笑い声
高校時代の記憶がごちゃ混ぜになって夢に出てきたので。懐かしくなってメモ代わりに。
夏の日だった。
部活前の、なんとなく空いてる時間。
窓辺に座って、部員が思い思いのことをして過ごしていた。
面白いけど賑やかで苦手だな…と思ってた女の子が、少し間を開けて隣りに座り、静かに何か本を読んでいた。
開け放った窓から入る風が気持ち良くて、室内は適度にざわついていて、なんだかすごく心が落ち着くのに逆に浮き立つような不思議な気持ちも感じながら、普段参考書しか読まない僕が友達から借りた漫画を開いた。
すごく流行っているという、そのコメディ漫画は面白かった。
リラックスしていたせいか、人前で笑うなんてほとんどしない僕が、自分でもびっくりするくらい開放的な笑い声が出てしまった。
すると隣りに座っていた女の子がパッとこちらを向き、しげしげと僕の顔を見た後、
キミはすごく気持ちが良い声で笑うんだね。聞いてるわたしも楽しくて幸せになるみたいだよ。もっとたくさん笑えばいいし、もっとたくさん皆に笑い声を聞かせたらいいのに。
と言った。
その瞬間、うるさくて賑やかな苦手な女の子から、なんとなく気になる女の子になった彼女は、あれから何十年もたった今、僕の隣りで子どもたちと僕の笑い声を聞いている。