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精霊王様と障壁
死の恐怖から反射的に目を瞑ってしまったがなかなか頭が襲ってこない。
おかしいな。あれ当たれば相当な痛みが来ると思ったが。もしかして痛みも感じる暇もなく即死でもしたのだろうか。それなら痛みを感じるよりは遥かにいいが。
目を瞑ったままでも仕方ないので恐る恐る開けてみる。これは今一体どういった状況なのだろうか。
「え?」
目を開けると確認できたのは何か透明な壁のようなものとそれに遮られて止まった根。
どうやらこの謎の障壁によって俺は死なずに済んだ訳だけど、何だこん壁?綺麗なガラスのように透き通っていて目を凝らさないとわからない、というか右目でないと分からないくらいの透明度だ。
「うむ。やれば出来るのしゃ」
納得したように頷いている精霊王様。その反応からこの人がやったのでは無いかとは分かった。勿論親がやった訳でも無い。
精霊王様は俺がこの障壁を出したと思い感心しているが、それをさせる為に殺しに来るなんてこの人滅茶苦茶だ。
「じゃが、その結界、いわかん――ッ!?」
納得していたかと思うと何か気になる事があったのか、何かを考えようとして動きを止めた。その精霊王様の表情は驚きと緊張が混じったようなものだった。
その理由は……
「ルル、どういうつもり?」
突如目の前に現れたアリシアさんだろう。




