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第11話 接触

「……と言う事だ」

「…おいおい」

「マジかよ……」


レインが、魔法通信でブラッドの依頼を劇団メンバーに話した。劇団メンバーは、動揺が隠せない。


「魔法通信で連絡するのは、その為なんすね」

「ああ、これなら聞かれる心配は無い」


魔法通信機、鉄の板に魔法が付与されたもの。板の裏表に水晶が埋め込まれており、それが周囲の景色を読み取り魔法で映像化する。これがあれば、遠くにいても自分の見ている視界や、自分の顔などを共有できる魔道具だ。最近はこれで連絡を取り合う事が多い。


「いやー便利ですねぇこれ」

「一緒の場所にいなくても、みんなの顔が見れるからな。今度から集会はこれにしたらどうすか?」

「…考えておこう」


劇団メンバーは、それぞれ街の至る場所で通信している。クラウンの前には、劇団メンバーの顔が魔法通信機によって映し出されていた。


「とりあえず、ブラッドの依頼の説明は終わりだが、お前たち。つけられていないな?」

「もちろん!」

「誰も来ない場所を選びましたからねぇ!」

「よし、それじゃあ明日の夜に、郊外のあの大樹の下でな」

「はい!」





「ふわぁ〜……」


クラウンは、拠点の自室にて昼寝から目覚めた。すると、ソフィアがタイミングよく入ってきた。


「おーい、クラウン」

「あっ、ソフィアさん」

「そろそろ行こうぜ」

「ですね!」


時計を見ると、ちょうどいい時間だったので、2人は拠点の外へ出た。外に出ると、グリアが壁にもたれかかって待っていた。


「あっ!クラウンとソフィア!」

「グリア…?」

「どうしたの?、待ってたようだけど……」

「ブラッドがね、劇団の手伝いしろって言ってからぁ〜!、手伝いに来た!」


グリアはいつもしている、ニヘッとした笑みを浮かべて言った。


「それは助かるな、じゃあ一緒に行こうか」

「あい!」


そして3人が大樹の元へ向かうと、アサシンが身につけていた、黒い服と鎧に身を包んだレインと劇団メンバーの姿があった。


「お〜!カッコいいですぅ〜!」

「来たか……」


そう言うとレインは、ソフィアとクラウン、グリムへ自分達の装備している黒い武具と同じものを手渡した。


「…作戦通り行くぞ」

「作戦とは?」

「俺達は、シャロルを暗殺しに来たアサシンへ扮して、ボーレインへ接触する。そこで、ボーレインがシャロル暗殺に関わっている証拠を押さえ、即確保だ」

「レインさん!ボーレインが旧市街に現れました!」


劇団メンバーが、魔法通信で連絡してきた。魔法通信機の映像を見ると、ボーレインとその護衛が映っている。


「偽の依頼達成の報告、バレなかったみたいですね!」

「ああ、ちゃんと騙せたようだ……よし、お前たち!行くぞ!」


レインの合図で、劇団メンバーとグリムは、旧市街に向けて避けては通れない森の中へと足を踏み入れる。


「……草が凄いですね…」

「…気を付けろ、隙を見せた瞬間、草むらから魔物が襲いかかってくるぞ」


全員は周囲に気を配りながら、森の中を歩いていく。すると、草木に侵食されている街が見えてきた。


「旧市街に着いたぞ……」

「おい、ボーレインはあそこだ」


劇団メンバーの1人が指を刺した場所に、ボーレインの姿があった。


「バレないようにしないとですねぇ!」

「…俺達は劇団だぜ?……演技は得意だ」

「遅かったな」


ボーレインが、アサシンに扮した劇団達へ言った。レインは、ボーレインの前の地面にレプリカの王冠を投げた。


「ほらよ、少し時間がかかったが、殺してきたぜ」

「ホントだよ、あんなガキ殺すのに何日かかってんだ」

「ガキとはいえ相手は王だぜ?、このくらいかかるのは当たり前だ」

「フン、まぁいい」


レインは、正体がバレないよう自然に、ボーレインへと問いただす。


「しかし、シャロル王を狙ってるのが家臣でも、反乱軍でもなく……友好関係を結んでいるハズのスリーク王国王子だとはな。そんな事、誰も思うまい」

「だからだよ、誰もシャロルを俺が手引きして殺したと思わないから、殺したんだよ」

「理由を聞いても?」

「フン、お前らには理解できん。まぁ、あえて言うなら……俺の夢を叶える為…だな」


「これで十分じゃないすか?」

「だな」

「…ッ!?」


その瞬間、劇団メンバー達はフードを取って顔を見せた。


「お前ら…ッ!…夜明けの騎士団!?」

「お前がシャロル王暗殺を企てた証拠は、この魔法記録機に記録させてもらったぜ!」


ソフィアが、魔法記録機の水晶を押した。すると、さっきまでの映像と音声が、空中に浮かんだ。


「……チッ…それじゃあアイツら…失敗したのか…」

「残念だったな、ここでお縄についてもらうぜ」

「…ク……フフフフフ…」

「どうした?」

「ハハハハハッ!!」


ボーレインは、その場で笑い始めた。


「……その証拠は、誰の目にも留まる事がない」

「…!」


劇団メンバーを取り囲むように、護衛が並んだ。劇団メンバー達は、武器を構える。


「お前らをここで殺せば問題ないからな!!」

















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