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12話 瓦礫の下

――――――――――空港正面――――――――――――――


 凄まじい轟音。


 瓦礫の崩れる音。


 それを皮切りに、デモ団体が動き出した。


 隠し持っていた、トンカチ、ハンマー、バット、ナイフ、とにかく、ありとあらゆる鈍器。


 それらを手に持つ。


 そこからは、一瞬であった。


 窓は割れ、扉も割れ、テロリストがなだれ込む。


 待機していた隊員のアリック、シナンは、銃を構える。


 警備員もハンドガンを構える。


「止まれぇ!」


 そんな警告は虚しく響いた。


 雪崩となったテロリストは、止まらずに流れ込む。

 

 いよいよ乱闘になった。


 血が飛び出し、飛び散る。


 殴られ、歯が飛ぶ。


 潰れる。


 飛び散る。


 その空港は、一夜にして血の海となり、爆破で瓦礫が生まれた。


 援護が来たのは、それからであった。


――――――――ミース シェフィア―――――――――――


 目が覚めた。


 気絶していたらしい。


 正面は暗く、良く見ると灰色に近い。


 足が動かない。


 腕も。


 重い。


 ……どうやら、間に合わなかったらしい。


 瓦礫の下か。


 だが、重症では無さそうだ。


 ヘルメットと、胸付近に負荷が少ないので、声も出せる。


 アーマーのおかげだ。


 ただ、時間が分からない。


 だが、未だ夜だろうか?


 一体……何分気絶していた?


 相方はどうなった……?


 正面の隊員達は……?


 トランシーバーの起動も出来ない。



 声を出すか?


 いや、リスクがあるな。


 仮にテロリスト側が占領していた場合、声で位置がバレかねない。


 捕らえられる可能性もある。


 いや、だとしたら思い切り暴れて、動けなくなったら……舌を噛み切ってしまおうか。


 今動けずに、失うよりはマシだ。


 「誰かいるか?」


 返答は無い。


 「私だ。ミースだ。返事をしてくれ」


 無い……。


 「サイパン!いるか?!」


 相方の名前を指名したが、返事は無い。


 嫌な予感がする。 


 私より、少し先に走っていたから、瓦礫の下でも、ある程度はマシだろうし。


 仮に下にいたとしても、私みたいにアーマーがある程度は護ってくれるはず……。


 まだ気絶しているのか……?


 ならば……少し待とう。

 

 

 

 その時、ヘリのプロペラの音が耳に入った。


 援軍か?


 そうだとするならば、5〜6分は寝てたのか?


 いや、そこまで寝ていないのか?


 おおよそ、現在地から一番近い軍事基地からは、20キロ程離れている。


 だとしたら……やはり気絶していた時間はそこまで長くは無さそうだ。


 しかし、起き上がれない。


 パワードスーツであれば起き上がる事は可能だったかも知れないが……。


 あれはいかんせん費用が高い。


 そこらの隊にポンポン配置出来るものではないし。


 ……であれば、今、私に何が出来る?


 何も出来ない。


 仮に、瓦礫を除ける為にグレネードがあったとしても、手が動かせないし、普通に爆破に巻き込まれて致命傷になる。


 そもそも、手段が無い。


 ならば、いち早く助けを貰えるように……声を出す。


 酸欠もあるだろうが、そこまで深く埋まっているとは思えない。


 光も少し届いているし。


 深く息を吸う。


 そして、腹から声をだす。


「誰か!ここに埋まっている!助けてくれぇ!」


 テロリストに聞こえていたとしても、奴らにアーマーを直ぐ様壊せる手段がある様には思えない。

 

 いや、今は無いように願うしかない。


 そもそも瓦礫に隠れているから、時間稼ぎにはなる。


「……長……!え………ますか……!」


 途切れ途切れだが、声が聞こえた。


 相方のサイパンの声がした。


 声が低いので、少し聞き取り辛かったが、死んでいない事は確認できた。


 ……良かった。


「サイパン!無事だったか!」


「………えぇ!…な…とか!」


「瓦礫の下か!?」


「………で……す!」


「え?!なんだって?!」


「そぅ…す!」


「分かった!ならば、救援が来るまで待機だ!」


「…了………い!」



 サイパンは無事だ。


 問題は、正面にいた2人の隊員達だ。


 アリックと、シナン。


 ……生きていてくれ。

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