旅立の日
「やっと元の大きさに戻れた」
「ありがとう、バルトロスさん」
「ちょっと複雑だけどね···」
「よかったではないか、ハーベル殿に感謝するのだぞ」
「リーフィア、グランシャインはどうするの?」
「ハーベルが持っていてくれる?それなら魔力切れになることもないし、誰かに盗まれる心配もないしね」
「なんか都合のいい男って感じだな···」
「分かった」
そう言って、グランシャインをアイテム袋へしまった。
「それにしても、精霊石ってこうやって作られるものだったんだね」
「いや、もうそれはいいから。あまり考えたくない!」
「了解」
明くる朝、両親に事情を説明した。
「父さん、ごめん」
「いや、そんな気はしていたんだ。お前が、医術師で満足するとは思えない。それだけの能力があるんだもっと人の役に立つことをするんだろ?」
「そうね、心配はつきないけどハーベルの好きにしなさい」
「母さん···」
「辛くなったらいつでもうちに帰ってくるといい」
「私たちはいつでも待っているわ」
「ありがとう、父さん、母さん」
「俺、幸せ者だな」
俺は、準備を済ませると早速ネルへ連絡してみた。
「ネル、準備はできてる?」
「ああ、ハーベル···」
「どうしたの?」
「姉さんが、姉さんが···」
「マクリアさんがどうしたの?」
マクリアさんは、ネルのお姉さんで、俺の昔のギルドマスターだった方だ。
「姉さんが···」
「ネル、落ち着いて!」
「ごめん、姉さんとの連絡が取れないの···」
「なんだって!」
「姉さんは、今は遺跡の調査の仕事をしてるのだけど、調査団からもう1週間も連絡がないと家に連絡が入ったの」
「なるほど、ちなみにどこの遺跡に調査へいっているの?」
「ザルーイ砂漠にある、ドラゴンの遺跡だって聞いてるんだけど···」
「あれ、それって···」
「バルトロス、自分の遺跡ならすぐに移動できるんだよな?」
「ハーベル殿、その通りです」
「ネル、おそらくその遺跡はバルトロスのものだ。
そこならすぐにでも移動できるよ」
「本当?」
「ああ、俺が早速行って確かめてくるよ」
「姉さんをお願い···」
「バルトロス、移動の準備をしてくれ」
「分かりました」
バルトロスは、光のポータルを作り出した。
「よし、リーフィア一緒に行って手伝いを頼むよ」
「緊急事態だからしょうがないわね」
俺は、ポータルを通って遺跡に着いた。
「暑いな、バルトロス、人間の気配は感じられるか?」
「はい、何人かまだ人間がいるようですが、ほとんどは死んでいます」
「早く見つけなきゃ!」
「生きてる人間の場所へ案内してくれ」
「分かりました」
「この辺りに何人かいるようですが、瓦礫が邪魔ですね」
「いや、問題ない」
俺は、一瞬で瓦礫を消し去ると三人ほど倒れていた。
「マクリアさん!」
「え、ハーベル?」
「すぐに運び出しますから···」
俺は、三人を抱えると一瞬で実家に移動した。
「父さん!急患だよ!」
「ハーベル、何事だ!」
「母さんも手伝って!お願い」
父さんと母さんが急いで準備を整え、緊急の処置を的確に行ってくれた。
次回 【謎の事件】




