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模擬戦での謎
「も、もういいですよ!気にしてないので頭を上げてください!」
頭を下げる精霊王様に慌ててそう促す。魔王様に頭を下げてもらうなんて恐れ多い。
「そうか、そう言ってくれると助かるのじゃ」
精霊王様は頭を上げた後何故かほっとしたような表情になる。何故だろう?
それと気にしていないとは言ったが疑問に思うところはある。
「あの、さっき殺すつもりはないと言いましたが、本当ですか?」
「うむ、本当じゃが?」
どうしてそんなことを訊くのかと言う顔の精霊王様。
あの模擬戦での精霊王様の攻撃は確かに俺を殺すような勢いだった。そして実際、危機を感じたから発動するというネックレスの防御機能が発動した。
精霊王様が嘘を言っているようには見えない。ミスでもしたのだろうか。やはり魔王でもミスとかするものなのか?
「……ルル?」
そんなことを考えているとアリシアさんがまた精霊王様を睨みつける。
「ほ、本当になかったのじゃ!信じてくれなのじゃ!?」
やはり嘘を言っているようには見えない。
だったら何でネックレスが起動したのか。あの時精霊王様に殺意はなくその攻撃も本来なら目の前で止まるはずだった。けどそれに俺はビビってしまって……あ、だからか。俺が『死ぬ』と思ったからだ。




