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クラス替えと半分こ

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

幻想奇譚の渡が出ます。

ガールズラブではないですが、女の子二人の友情シーンはあります。


高校時代の楽しみと言っちゃ、駅に設置されてる自販機のお菓子を買うことだった。流石の先生も駅を跨いで見回りなんかしないし、道行く人々を眺めながら大豆バーを咥えるのが小さな楽しみだった。

今日もクラス替えで疲れたから、大豆バーに癒しを求めようと思った時だった。先客が一人。長く伸ばしたふわふわ姫カット。目尻の下がった垂れ目は上品な印象を与える。何となく……お嬢様っぽい。私とは多分関わる事の無い人種だった。でも、同じクラスになったし、これから話す事も増えるだろうし、声を掛けて見ることにした。

「何してんの?」

私が声を掛けると、ハッとした顔をして道を譲った。その時には大豆バーへの興味も失せていたので、黙って首を振った。その子は大きな目を数回瞬きさせたあと、にっこりと笑った。

「少し懐かしくて」

視線の先にはお馴染みの大豆バーの他に、バウムクーヘン、どら焼き、それから袋状のお菓子が並んでいた。こういう子でも、お菓子に興味持ったりするんだな。毎食ケーキでも食べてそうなのに。

彼女は大きく頷くと、ボタンを押して何かを購入した。袋状のお菓子。ころころして、中にチョコが入ってる奴。無情にも、にこにこの笑顔で袋を左右に開け放つと、私の方に差し出した。

「宜しければ、半分こなさって下さいませんか?」

「有難う」

有難く戴く。来るものは拒まない。相手が嫌がらない程度に頂戴する。口に放り込むと少しパサついた生地の中にチョコの塊が出てきた。懐かしい味。最近食べて無かったわ。

一つで手を止めると、袋を振ってもう一つと催促する。

「共犯です」

「あざといな」

ま、こんな良い子そうな子、先生も叱れんだろ。気が付くと彼女も丸こい菓子に手を伸ばし、静かに口に運んでいた。ずっと嬉しそうだった。

「これからも良しなに。私と仲良くして下さると嬉しいです」

お嬢様って、もっとこう、高嶺の花、みたいなのを想像してたけど、結構親しみ易いんだな。だからついつい、馴れ馴れしくもこんな言葉が出た。

「下の名前で呼んで良い?」

「是非。渡と申します」


ある日、私が駅に到着するとこの間話したばかりの彼女が、お菓子を購入しておりました。細長いバー状の物を握り締めると、くるりと此方へ。私の顔を数秒眺めた後、持っていたバーに視線を。罰が悪そうな所が彼女の善性を表しておいでです。

「ねぇ、渡。半分こしない?」

「是非」

彼女は袋に入った小麦色のお菓子を取り出すと、指でポキッと二つに折って下さいました。残念ながら均等には割れず、大小異なる物が生まれております。小さい方は四分の一。しかし彼女は。

「ほれ」

「え……あの」

さも当然の如く、大きい方を私に渡して下さいました。私の制しも聞かずに小さな欠片を放り込むと、横目でお菓子を摘んだまま催促して下さいます。

「……有難う御座います。お優しいのですね」

「?」

クラス変えで緊張しておりましたが、仲良くやっていけそうです。

以外、相も変わらず、ハジ〇リストです。


名前決まってない渡の友人です。女武者みたいな。

渡のお母さんに似てそうな気がしてます。

アッサリ、バッサリ、そして粋に生きてそうな。好き。

(世のお女子は粋な人間が大好きだと勝手に思ってる作者)


んでもって、渡、容赦なく袋パァンする。好き。

さらりと共犯なんて言われたら悶絶します。

(渡のマミィになりたい人生でした。~完~ 私の想像だと、似てんのは口調だけなんだよなぁ!? )


あ、そうそう。思い出しました。

最初の『懐かしくて』発言。実は渡の家の近所にお菓子の自販機あったんですよ。昔。(つまり今はない)

目の前で立ち止まってたら、

『スーパーのが安いから。スーパーで買っちゃる』

なんて事をマミィに言われてそうだなーと。

でも何となく可哀想に思えて、後からお駄賃渡されて買ってそうな気がします。


また話しますー。

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