いざ天界へ
ハーベルが、慌てて走ってきた。
「リーフィア、大変なんだ。また、誰かが悪魔召喚をしたらしい」
「分かっています。みんなの気持ちが手に取るように分かるの、でも、ごちゃごちゃしているわけでもなく、整然としていてすぐに理解できるの、これが神の力なのね」
「だったら話は早い、その悪魔はどこにいるの?」
「それは、分からないようね。やっぱり、万能というわけではないようね。悪魔の心までは分からないみたい。もちろん、直接干渉することも無理みたいね」
「でも、魔界へのアクセス方法なら分かるわ、戻る方法は分からない。だから、送り返すのがやっとだったみたいね」
「なるほど、俺でも、悪魔を倒すのは無理かな?」
「やり方次第ね」
「もっと強くなる必要があるのか···」
「ハーベルは、人間界ではすでに規格外だから、魔界か天界ぐらいに行かないと修行にもならないかもね」
「神様になって分かったんだけど、大きくは、天界、人間界、魔界に分かれていて特別な方法を使わなければ、各界への移動はできない、というよりは禁止されているようね」
「破るとどうなるの?」
「さあ、そこまでは分からない」
「でも、この天界の指輪があれば天界へは自由に行き来できるみたいね」
「神様や大精霊は、天界に一番近い存在みたいね」
「天界へ行けるのは神様と大精霊の六人だけ、今の状態ならハーベルも行けるはずよ」
「なるほど、天界で修行とかもできるのか?」
「大天使様にお願いしてみるしかないわね、シリエル様に···」
「おーい、リーフィア!」
真っ白で神々しい大きな羽根を羽ばたかせて、美しい天使が舞い降りてきた。
「リーフィア、新しい神は、どこだい?シリエル様にちゃんとあいさつに行かないと、僕が怒られちゃうよ」
「ああ、カリエル様」
「君が、新しい神かい?あれ、もう一人神がいる?何だか、おかしな事になっているね」
「カリエル様、これは···」
「まあ、いいよ。まずはシリエル様にあいさつだ。僕に着いておいで!」
そう言うと、光のポータルとも違う、門のようなものが現れ、中へ入っていった。
「俺たちも行くのか?」
「そうよ、急いで!」
「あら、あら、慌ただしいわね」
「神様より、天使の方が上なのか?」
「まあ、その辺の事はいいから行くわよ」
俺たちは、急いで門を潜り抜けた。
そこには、真っ白な世界が広がっていた。どこを見ても、白いものばかりで目がおかしくなりそうだ。
「なんでこんな白ばっかりなんだ?」
カリエルの後を着いていくと、大きな宮殿があり、中へと案内された。
「カリエル、ご苦労」
「シリエル様、こちらが新しい人間界の神達です」
「ほー、二人ですか!」
「シリエル様、これにはいろいろ事情がありまして···」
「皆までいうな、分かっておる」
「リーフィア、ハーベル、君たちは人間界の神として天界との掛橋の役目を担ってもらう」
「君たちは、いつでも天界へ出入りできるようにしておく、私たち天使は、特別な理由がない限り人間界へ行くのは制限されている。人間界の平和は君たちにかかっている」
「シリエル様、よろしいでしょうか?」
「何かね、ハーベル」
「今、人間界ではまた悪魔の攻撃を受けようとしています。しかし、人間界では、これ以上強くなるのは難しいようです。できれば天界で修行をさせていただきたいのです」
「なるほど、いいでしょう。戦いの神に私からお願いしてみましょう」
「ありがとうございます」
「アリッサ、ハーベル達を奥の部屋へお通しして」
「かしこまりました、シリエル様」
「サリエルにも、困ったものだ。元大天使でありながら、堕天使(悪魔)となり魔界へ堕ちるとは···」
「アリッサさんは天使なのですか?」
「アリッサとお呼びください。はい、そうです」
「天界には、どんな方々が暮らしているのかしら?」
「神々、天使、神獣がほとんどです。あとは、選ばれた人間が何人かいます」
「あなた方も選ばれた人間なのですよ」
「戦いの神について教えていただけますか?」
「バール様は、戦いすべてを司る神で天界一の実力者でもあります。ただし、魔法は苦手と聞いておりますので、魔法については、エルメス様に御指南いただくのはいかがでしょうか?」
「そうですか、ありがとうございます」
「ちなみに、神々が悪魔を倒すことは容易なのでしょうか?」
「私には、分かりかねますが、悪魔は元天使で堕天したもの達なのです。つまり、大天使クラスの悪魔であれば倒すのは容易ではないでしょう」
「なるほど」
「しばらく、この部屋でお待ちください」
「リーフィア、どう思う?」
「あら、あら、何か複雑な事情がいろいろありそうね」
「とにかく、バール様とエルメス様に修行をお願いするしかなさそうだな」
「そうね、魔法にはまだ知らないことがあるのかな?」
「エルメス様に聞いてみるしかなさそうね」
次回 【天界修行】




