エイちゃんの存在
2話目になります。よろしくお願いします。
頭の中に聞こえたというか浮かんだというか…あいまいな表現しかできないけれど、誰かが私に情報を与えてくれているみたいだ。
神様的なひとかな?
「教えてくれたあなたは神様?」
"違います"
「じゃあ誰?」
"神のような役割を司っているものです"
「お名前は?」
"APH24です"
「な、なるほど。エイちゃんって読んでもいい?」
"かまいません"
「ありがとう」
詳しくはわからないけどエイちゃんは神様ではないらしい。女性のような優しそうな声に聞こえる。
エイちゃんは声に出して聞くと答えてくれるみたいだ。でもちょっとアブナイ人と思われるね、こんな大きな独り言いってたら。
とりあえず暖かい場所を教えて欲しい。切実に。
「エイちゃん、暖かい場所を教えてほしいんだけど。ここ寒くて」
"右手にしばらく進むと洞窟があります"
「しばらくってどれくらい?」
"5分ほどです"
「わかった、ありがと」
まずは場所の確保からにしよう。
私は言われた通り進むことにした。
あー、暖かい。
言われた洞窟にたどり着き、中には誰もいなかった。良かった。
一応念のためエイちゃんに危険がないか聞いてみた。問題なしとのことだったので速やかに移動したよ。
寒さも限界だったし。
それにしてもなんで異世界にきちゃったんだろ?誰かに召喚でもされたのかな。困るよ、そんなの。のんびり出来ないじゃん。
おうちでぬくぬく出来ないならここでどうやって快適に過ごせるか考えなくちゃいけないよね。あー、困った。
まあ、くよくよしても仕方ないので前向きに考えるけど。でもホントに誰かのせいでこっちの世界にやってきたんだったら文句の1つも言いたい。くるみとチーズに会わせて!ってね。
もしかしたらなにか原因になることがあるのかもしれないと、私はここ数日の出来事について思い返してみることにした。手がかりになりそうなことあったかな…。