夏休み
「はぁ…」
慣れない大学生活を死ぬ気で頑張って、やっと夏休み入ったと思ったんだけど…
「いやぁ…大学生ってこんなに課題多いもんなのか…」
今日は高校時代の友人達と久しぶりに会うって事で、巻きで課題を片付ける作戦だったんだけど…この量だと今日中には終わらなそうだなぁ…
ピロン
「ん?あぁ、そういえば集合場所聞いてなかったな。場所は…懐かしいな!田中屋か。」
昔よく高校の友人と一緒に駄菓子屋で暗くなるまで遊んだんだっけなぁ…最近行ってなかったけど店のおばちゃん元気かなぁ…
「げっ…!もうこんな時間かよ。急いで出ないと…クソッ自転車の鍵どこだよ…!」
俺自身約束通りの時間に来れた事が無いと断言できるくらいに時間に対してルーズなんだが…久しぶりに友人と会う時くらいは時間通りにいかないとな…って言いながらいつも遅刻してる気がするが今は何も考えないでおこう…
――
――――
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「ハッ…ハッ…やっべ…また遅刻だよ…もう茶化そうだなぁ…」
キキーッガシャッ
「ハァ…ハァ…まじ、遅れ、て…申し訳ねぇ~!飲み物おご…」
あれ…
誰もいない…
みんな遅刻してるとか…?いや…さっきまでRhineで連絡してたからそんなはずないんだけどな…
カランカラン…
「おーい。みんな~?おばちゃ~ん?いるー?」
…
返事がないな…どこか言ってるのかな…
「にしても…あいつら未読無視するかね…」
いや遅れた俺が悪いけどさ…そこまでするかい普通?まだ叱ってくれた方が楽なんだけど。
遅刻したって言っても5分くらいよ?…5分でも遅刻は遅刻ですねすみませんでした。
「お叱りの連絡くるまでとりあえず暇つぶしするかなぁ…お、10円弾くゲームじゃん。懐かしいなぁこれ…」
カーレースにキャッチボール。昔よく3枚くらい入れて遊んでたなぁ…
「なぁ坊や、占いでもしていかないかい?お金は取らないからさ。」
!?
おばちゃんかよ…びっくりした…いつの間にいたんだよほんと…心臓止まるかと思ったんだけど。
「占い?どうしたんだよいきなり、おばちゃんそういうのあんまり信じないタイプじゃなかった?…まぁ別にいいけどさ」
そういうとおばちゃんは引きつったように笑いながら何かを渡してきた。
見た目は駄菓子屋によく置いてあるステッカーやブロマイドが入って良そうな吊り下げ式のおみくじだ。
「この中から一枚とってごらん。そこにお前の将来を決めてくれるものが書いてあるよ」
占いにでもハマったのかな…まぁ無料みたいだし運試しがてら見てみるかな…あいつらもまだ来ないみたいだしおばちゃんの遊び相手にでも付き合ってあげるかな…
―――ブチッ