎌鼬が、前のめりになって質問した。


「Guardianの職員として、軍と警察との作戦に参加してもらう。お前達は、Guardianとしての顔を持ってる訳だからな」


 まぁ、そうだろうな。テロリストの制圧は、あくまで、雇われ傭兵として行くわけだ。


 こいつらは元々、Guardianから選ばれて此処にいる訳だしな。Guardianとしての顔はある。まぁその顔自体も、本当の素顔ではないんだけどな。


「俺は裏との戦いの方が得意だぜ。てか、その方が良い。切りまくれるしな」


 と、鎌鼬。


「同じく、私も爆破ですので。表で使うと被害が大きくなりかねます」


 と、爆破屋。いや、裏でも結構な爆破するだろ。まぁ、その調整が上手いから、指になってる訳なんだが……。


「俺はどっちでもいい。どちらも、腕力も体力も活かせる」


 と、壊滅者。


「……俺は裏が良い。その方が殺りやすい」


 と、神威。


「私も、裏組織のやつなら思い切りやっても良いので!」


 と、粉砕者。


「私はどっちでも良いです。ただ、エーフィーの狙撃の練習もさせたいんで、Guardianとして行きたいのはあります」


 と、続いて俺も。


「まぁ、待て。焦るな。表と裏での詳しい任務を話す」


 今からおおよそ7時間後。


 クイルァのデモ隊が空港を襲い、テロを決行する。その上で、現クイルァ政府に対して、宣戦布告をするらしい。


 知っていて抑えにいかないのは、確実にクイルァ極右派を潰す口実を作りたいから。とのこと。


 かなりリスキーな判断をするものだ。そもそも止めに行かないのが甚だ疑問だ。


 ……あぁ。なるほど。


 クイルァ極右派を潰すのも、あくまで建前か。いや、本音も混じりつつって事だろう。


 完全に、クイルァ極右派を悪に仕立て上げる為か。


 そもそもクイルァ自体を、間接的かつ、武力的に支配したのは現政府だ。


 その上で、付き纏う厄介事もあったのだろう。


 だから、クイルァ極右派を完全に悪として認識させれば、国民からの不信感も無くなるってことか。


 元々、今のクイルァ国民はそんな事考えて生きているかと言われれば、そんな事は無いんだろうがな。


 


 そもそも、国側がテロをが起こるというのを知っている事を、Mark側に拡散されたら、取り返しのつかない事となるだろうに。それ程Markは信用されている、という事でもあるのか?


 まぁ、そこはカーラさんが判断するだろう。


 さて、裏組織側は、良い商売相手であるかつ、テロ組織となったクイルァ極右派に、警察と軍の、注意や人員が割かれる。なので、その間に、クイルァ国内でクスリや弾丸、武器などを売り捌こうとしているのでは、という予想がたっていた。


 俺も概ね同意だ。 



「……まぁ、こっちも商売敵の面子を潰す良いチャンスだ。裏側の戦力は多めが良いだろう。表は、Guardian側の傭兵職員も派遣する上、指も派遣する。裏だけだと、情報やらなんやら、表との連携が取りにくいしな」


 裏組織の討伐隊は、鎌鼬、粉砕者、爆破屋、神威の四人。


 Guardian兼テロ組織制圧隊は、泥啜りとエーフィー、破壊者 


 となった。


「裏組織の輩も、隣国のマフィアと、この国のMark以外の小さい輩が結託してるらしい。この国の輩は大丈夫だが、隣国の輩が怖いね」


 カーラさんが人差し指で、机をトントンと叩きつつ言った。


「隣国というと、FONDOですか……」


 爆破屋が肩肘をつき、言った。

 

 FONDO。


 隣国の裏組織。敵対はした事は無いが、商売敵にあたる。


 薬物や武器の密造、密輸と、お手本の様な裏組織。


 ……規模は大体同じくらいか?


「あぁ。あいつらも、かなり情報操作しているからね。……商売方法は分かっていても、用心棒として、誰を雇っているか分からない。その上、人員が何処に割かれているかも、今は分からん。情報が入るまで、すまないが、あんたらに任せるよ」


「勿論、我々に任せて下さい。Msカーラ」


「それと、泥啜りが襲撃された。車に乗っている時に襲われたらしい。どの組織かは知らない。が、恐らくFONDOだろう。気をつけてくれ」


「……姉御。それは情報が漏れたってことかい……?」


「……内通者がいるって事だろう。警戒してくれ。まぁ、皆なら対処出来そうだかね」


「まぁ、そうだけどよ……」


「対処は此方でしておく。皆は任務に集中して欲しい」


「カーラの姉御がそういうなら良いけどよ」


「……では、各々の役割を伝える。確認次第、仕事にあたれ」


「「「「「「了解」」」」」」

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