表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/146

第18話 動き出す

「……何とか脱出できたか」

「グリム、助かったぜ。お前、ある意味魔物だもんな」

「…おい……」


ソフィアがそう言うと、レインがソフィアを小突く。ソフィアは、ムッとするグリムへ謝った。


「あっ……悪い…」

「その悪いお口を、縫って差し上げましょうかぁ〜ソフィア〜?」

「ご…ごめんって、グリム……」


すると、ライン率いるラ部隊が歩いてきた。


「レインさん」

「…ライン、無事だったか」

「はい、何とか」

「……よし、今日の調査結果を報告しに行くぞ」





「……なんと」

「それは本当か!?」

「はい、魔王グリフィンで間違いないでしょう」


その報告を受けて、5人の王達は少し沈黙した。


「…魔王は……職業が【勇者】にしか解くことができない封印をしていた筈だが……」

「……確か、シャロル様のお父上であるスタンリー王が…」

「ああ、勇者であった我が父、スタンリーが確かに封印したと聞いている………」


すると、マナテイルが他の王達へ言った。


「帝王も気になるわね」

「…帝王の遺体か……帝王を生き返らせようとしてるのか…?」

「けど、死者を生き返す事なんてできんのか?」

「……魔法で蘇らせた生物は、見た目こそ生前のままだが、元の人格は戻らない。自我の無い、ただ欲望のまま生きる存在になるだけだ」


バルガイドが、王達へ言った。


「そういう意味では、死者は生き返らない」

「……ふむ…何を企んでいるんだ…?」

「行こう、魔物の国へ」

「…は?」


シャロルが、王達へそう言うと、王達とレイン、ブラッドは目を丸くした。


「人の国の王として、魔物の国の王と対談する」

「…おいおい、マジか」

「……新たな国が誕生したというのに、既存する国の王である我等は、様子見するだけか?」

「いや、でもよぅ……?」

「魔物の王に会い、異界のモノとボーレインとの関係、そして何が目的かを聞けばいい……そうだろう?」


シャロルがそう言うと、王達は少しの沈黙の後に立ち上がった。


「……確かにな」

「…仕方ないねぇ……」

「では1週間後に……」


という話を、レインは夜、劇団員に話した。


「そして、公認騎士団になった俺達は、ついて行かなければならない」

「めちゃくちゃ大事だな」

「最近、国絡みの事ばっかしてる気が……」


すると、拠点に白髪のおじさんが入ってきた。


「あの……あなた達…夜明けの騎士団ですか…?」

「ああ、そうだが」

「…依頼を…頼みたいのですが…」


それを聞いて、レインは残念そうに言った。


「すまない、我等は公認騎士団へ戻ったのだ。だから、前と違い、民間の依頼は……」

「引き受ければ良かろう」

「うぉ!?…シャロル……」


劇団員の中に、シャロルが溶け込んでいた。


「よぉ!レイン!」

「お前ら………仮にも王様と近衛騎士長が、毎回毎回城の外に出てんじゃねぇよ…!…仕事あるだろ…!」

「まぁ、今はそれは置いといて」

「レイン、引き受ければ良いのではないか?」


レインは、ため息を吐いてシャロルへ言った。


「……公認騎士団は民間の依頼を引き受けられません。これはあなた方王様が決めた事です」

「だが、よく考えたらその法はおかしく無いか?何故公認だからといって民間の依頼を受けてはならんのだ」

「…確かに」

「それは作った人に言ってください」


すると、シャロルはレインに言った。


「では、その法は今日で撤廃しよう」

「はぁ!?…そんな簡単に言うんじゃないよ!…法は五カ国で決められてんだから、アンタが撤廃って言っても、他の王様が……」


[シャロルたんの、好きにしたらいいと思うよ:)]

[撤廃でいいと思うぜ〜?…つか、寝てる時にメール送ってくんな!]

[いいんじゃないの?、よくよく考えたら訳わかんない法だし]

[いいと思うぞ]


「……このバカ王どもが…そんな軽く…法を…」

「あっ!レインさんが倒れた!!」

「…あっ…おじいさん…依頼は引き受けますので〜…依頼書を…」

「本当ですか!…ありがとうございます…!」


依頼書を受け取ったソフィアは、クレイにレインを運ぶよう伝えた。


「……なぁ、クラウン」

「はい」

「この前から、俺達と王様の距離感、エグくね?」

「…………はい」


シャロルを見ながら、ソフィアはクラウンに言った。





「……集まったか」


暗い聖堂の中、エンドーが顔の見えない5人に言った。


「ふわぁあ〜あ…ねむ…」

「なんだよ、いきなり呼び出して……」

「君達、こんな事したら駄目だよ」


そう言ってエンドーは、身体の一部を液体状にして、傷だらけの女性を吐き出した。


「俺じゃねぇよ」

「アタシでもないわよ」

「まぁ、だれでもいいよ」


エンドーは、虫の息の女性を踏みつけながら言った。


「力を持ってるとはいえ、僕達はコレと同じ人間なんだから。正義の味方がこんな事しちゃ駄目だろ?……それに、僕たちは、これからヒーローになるんだ」



そして、女性の頭を切断する。


「……野蛮な事は控えてくれたまえ」

「…言われてるぜ、タカナシ」

「チッ……」
















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ