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第40話 強行

「あ、商いの約束があります」

 もっともらしい言い訳。


 でも、そんなことが気にかかるんじゃない。

 どうして私は、こうも言えないことばかりなの。


 商いがあるのも本当だけれど。


 打開していないし、売らなきゃいけないものが、まだ部屋を埋め尽くしている。 

 それに、クリアリにこのことを相談もできないなんて、無理無理。



 厳密に何時と約束はしていないけれど、ダリア服飾店に新しいデザインを持ち込んで相談もしたかった。

 キリカだって、受注のこと任せっきりにできない。

 

「それに、私の夢なんて、信じていないのでしょう?」


 だったら、私を連れていく理由にならない。

 それほどに王の隠し子の存在は禁忌なの?


「信じていないと、誰が言いましたか?」

「え? だって信憑性がないって」


 言ったよね? 言ってたよね?

 ちらっと同意を求めてイリをみたら、イリもうなずいてくれた。


「夢なんて信じるかよ、こいつが」


「……はい」

 信じてほしいなんて、私の考えが甘かった。

 身も心も痛いほどわかったので、帰してください。


「見極めるための処置です」

「はぁ? お前は少しでも信じたのか?」

「少し?」


 イリの言葉に、モアディさまは怪訝な顔をした。


「私は魔法師ですよ。説明できない事象を起こせる者です。何らかの力があることを否定しません」


 そう言い切ったモアディさまは、凛としていて自分の職に誇りがあるのが伝わってくる。


 ごめんなさい。

 夢見なんて嘘をついたことが、胸を重くする。

 私、この人たちを騙すんだ。


 自分だけのためではないから、私だって誇っていいけど胸は痛む。



「お願いです。あなたたちにも行ってほしくない、中止…にできないならせめて別の地へ」


 深く、深く、頭を下げた。

 スハジャ公国じゃなければ、噴火からは逃れられるはずだから。



「無理だ」


 でも、私のお願いはまたも跳ね除けられる。


「決まったことを私は覆しません。あなたには同行していただきます。私には時間の限りがありますので、強行させていただきます」


 ゆっくりと、モアディさんが私に手を掲げる。

 さーっと、冷たい空気が私の周りを包み始めた。


「え? 寒……えっ!?」

 寒いと言うより、チリチリと空気が肌を刺す。




「お、おいっ!」


「氷の精よ、我と契約し彼女を捕縛せよ」


「え? え?」

 あげられた手が、すっと降ろされる。



「よせっ!」

 イリが私に駆け寄ろうとしているけど、なぜなの妙にゆっくりとしていて。

 イリが私に触れる前に、それは私の身体を縛った。


「冷たっ……」

 いや、冷たいより痛い!


「痛い、痛いっ」


 ピキピキと、ドレスが凍り肌に張り付くのがわかった。



「モアディ! やりすぎだ!!!」


 イリの声がどんどん小さくなって、私の意識はすっと落ちた。


週末は年末に風邪でできなかった大掃除をしていました。

ところで、モアディさまはバディ組みたくない人だと思うよ。

自分の都合いちばんで動くじゃん。

私のそばにもいるんですけれど、苦労しますよね。


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