王女様と対話
イリス様に付いて行き、俺たちは空き教室に二人きりとなる。厄介な状況になったな。
「それでお話というのは……」
訊くまでもないことだが一応そう訊いてみる。だけど絶対アリシアさんのことだろうな。
「氷王様のことについてです」
ですよね。もしかしたら全く関係のない話ではと少し期待したけど無意味だったようだ。
「アイトさんは氷王様とお知り合いなのですか?」
「えっ、あ、はい」
驚いた。まさかイリス様が俺の名前を知っているとは思わなかった。そしてつい肯定してしまった。今の質問に否定していたら、もしかしたら言い逃れが出来たのかもしれない。
……でも、アリシアさんと知り合いじゃ無いなんて嘘でも言いたくなかったし、まあそれはいいか。
「そうですか……親しい仲なのですか?」
何かを考えるように訊いてくるイリス様。それにはもちろん頷いて答えた。
「はい。友人です」
俺はアリシアさんのことをそう思っている。アリシアさんもそう思ってくれていると思う。まだ出会って僅かだけどそれくらい仲良くなれたと思う。
……アリシアさんに返事もできないままこんなことを言うのは卑怯かもしれないが、それでもアリシアさんとは仲良くしたいのだ。
「そうですか……」
俺の答えを聞いたイリス様は再び何かを考える表情を見せた後、怪しく口角を上げるのだった。




