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友達にゲームを勧められてしまった話  作者: しらすめし(遅筆屋Con-Kon)
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キグルミ衣装とスクショとホットミルク

「ただいま」

「おかえりなさい、フリント君。調子はど……ぶふっ!」

「「ぷっ……!」」


 ダンジョン攻略から戻ったオレの姿を見て、サクラちゃん、スミレちゃん、ユリネさんの3人はほぼ同時に吹き出した。


「あはははは……! ね、ねぇ、どうしたのその着ぐるみ……」

「とっても可愛いです、よ……? ……ぷぷっ」

「だ、ダメ、耐えきれません! アハハハハ……!」

「そこまで笑う……?」


 今のオレの姿は、先程ダンジョンをクリアして得た報酬【ラビー君なりきりセット・白】を着た姿……。


 何処かの動物園やら遊園地にいそうな、ウサギのキグルミ衣装である。


 何故いかにもイベント報酬になってそうなこんな衣装が普通のダンジョンクリア報酬になっているのか、不思議である。


 しかしてこのキグルミ、性能はというと正直微妙である。


 全身一体型のこの衣装、DEXを除く全ステータスが+10される以外、性能面で特に特徴は無い。


 ダメージカットとかも無ければ、専用スキルがある訳でも無い。


 特殊能力が何一つ無い、文字通りただの可愛らしいファッションキグルミでしかないのである。


「弱いし動きづらいし、これはコレクション用だな……」


 オレは元のクラシックロリータ衣装に戻した。


「あぁ、せっかく可愛かったのに……」

「もうちょっと見ていたかったです……」

「せっかくですから、今日はずっとあのキグルミ姿でいて欲しいです」

「そんなにあれが良いの?!」

「「はい!」」

「私も、もうちょっと見ていたいかな。見てて面白いし」

「しょうがないなぁ……」


 とは言いつつも満更でも無いので皆のリクエストに応え、オレはもう一度キグルミ衣装に着替えた。


「あぁ、目の保養ね、癒されるわぁ……♡」

「間近で見てると、より可愛く見えて素敵です……♪」

「スクショ撮らせてください! スマホの待ち受け画面に使いたいので」

「あら、良いわねぇそれ。私も一枚撮らせてちょうだい♪」


 ―――きゃっ、きゃっ♪


「…………」


 気がつけば女子達で勝手に盛り上がり、いつの間にかスクショタイムが始まってしまった。


「ラビー君、もうちょっとサクラちゃんとくっついちゃってー」

「わ、わたしも抱きつかせてくださいっ!」

「あ、ラビー君動いちぃダメですよー! 上手く撮れないじゃないですか!」

「もう好きにしてくれ……」






 ◆◆◆






「あー、どっと疲れた……」


 あの後、ユリネさん主導によるラビー君撮影会(スクショタイム)は1時間以上も続き、解放された頃には時刻はもう23時を過ぎていた。


 それにしても、写真1枚でこだわり過ぎだろ!


 アングルが気に入らないだの、もうちょっとポーズを決めろだの、細かい注文が多過ぎて後半はもうヤケクソ状態だった。


 スクショにこだわる女子達、なんて恐ろしい……。


 しばらくあのキグルミは封印しよ……。




「はぁ〜〜〜……」


 リビングへ降り、レンジでホットミルクを用意して一息つく。


 たまに飲むと、やけに美味しく感じる。


 あぁ、疲れた脳と心に、甘いミルクが沁み渡る……。


「まだ起きていたのか、アカリ」

「父さん……」


 もうすぐ0時を回ろうとしていたところで、父さんが帰宅した。


 我が父は職業不定であり、色々な仕事に手を出してはいつも帰りが遅い。そのくせ朝も早いので、会話らしい会話などここ数年していなかった。


「その様子だと、随分充実した毎日を送れているようだな」

「まぁね」

「とはいえ、夜も遅い。良い子は寝る時間だぞ、それ飲んだら部屋に戻りなさい」

「分かってるよ」


 元々そのつもりだったのだ、わざわざ言われるまでも無い。


 オレはミルクをぐいっと飲み干し、グラスを片付けてから部屋に戻った。



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