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王女様と嘘
頭を下げるイリス様。そんなイリス様を睨みつけるアリシアさん。
「どうして私に謝るの?」
「ひっ」
アリシアさんの言葉は酷く冷たく聞こえてくる。その声を聞いたイリス様はますます震えている。
「アリシア、少し落ち着くのじゃ。イリスもそんなに怯える必要はないのじゃ。妾が守ってやるのじゃ」
アリシアさんを落ち着かせてから、イリス様にも落ち着くように言うルルムファさん。それを聞いてイリス様も深呼吸をしてから俺の方を向いた。
「昨日は申し訳ありませんでした」
頭を下げながら謝ってくれるイリス様。だけど何でだろう、あまり謝罪の意思を感じない気がする。何というか、表面だけというか。
「本心で言ってます?」
「はい。もちろんです」
何故だろうか。嘘な気がする。人は嘘をつく際、何かしらのサインが出るという。それは人によってさまざまで分かりやすい人もいれば分かりずらい人もいる。だけどそれは必ず出るもの。それが細かすぎて分からない場合がほとんどらきいけど、もしかしたらそれを俺は無意識に感じ取っているのかもしれない。
俺の右目は『全知』。その気になれば心の中まで見れるのだから。




