組織結成
「組織の名前はどうするの?」
「ソーサリーエレメントでいんじゃないか?
結局手にできなかったからな」
トリガーが提案した。
「俺は、賛成だ」
「私もそれでいい」
「異議なし」
「そう言えば、レオンがいない間にいくつかの情報を集めておいたぜ」
「なんだ?」
「どこかの村に「神様」とやらがいるらしいぜ、ちょっと怪しい情報だがな•••」
「そこには、お宝があるらしい。それを頂こうじゃないか!」
「分かった、僕たちは、今日から「ソーサリーエレメント」として活動をする。まずは、【MACOK】の仲間を集める。それと同時に「神様のお宝」とやらを頂くとしよう!」
「そうと決まれば早速行動ね!」
相変わらず、行動が素早い。
あっという間に、全員が方々へ散っていった。
その頃ハーベルは、日々の生活に追われていた。
「俺ももう18か···」
今は、実家で家の手伝いをしながら師匠のことを調べていたが、これ以上、リーフィアを元の世界へ戻すための手掛かりは得られそうになかった。
うちは医術師の家系で、手伝いをしているうちにかなり医術師としての腕もあがっていた。
「ハーベル、そこのポーションを取ってくれ!」
「はい、父さん」
「ハーベルもようやく家に落ち着いてくれて本当によかったわ」
「母さん、ぼーとしてないで手伝ってくれよ」
「ハイハイ、ごめんなさい」
すっかり昔の研修医時代に戻ったみたいだった。
俺は転生者で、もといた世界では医者を目指していた。ワケあってこの世界に来てしまったが、魔法という素晴らしい力を使えるようになり、多くの仲間とも出会っていろいろなことを経験した。
今は、このまま医術師になってもいいとも思いかけている。
父さんにみっちりしごかれて立派な医術師を目指すのも悪くない。
きっと母さんもそれを望んでいるだろう。
ただ、気がかりなことが一つだけある。師匠のことだ。
師匠のリーフィアさんは、俺と同じ転生者で魔法の師匠だ。
いろいろあって、今は俺のことも覚えていないがなんとか元の世界へ戻してあげたい。その方法が見つけられないのだけが、どうしても気がかりだった。
「師匠、何してるかな?」
「ハーベル!ハーベル!」
「あれ、今師匠の声がしたような?」
「ハーベル!」
「確かに聞こえた!」
「ハーベル、ここだよ」
「あ、リーフィア?ってちっちゃ。てか可愛い···」
そこには、ミツバチほどの大きさの妖精のような姿の
リーフィアがいた。
次回 【精霊の帰還】