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友達にゲームを勧められてしまった話  作者: しらすめし(遅筆屋Con-Kon)
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雪原と毒霧

 ビッグスノータートルを正面に据え、オレを先頭にダイヤモンド型のフォーメーションを組んだ。


 右足を地面にめり込ませて身体を固定し、右手を構える。


 スキルを発動するとワイヴァーンの頭部を模したガントレットの口がパカッと開き、チャージが始まった。


 このチャージがあるせいで、速射・連射には向かないのが難点なのだが、威力を考えるとそれもやむ無しか。


「…よし、チャージ完了!」


 相手はまだこちらに気づいていない。まぁ、気づいたとしてももう遅い。


 これは一度補足されたが最後、余程のAGIが無ければ避ける事も出来ないのだ。


「【ブレイズカノン】ッ!」


 ワイヴァーンの口から、真紅の熱線が放たれた。


 巨大な亀の氷羅(こうら)がじゅわりと溶解し、大きな穴が穿たれ、風穴が空き、爆発四散した。


「くうう……っ!」

「「きゃあああっ!」」


 予想以上の大爆発で大量の雪が舞い、視界を覆う。


 やがて舞い上がった雪が晴れ、目の前には巨大なクレーターが現れた。


(とんでもないな、これは……っ!)


 威力もそうだが、やはり反動が凄い。きっちりとHPが半分ほど持っていかれた。


 もちろん、MPもゼロである。


 ビッグスノータートルクラスの大物を一撃で葬れたのは良いのだが、こうもデメリットがキツいと正直使うのが躊躇われる。


「フリントさん、大丈夫ですか?」


 サクラちゃんが心配して駆け寄って来てくれた。


「何とかね……。回復お願い出来るかな?」

「は、はい。お任せください!」


 サクラちゃんはすぐさま回復魔法を使い、オレのHPを回復してくれた。


 そればかりか、ついでとばかりにMPも回復してくれた。そこまでは頼んでないのだけど、気遣ってくれたのは素直にありがたく思った。


「それにしてもさすがね、あのビッグスノータートルを一撃だなんて」

「耐えるかもとは思っていたのですが、まぁ、結局一撃で終わりましたね……」

「フリントくんレベルのVIT値でも最大HPの半分ほどのダメージ……。反動ダメージは"割合"なのね。まぁ威力を考えるとデメリットが見合ってないように思うけど、MPも空になるからそれで済んでいると考えるのが妥当か……」

「そうみたいですね……」


 MP消費が無ければ、きっとHPは1になっていた事だろう。そうなれば雑魚魔物の一発でも即退場である。


「それで、"アレ"やるの?」

「そうですね。あの巨大な亀であれば、あの策で行けると思います」

「さっき言ってた〈毒の霧(ヴェノムフォッグ)〉ですね」

「そう。〈ロックヴェノムアームズ〉のスキルで相手を毒漬けにしてハメ倒す。サクラちゃんとスミレちゃんには、周囲に近寄ってきた雑魚魔物を警戒しつつ倒していって欲しい。追加ドロップも狙えるしね」

「「分かりました!」」

「それじゃ、私はフリントくんの援護ね。任せてちょうだい」

「お願いします」


 ちゃんとこちらの意図を察してくれてるユリネさんに、頼もしさを感じた。


「よし。それじゃ、頑張って狩りまくろう!」

「「「おーーー!」」」


 こうして。


 イベントアイテム集めの為の魔物狩りが始まった。


 魔物たちには可哀想だが、オレたちの経験値+ドロップ品になってもらうとしよう。






「【ヴェノムショット!】」

「ギャルルオオオォォォ……!」

「よし、ここで……! 【ヴェノムフォッグ】!」

「ヅグ……、グルルォ……!」


 ビッグスノータートルを猛毒にし、さらに毒の霧(ヴェノムフォッグ)で毒漬けにする。


 同じ敵には毒効果は重複しないが、毒と猛毒は重複する。


 この2つは別の効果扱いらしいので、敵のHPがもの凄い早さで減っていった。


 そして、ビッグスノータートルはわずか2分足らずで力尽きて消滅。ドロップ品が宝箱とともに現れた。中身はもちろん、今イベント限定アイテムである。


 エリアボスクラスの魔物をハメ狩り出来ている自分の実力にも驚きだが、それ以上にアイテムがどっさりと手に入っている事に衝撃を受けた。


「これで12体目ね。〈赤いリボン〉の数は94個か……」

「これって多分、効率良い方なんですよね……?」

「相当ね。ビッグスノータートルはボスクラスの個体で、ドロップ率も高めに設定されているの。それをどんどんと、もの凄い早さで倒していってるんだもの、雑魚魔物の狩場よりも効率は良いはずよ」

「ですよね……」


 今使っている2つの毒スキルはロックヴェノムアームズの固有スキルであり、再使用までのクールタイムはあるけどMPは消費しない。


 約2分で撃破している上に、サクラちゃんとスミレちゃんが周囲の雑魚魔物を倒す度にアイテム集めが加速する。


 破格の武器に、頼れる仲間。


 オレは今、とても恵まれているのだと実感していた。


〈赤いリボン〉

・バレンタインイベント限定交換アイテム。交換所で色々なアイテムと引き換えられる。

・ドロップ対象モンスターは、基本的にフィールドに存在する全て。(例外はダンジョン内モンスター、及びダンジョンボスモンスター)

・イベント期間終了後は換金アイテムとなる。(リボン1個=100フロン)

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