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第110話 絶望の章 〜第一章 終わり〜

「…エンドー!!」


クラウン達は、とある山の頂上にて、エンドーを追い詰めていた。


「……オリジナルは全員倒したぜ」

「…あとは…お前だけだ…」


アーサーとマーリンが、クラウンの横から言った。


「観念してくださいね!」

「…下にも…全ての国の騎士達が集まっている……もう終わりだ」

「……くふふ…ッ」


追い詰められている筈のエンドーが、何故か不敵に笑う。


「残念……ゲームオーバーだよ…」

「なに…?」


するとエンドーの背後から、光が出現する。


「なんだ…ッ!?」

「…君達が来る数分前に…僕のやるべき事は終わった…」


その瞬間、エンドーの姿が神々しい神の様になった。


「……ふむ…これが…」

「はッ!…姿が変わっただけじゃねぇか…!」

「果たしてそうかな?」


エンドーが笑うと、目の前にオリジナル達が出現した。


「………は…ッ…?」

「…ほう…これが神の力……素晴らしい…」

「……嘘…だろ…?」


その時、グリムとランスロットはオリジナル達へ、切り込んだ。


「お前ら!…エンドーを!!」

「…!……ああ!!」


グリムとランスロットが道を開き、クラウンとアーサー、マーリンはエンドーの元へ走った。


「……エンドーッ!!」

「あぁ〜…君達か…」


するとエンドーは、空中浮遊しながら、山の頂上から下へ降りる。


「また鬼ごっこしようよ」

「待ちやがれ!!」


クラウンとアーサーも、マーリンの魔法で頂上から飛び降りる。


「……はははッ!!」

「クソ…ここに来て…また鬼ごっこかよ…ッ!!」


そして追いかけると、花畑へと辿り着いた。


「花畑…?」

「…どうせ死ぬなら…綺麗な場所がいいかな…と思って…」

「……クソが…」


アーサーとマーリン、クラウンは構える。


「たとえ相手が神でも……僕達は倒すだけだ…!」

「かっこいい〜…」


その瞬間、3人は同時に攻撃を仕掛けた。


「…うん…駄目だね」

「……なッ…!」


3人の攻撃は、見えない壁に阻まれていた。


「満足かな…?」

「……ッ!!」

「じゃあ、死んどいて?」


瞬きしたクラウンの目の前には、アーサーの姿があった。アーサーの胸は、エンドーの腕に貫かれていた。


「…大…丈夫か…クラウン…?」

「アーサー……アーサー!!」

「あっ…クラウン殺そうと思ったのに…」


アーサーを、そのままクラウンの方へ投げ飛ばした。


「うがッ!!」

「アーサー!クラウン!!」

「…アーサー………あっ…」


クラウンの上に被さっているアーサーは、息をしていなかった。


「……エンドー…!!」

「フッ…神の力……最高だね…」


いつのまにか背後にいたエンドーは、マーリンの首を掴んで持ち上げていた。


「!!」

「ぐ…く…」

「ほら…早くしないと…マーリンが死んじゃうよ?」

「ッ!!」


クラウンはエンドーへ、何度も斬りかかる。だが、透明な壁に阻まれる。


「この…ッ!…この!…壊れろ…壊れろォォ…!!」

「…クラウン……逃げ…ろ…」

「あれ?…逃げちゃう?」

「……ッ…う…ッくく…ッ!!」


その場で、クラウンは固まってしまった。その数秒後に、何かが折れる音がした。


「…あ〜あ」

「……あ…あぁ…」


クラウンは、首が異常な方向に折れ曲がったマーリンを、ただ茫然と見つめていた。


「…………さて…絶望を味わってもらった所で…最後は……ん?」


エンドーがクラウンを見ると、クラウンは魂が抜け、抜け殻の様になっており、失禁していた。


「…フッ…ハハハッ!!…情けない姿だね!クラウン!」

「………………」

「いいもの見た…!……面白かったから…君は見逃してあげるよ…!」

「クラウン!!」


グリムとランスロットが駆け付けると、エンドーは2人に言った。


「……僕はこの山の頂上で待つ…もう…逃げも隠れもしないよ……神…だからね…」

「…エンドー!」


そう言い残し、エンドーは姿を消した。


「クラウン!…大丈夫か!」

「……酷いですね…これは…」





「………クラウン?」

「…あぁ……」

「声が……大丈夫ですか?」

「……もう…大丈夫…」


病室で、クラウンはグリムと話していた。


「…クラウン……なんか…話すのは久しぶりですね……5ヶ月ぶりですか…」

「そうだね……やっと…呼吸が落ち着いてきて…喋れる様になってきた…」


そして、クラウンはグリムに尋ねる。


「……あの後…どうなったの…?」

「……あの後…騎士達は全滅しました……ランスロットさんは…単身でエンドーを追い……意識不明で発見されました…」

「あのランスロットさん…が…!?……ゲホッ!…ゲホッ…」

「落ち着いてください!」


クラウンは再び、過呼吸のようになる。


「…ふぅ…ッ…ふぅ……」

「……大丈夫です…今は回復して…リハビリ中です…」

「そ…うか…良かった…」


するとクラウンは、ベッドから転がり落ちるように降りると、床を這いずる。


「クラウン!」

「…エンドーを……!」

「無理しないでください!」

「ふぅ…ッ…ッ…!…エンドー…ッ!!」















「……あっ…」

[どう?嬉しい?]



次回『壊れる』!!

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