ひとりでダンジョン攻略(1)
前話までのアカリ(フリント)のステータスです。最近書いてなかったので…。
【フリント】
Lv:24
HP:5000/5000
MP:53/53
STR:132
VIT:500
INT:51
DEX:50
AGI:50
〈スキル〉
振動拳
形態変化
物理反射
毒耐性・中
マジカルコーティング
〈攻撃スキル〉
シザーアームズ
スタッグビートル・バンカーショット
ヴェノムショット
ヴェノム・フォッグ
〈装備〉
ガントレット(初期装備)
・スタッグビートルアームズ(第1形態)
・ロックヴェノムアームズ(第2形態)
クラシックロリータ・黒装備
ボロボロの指輪
「まさか、あの人がユリネさんだったなんて……」
思わぬところでネタバレを食らったオレは、ユートピアにログインした後どこかのダンジョンへと一人で乗り込んでいた。
「ギキキィッ!」
「邪魔」
襲ってくるコウモリたちを、オレはカウンターで次々と殴り倒していった。
非常に素早い相手ではあるのだが、1体1体はHPも防御力も低いので、攻撃力が低いオレでも2〜3発当てれば容易に撃破出来る。
加えて、オレは鉄壁の防御極振りステータスだ。ちょっとやそっとのダメージは通らない。それ故に、カウンター戦法が有効なのだ。
相手の攻撃に合わせれば、AGIが低いオレでも素早い敵に攻撃を当てられる。むしろ、これから先も強敵と戦っていくのならカウンター戦法はほぼ必須。
頑張って、マスターしていかねば。
「でぇいっ!」
「キィッ!」
―――ティロン♪
何十体目か分からないコウモリを撃破したところで、軽快なテロップ音が鳴り響いた。
『取得条件を達成。スキル【カウンターアタック】を取得しました』
カウンターアタック:ダメージを受けた後、STR×1.2倍の威力でカウンター攻撃を繰り出す。消費MP/3。
取得条件:カウンター攻撃を100回行う。
「これはまた、いかにもアタッカー向けのスキルが手に入ったな……」
ぶっちゃけ、こんな純粋な攻撃スキルはオレには要らないのだが……。
まぁ、もしかしたら何処かで活きるかもしれないしな、何処かで。
「奥に行くか……」
無数に湧くコウモリたちを適当に撃破しつつ、オレは奥へと侵攻していった。
下の階層へ降りると、少しだけ開けた空間に出た。いかにも何か出そうな雰囲気である。
警戒しつつ先へ進むと、それはぬうっと現れた。
「グオオオ……」
「ゴーレムか……」
右手に岩の剣を持った、普通の色のゴーレムが目の前に出現した。
初めて出会ったゴーレムが毒々しい色をしていたせいか、この普通のゴーレムが逆に新鮮に見えた。
【ソードナイトゴーレム】
Lv:40
「高っ」
オレのレベルはまだ20台だというのに、なんてレベルだ。
「グオオオオーッ!」
「ッ!」
ゴーレムの岩の剣を、左手の大バサミで受け止める。このガントレットは初期装備が変化したもの、故に壊れる心配は無い。
そして。
「ダメージは……、1!」
勝ったな。
ダメージが通らないと分かれば、もうこっちの勝ちは確定だ。
「グオオオオーッ!」
ゴーレムは何度も何度も剣を振るうが、どれもダメージは1しか通らなかった。
「喰らえ、【スタッグビートル・バンカーショット】!」
左手の大バサミを射出し、ゴーレムの左腕を捕らえて破壊した。
こういう大型の魔物は、部位破壊でドロップにボーナスが入るらしい。面倒くさくはあるが、これも素材集めの一環だ、コツコツとやっていこう。
チリも積もればエベレスト、だ。
「右腕もいただきっ!」
「グオオオ……」
右腕も破壊し、残るは本体のみ。
武器を失ったゴーレムは踏みつけ攻撃を繰り出してくるが、さすがにゴーレムの機動性ならオレでも十分に回避出来る。
オレはゴーレムの背後に回り込み、頭部を大バサミで挟み潰して撃破した。
「ふう。レベル40が相手でも何とかなるもんだな……」
ダメージが通らなくて助かった。
もしあれが防御貫通攻撃でも繰り出して来てたら、またどうなっていたか分からない。
色々と普通のゴーレムで助かった……。
目の前にすっかりお馴染みの宝箱が出現し、早速中身を拝見した。
「琥珀結晶と……、盾?」
琥珀結晶:ゴーレムの核。武器や防具の素材として重宝される。
岩石の盾:ゴーレムの素材から出来ている、岩の盾。VIT+30、AGI-5、ノックバック耐性。
獲得条件:ソードナイトゴーレムの右腕破壊。
なるほど、この盾は部位破壊ボーナスだったか。
ふっふっ、こうして手に入れると実感するな。部位破壊の美味しさを……。
これからも、こういう大型の敵が出てきたら部位破壊を積極的に狙っていくとしよう……。
とはいえ、このダンジョンはまだ先がある。
あのゴーレムがダンジョンのボス、という訳でも無かったらしい。
この先にどんな強敵がいるのかは分からないが、とりあえず挑むとしよう。




