第52話 告げ口を誓う
「泣くほどの事ではないのに」
声に呆れが含まれている。
あぁ、私は迷惑なんだな。
でも、涙が止まらないのだからしかたない。
だって、髪よっ。
髪を切られたのよっっ。
おまけに、変な色にされて。
はらはら頬を伝ってしまう。
あんまりよ。
「髪に触ってみなさい」
「え?」
言われて頭に手をやる。
頭頂、顔横、ここまでは変わりはない。
確かに髪に剣が触れた。
その衝撃があった。
「え? え?」
窓ガラスに映る私には髪がないのに、手には触れる?
どういうこと?
「え? え? なに、どうして?」
見えているものと、触感が違うから頭が混乱する。
「なんで……イリ!?」
窓ガラスに、私の後ろでニヤつくイリの姿も映っていた。
口元を手で覆って隠しているけど、目が笑ってる。わかる。
「まったく、少しは落ち着いていただきたい」
「大魔法師さまは、こんなのいとも簡単なんだとよ」
「は? え?」
まだ呑み込めていない私に、イリはニヤついたまま「魔法だ」と告げた。
「ま、魔法? これが? だって目には…」
触れば今まで通りに髪は存在しているのだけれど、見た目は違う。
確かに魔法にかけられたみたいだけどっ。
「イリの剣に祝福を与えてやりました。足元に斬られた髪が落ちていますか? 落ち着いていればわかる事でしょうに」
なんでこの人は、簡単に人に魔法をかけるの?
女の子を凍らせたり、泣かすような魔法、なんとも思わないの!!!
「あなたを連れていることを、隠したいんです。このあと本当に切るかは、結果次第ですがね」
「…………」
ほんと、氷の魔法師さまですことっ。
帰ったら、キリカにいっぱい愚痴ろう。
胸を高鳴らせ、憧れるような人じゃないと。
「さ、出発だ」
イリの号令に、私は気を引き締める。
災害は起きてほしくないけれど、いろいろ私だって確かめたい。
未来は変えられるのか――――――。
昨夜更新準備をしていて、ここが攻撃されていてできなかったのよね。
私ぜんぜんバックアップとっていないから、データが飛んだら……とちと青くなりました。
わかっちゃいるけど、こまめなセーブが苦手。
ゲームもセーブしないで駆け抜けるよっっ。




