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ソーサリーエレメント2  作者: 吾妻 八雲


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魔界へようこそ

周りは、見えるほどの魔素に包まれているが、人間界と同じような村の風景だった。


「あれ、思っていたのと全然違うな!」


「に~ちゃん、遊んでおくれよ」

「俺は、仕事が忙しいからあっち行ってろよ」

木の影から覗いていると、普通の生活過ぎて笑ってしまうほどだった。


「ハハハ、魔界だから、どんなに恐ろしいとこかと思ったけど、普通だな!」

「本当に魔界なのか?、それより、戻る方法を考えないと···」


「あんた、こんなところで何してるの?」

そこには、小さな女の子が立っていた。


「うわ、びっくりした」

「なんか怪しいわね···私のストーカーかしら···」


「お、俺、この辺り初めてなんだ。よかったら案内してくれよ!」

「まあ、いいわよ···」

よく見ると女の子の耳は尖っていて、しっぽが生えている。


「ヘンゲは、使ったことないが、やってみるか···」

「どうかした?」

「いや、なんでもないよ···」

上手くヘンゲできたようだ。


「私は、ビルマっていうの、あんたは?」

「俺は、ハーベルっていうんだ」

「変な 名前ね···」


「変な名前は失礼だろ···」

「あら、ごめんなさい···」

「あんた、どこから」

「結構、遠くからだよ···」


「やっぱり、怪しい···まあいいわ」

そう言って、俺の手を繋いだ。


「案内って、どこに行きたいの?」

「そう言われると困るけど、何か食べられるところはないかな?」


「じゃあ、私のうちに来るといいわ。うち宿屋なのよ」

「そっか、頼むよ」


楽しそうに手を繋いで歩き始めた。


本当に魔界なのか?

普通すぎて逆に怖いんだが···

「ここよ」

「母さん、お客さん連れてきたよ」


「あら、いらっしゃい。御一人ですか?」

「はい、一泊お願いできますか」

「どうぞどうぞ、お食事の準備ができましたらお呼びしますので、部屋でおくつろぎください」

「ありがとう···」


なんか拍子抜けだ。思っていたのと全く違う。魔素が濃いことを除けば、人間界と何ら変わりないじゃないか?

本当に危険なんだろうか?


ある一部の悪魔が危険なんだろうか?

全くワケが分からない。


「お客さん、食事の準備ができたよ」

「ありがとう」


「ちなみに、何のお料理ですか?」

「ウコ鳥の唐揚げとミルスープだよ」

見た目は旨そうだ。


「最近は、人間があんまり捕れないからね。こんなもんで勘弁しておくれ」

人間?てことは食うのか?

「あ、ありがとう···」


「おかしなお客さんだね···」

「い、いただきます」


ここは、普通に食べておくしかない。

味は悪くない。何の肉か分からないが、人間ではないだろう···。


「おかみさん、おやすみ」

「ゆっくり休みなよ」

部屋に戻ると、ベットに倒れ込んだ。


「くは、やっぱり人間食うのか···悪魔は悪魔か···」

「それ以外は、普通なんだけどな···」


「早くどうにかして逃げ出さないと」

「そういえば、お金ないよな····人間界と同じなわけないだろうし···」


「食い逃げするのか···情けない···」

とりあえず、外へ移動しよう。


「待ちな!食い逃げは許さないよ!」

「あ、違うんです。今手持ちがなくって···」

「なら先にいいな!食ってから逃げたらダメだろうよ」


「全くその通りです。面目ありません」

「でどうするつもりだい!お金代わりになるものでも持ってるのかい?」

「こんなものしか···」

そう言って、いくつかの魔道具を見せた。


「ほほ~何だいこのガラクタは?」

一通り使い方を説明した。


「なるほどね。あんたすごいね。あんたが作ったのかい?」

「はい。今はこんなものしかありませんが、気に入ったものがあったら持っていってください」


「そうかい、じゃあ遠慮なくこれとこれだけ貰っておくよ。あんた、泊まるとこないんだろ?」

「はい」

「じゃあ、このままウチへ泊まっていきな。お代はこれでいいから」


「ありがとうございます。お言葉に甘えさせていただきます」

とは言ったものの人を食う悪魔と一緒に寝るのはなあ···


いっそこのまま皆殺し···いやいや、さすがにそれは酷すぎる。こんないい人···いや悪魔なのに···


そんなことを考えているうちに、結局寝てしまった。


次回 【魔界のお仕事】

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