第11話 侵入阻止
裏口から侵入した後、私達は音を立てずに、道を順々に進んでいた。
勿論、壁に沿い、クリアリングをしつつだ。
そして、追っていくと、いた。
裏口から侵入したであろうテロリストが。
服装や装備は暗くて良く見えないが、ランチャーや対物ライフル等の、アーマーを貫通してダメージを与えれるようなものでは無い事が確認できた。
私達の場所は、一本道の廊下、曲がり角付近。
それを曲がった先の道にいた。
二人。
どうやら、気づかれていないらしい。
一人は正面を、もう一人は後ろを見つつ、ゆっくりと進んでいた。
入り口からは、予想より進んでおらず、かなり慎重になっていると思われる。
まぁ、そもそも素人だろうし、緊張とか恐怖感相まって、ゆっくりにならざるを得ないだろうし。
捕らえるか。
相方に、一緒のタイミングで出るぞとハンドサインを送る。
3つ数えて、飛び出す。
「銃を捨てろ!」
銃口を向ける。目潰しの意も含め、銃先のライトを最大光量にした。
「「!」」
テロリスト達は、目出し帽を被っていた。
黒いジャージの上に、防弾ベスト。
その上に、黒いコートを羽織っている。
そして、サイレンサーのピストル。
腰にはガムテープ……。
やはり裏から入り、人質を作る予定だったか……。
「クソっ!」
―ピシュッ―
サイレンサーで少し聞こえづらかったが、発砲音。
胴体に当たったが、ほぼ効果は無い。
発砲されたら、仕方ない。
―ダァンッ― ―ダァンッ―
一本道の廊下に、コンマのズレで、2発の銃声が響く。
テロリストのピストルを狙った弾丸であった。
それは命中し、瞬く間にテロリストを無力化した。
「……!」
無力化までは、僅か2秒であった。
「さぁ、手を挙げて」
「……」
テロリストは大人しく手を挙げた。
「何故こんな事をしたの?」
「……さぁな。俺達は雇われさ」
相方は、片手でしっかりと銃を構え、片手でトランシーバーで報告をしていた。
やはり、優秀だ。
「そう。じゃあ、壁の方に行って……いや」
……何か違和感がある。
「なんだ。捕らえるなら早くしろ」
こんなリスクの高い事を、雇われ職がするのか?
よっぽど報酬が良かったのか……?
いや、ニ流三流なら受けかねないし、実際腕は無い。
けれど……。
なんだ?
なんなんだ?この違和感は?
こんなにも、潔く受け入れるかしら。
いや、無い。
ニ流三流だとしても、サイレンサーピストルなんて、低下力を持ってくるか?もっと音の出る火力の高い銃を持ってくる可能性もあるだろう?
いや、それは違うか?
なんだ?
……そもそも、雇われなのか?
いや、違う。彼らは雇われじゃない。
テロリストの一員。構成員だ。
だとしたら……。
そんな、あるのか?
だとすれば、恐らくあのコートの裏には、爆弾か何かか付いている。
制圧を前提とされた、特攻部隊。
なのか?
そんなことあるのか……?
「……その場所で、コートを脱いで」
「…………」
テロリストは素直にコートを脱ぐ。
直前。
ズボンのポケットに手を入れた。
やはりか?
「止まれ」
「……」
テロリストは止まらない。
―カチッ―
確かに、そんな音が聞こえた。
「おおおおおお!」
テロリストは急に声を荒げ、こちらに向かって、走り出す。
―ダァンッ―
脚に向け、発砲した。
テロリストは、前のめりに転ぶ。
もう一人は……!
相方に覆いかぶろうとして、頭を撃ち抜かれていた。
「逃げて!」
相方は頷きもせずに、出口に走り出す。
私も、並走する様な形で、逃げる。
即座に、背後から音にもならない轟音が弾けた。
あ、ダメだ。
正面がマズイ。
意識が、遠のいていくのが分かった。
――――――――――空港正面――――――――――――――
凄まじい轟音。
瓦礫の崩れる音。
それを皮切りに、デモ団体が動き出した。
隠し持っていた、トンカチ、ハンマー、バット、ナイフ、とにかく、ありとあらゆる鈍器。
それらを手に持つ。
そこからは、一瞬であった。
窓は割れ、扉も割れ、テロリストがなだれ込む。
待機していた隊員達は、銃を構える。
警備員もハンドガンを構える。
「止まれぇ!」
そんな警告は虚しく響いた。
雪崩となったそれらは、止まらずに流れ込む。
いよいよ乱闘になった。
血が飛び出し、飛び散る。
殴られ、歯が飛ぶ。
潰れる。
飛び散る。
その空港は、一夜にして血の海となり、爆破で瓦礫が生まれた。
援護が来たのは、それからであった。




