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友達にゲームを勧められてしまった話  作者: しらすめし(遅筆屋Con-Kon)
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新しいイベントが始まるらしい

ただいまヒロイン不在でお送りしています。(もう10話目ですが……)

「さて、やるか」


 風呂から上がったオレは、今日も今日とてオンラインゲーム〈ユートピア〉にログインした。


 プレイを始めてからもう3週間目、オレもだいぶハマってきてるよな……。


 最初はお試しプレイ、様子見だけのつもりだった。


 それがいつの間にか、ユートピアの世界にどっぷりとハマっている……。


 本当に、ゲームはプレイしてみないと分からないものだと実感する。


 無事にログインを完了したオレはインフォメーションに目を通し、新しい情報が来ている事に気がついた。


「『ランキングイベント、〈スノウフェアリー・ナイト〉開催決定!』……?」


 どうやら、新しいイベントが近々始まるらしい。


 ページを開き、記事全文にしっかりと目を通していく。



『ランキングイベント、〈スノウフェアリー・ナイト〉開催決定! 当イベントは専用会場にて開かれる、バトルロワイヤル形式のイベントバトルです。腕に自信のあるプレイヤーの皆様、奮ってご参加くださいませ! イベント日時/1月20日、19:00〜21:00。場所/ユートピア内、モレール大闘技場にて。参加条件/無し……』



「うん、無理」


 ひと通り読んだオレは、イベント参加を早々に諦めた。


 バトルロワイヤル形式の時点でもう無理だ。


 現在のプレイヤーランキングは、1位のコウエンというプレイヤーがレベル92、2位のあすなろ科というプレイヤーがレベル89……と、レベルが凄まじく高い。


 それに対し、オレのレベルは現在15。あまりにも低過ぎる。


 PS(プレイヤースキル)がどうこう以前に、レベル差によるステータスの地力が違い過ぎるのだ。


 まして、VIT全振りとかいうパーティープレイ前提のようなステータスのソロプレイヤーなど、周りから見ればカモでしか無い。


 幸い、今回は〈雪の妖精の贈り物〉というもうひとつのイベントもある。


 ランキングイベントが始まる20日からの10日間、全ての魔物から〈雪の結晶〉というアイテムがドロップするようになる。その雪の結晶をちまちまと集める事で、イベント限定のアイテムと交換が出来るとの事。


 イベント開催は来週なので、バトルロワイヤルに参加しないオレは、ひたすら結晶集めに精を出す事にする。


 期間限定ショップでの交換アイテム、全部手に入れる気で回していくとしよう。






 ◆◆◆






―――ティロン♪


「ふぅ……ん、なんだ? フレンド申請……?」


 採掘場跡で鉄鉱石集めに精を出している最中、珍しくフレンド申請の通知が入ってきた。


 お相手のユーザー名は、"ユリネ"とあった。


 あ、そういえばフレンド登録するの忘れてたな……。失敗した。


「許可、と」


 フレンド申請を受諾し、2人目のフレンドが登録された。



 びよんど☆ざ☆わーるど。

 ユリネ。



 なんとも言えないフレンド欄だ。


 びよんどさんの名前が強烈過ぎる……。


 名前の横には"オンライン"という表示がついている。つまり、今現在もゲーム内の何処かで活動中という事だ。


 本当、2人ともしっかりゲーマーだなぁ……。


 ―――ティロン♪


「ん……?」


 軽快な通知音が鳴った。


 何の音かと調べてみると、メールボックス内に何かが届いていた。


 メールボックスを開くと、それはユリネさんからのメールだった。



『フリント君、突然のフレンド申請とメール、ごめんなさい。まだフレンド登録をしていない事に気がついて、びよんどに君のフレンドコードを聞いたの。あの人がしっかりと君のフレンドコードを記憶していて助かったわ。今作成中の装備品は出来次第メールで知らせるから、それまで楽しみに待っていてね? それじゃ、また。……愛してるわ♡』



「……」


 最後の一文は見なかった事にし、そっとメールを閉じた。


 初メール記念に保護設定をした後、オレは再び鉄鉱石集めに戻った。



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