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友達にゲームを勧められてしまった話  作者: しらすめし(遅筆屋Con-Kon)
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レイド戦クリア!

あけましておめでとうございます。(もう2月ですが)

「はぁっ、はぁ……っ!」


 いったいどれほどの時間が経過しただろうか。


 チョコロボのパンチをギリギリでかわし、毒の弾丸をぶち込む。そしてすぐに距離を取り、体勢を立て直す。


 この繰り返し。


 近接戦闘に持ち込んだ事で、チョコロボの攻撃パターンは遠距離攻撃から近接攻撃へと切り替わった。


 最初はヤツの白いHPバーに愕然としたものの、他のゲームで似たようなものを見た事があったのですぐに割り切れた。


『グオオオ……』

「ちっくしょ……」


 何度も攻撃を叩き込んでいるというのに、ヤツには大したダメージが通っていない。


 オレが装備しているガントレットが特殊なせいでイベント限定武器が使えず火力半減、レイドボスであるチョコロボのHPはとんでもない量になっている。


 これでひとりで挑むのは無謀だろう。だが、今のオレはひとりじゃない。


『グオオオオ……ッ!』


 オレの遙か後方から飛来する、青と金色の二筋の光。


 それぞれがチョコロボの頭と胴体に直撃し、体勢が崩れた。


 スミレちゃんの矢とユリネさんの攻撃魔法だ。


 イベント限定装備マシマシの500パーセント火力ブーストが乗った超遠距離砲撃が、チョコロボの膨大なHPをどんどんと削っていく。


 普通ならチョコロボのターゲットは後方の2人へと移行するはずだが、ヤツはそんな事はお構い無しにオレの方を向いている。


 近くの敵を優先して攻撃するように設定されているようなので、オレがヤツと肉弾戦を繰り広げている限りは皆にターゲットが向く事も無い。


 ヤツの攻撃を受けても、オレのHPはビクともしない。


 このまま耐久し続けていれば、確実に倒せるだろう。


 勝利への道筋が、ここでくっきりと見えてきた。




 ………………。


 ………。


 …。


「……ここだっ!」


 ようやくチョコロボのHPゲージを3本へし折ったところで、オレは賭けに出る事にした。


 正直しんどくなってきたし、さっさと終わらせてしまいたい。


 アイテムボックスから回復ビン取り出し、MPを最大値まで回復。


「チェンジ! ドラゴンファングアームズ!」


 ガントレットを最大火力が出せるドラゴンファングアームズへと切り替え、右手を前方へと向ける。


 狙うは、チョコロボの()()()()()()


 龍の口が開き、チャージが始まる。


『グオオオオ!』


 危険を察知したのか、チョコロボは全力でオレに襲いかかろうとした。


 が、それも遠方からの遠距離攻撃によって阻まれ、攻撃が中断された。


 そして、オレの方のチャージも完了した。


「くらえ、……フレアカノン!」


 龍の口から、超高熱の光が放たれた。


 その光は扇状に開いていき、チョコロボの上半身全体に襲いかかった。


『グオオオ@#%*&+-=…………!』


 チョコロボの悲鳴のような音がこだまし、HPゲージが驚くべき速度で減っていく。


 オレンジ色のゲージが壊れ、最後の1本である赤のゲージもみるみるうちに減っていく。


 そして、フレアカノンが終息する頃には、チョコロボのHPゲージは空になっていた。


『………………』


 下半身だけとなったチョコロボは後ろに倒れ、分解されて消滅。


 大きな宝箱が出現し、"CONGRATULATIONS"という勝利を讃える金色の文字が浮かび上がった。


 オレたちは、初めてレイドボス戦に勝利したのだ。


「終わった……!」


 気が抜けたのか、その場にへたり込むオレ。


 情けないかもしれないが、精神的疲労感がピークに達してしまっているらしい。


「「フリントさーーーん!」」


 サクラちゃんとスミレちゃんがオレの名を呼びながら全速力で駆けつけてきた。2人ともAGI特化型にしてるだけあって、めちゃくちゃ速い。


「だ、大丈夫ですか? ……って、ええっ?! HPが半分以下になってる?! い、急いで回復しますねっ!」

「そんな慌てなくても……」


 ドラゴンファングアームズの専用スキル【フレアカノン】は超火力を叩き出せる一方で、反動によるダメージがとてもキツいのが欠点だ。


 MPも全部ごっそりと持っていくし、とてもじゃないが普段使いには適していない。


 が、それでも火力はえげつない。イベント限定火力ブースト付きとはいえ、先のチョコロボを消し飛ばした事からもその事が伺える。


 ホント、色々とぶっ飛んだ武器だ……。


「ふぅ、やっと追いついた……」


 少し遅れて、ユリネさんも到着した。


「まったく2人とも、置いていくなんて酷いじゃない」

「「ご、ごめんなさいっ!」」

「まぁ、気持ちも分かるけどね」

「え?」

「だって、凄い光が出てボスを倒したーって思ったら、次の瞬間にはフリント君のHPがごっそりと削れちゃったんだもの。距離も離れていたし、そりゃあ心配にもなるわよね」

「うっ……」


 どうやら、凄く心配をかけてしまったみたいだ。


「ゴメン、心配させちゃって」

「い、いえそんな! 謝らないでください!」

「そ、そうですよっ。すっごく、かっこよかったですからっ」


 うぅ、皆優しい……。


 スミレちゃんが何か凄い事を口走ってるような気がするけど、その言葉だけで、とっても心に沁みいるよ……。


「…さて、そろそろギルドホームに帰ろっか」

「ちょい待ち」

「え?」


 サクラちゃんのおかげでHPとMPが全快し、そろそろ引き上げようとしたところでユリネさんから待ったがかかった。


「何か忘れてない?」

「何か……?」


 はて、何を忘れているだろうか……。


「宝箱、開けないの?」

「あっ」


 そうだった……。


 何で忘れていたんだ、オレは!


 きびすを返し、宝箱へと近づく。


「さて、じゃあ開けるよ」

「わくわく」

「ドキドキ」

「何が手に入るのかしらね〜」


 三者三様のリアクションをしつつ、宝箱をそっと開けた。


今年もよろしくお願いいたします。

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