第76話 秘められし鏡と沈黙
「神器? ん? ん?」
なんか予想もしていなかった話が出てきて、ちょっと頭が追いついてこない。
色々あって寝たいけど報告もしたいパンパンの頭に、新たになにかは入らなそうなんだけれど。
「えっと………神器って、そんなに数多くあるものなの?」
《そんなわけないじゃない》
クリアリは、怒るようにそう返した。
「でも、うちにもう2つあるんですけど」
いくつあるか知らないけれど、神器って国宝じゃないの?
天秤をお母さまが持っていたことにも驚いたけれど、もうひとつ!?
「その鏡からは誰が出てくるの?」
思わず聞いてしまった。
だって、天秤からクリアリが出現したんだもの、他の神器にも誰かが宿っててねおかしくない。なのに。
《……………》
時間の流れが止まってしまったかのような沈黙。
いつもの皮肉めいた言葉も、呆れたような溜息もない。
《あなたの正体がバレる前に、距離をおきなさい》
そう言って、お菓子を頬張りお茶を飲んで、さっきまでの話はなかったように用意して欲しいテーブルのことなんかを話す。
聞いちゃいけないことだと察したから、私もあとはお土産話に切り替えたけれど、気になるなぁ。
クリアリのこの態度も、鏡の存在も、それをイリが私に託したことも。
だって神器よ?
盗んできてしまった?
城に出入りできるから、その可能性も否定できない。
そうだとしたら、私はその犯罪に加担していることにならない?
だって現物がここにあるんだもの。
《今日は疲れたでしょ。早くおやすみなさい》
私があれこれ考えていると、眠くなったと勘違いした―――――――ううん、眠いけれど、あぁだからなの? ぜんぜん考えが前に進まない。
「わかった。寝るわ。でもクリアリ、ひとつだけ天秤にかけさせて」
じゃないと、この底の見えない暗い不安を抱えたままじゃ、怖くて寝れそうもないんだもの。
短っ!
でも、ここで区切っておかないとって感じで公開しました。
気になる鏡。神器って見たことあります?
私、伊勢によく行くのでその機会がありまして、遠目にですけれど。
遠目にしか、一般人は見れないものですよね。普通は。




