海の3匹-2
食事の後はレジャーシートを敷きパラソルを立て、横になり休憩をとった。
『人間の身体とは不便だと思ったが、これはこれで楽しかったな』
『そうだね。移動するのが面倒だけど、楽しめたし』
『楽しんでいただけて良かったです。この後は、港に行って海の幸を食べますよ?』
また軽く泳いだ後、ゴルドくんの秘密道具【雨雲玉】で、海水を流し、スラムドッグマート印のアロハに着替え港に向かう。
港に着くと、やはり観光客向けに出店が多数出店されていた。ゴルドくんは素早くお目当ての物を買い戻ってきた。
『さ、2人とも今日の〆です。アルコールに、お刺身、巻貝の姿焼き、漁師の奥さんが作った浅漬け、焼き鳥で乾杯しましょう』
『…度々おもうのだが、本当にお前はゴーレムか?』
『残像が見えるほど素早かったね〜』
『私は食に関しては凄い力が出るのですよ』
『「乾杯!!」』
酒とは度を過ぎなければ良いものだ。気分が明るくなるし、それにつられて周りも明るくなる。
『このビールていうのはいいな!井戸の水よりうめぇ!』
『焼き鳥…美味しい』
『ムクさん、刺身も美味しいですよ』
イケメンが呑むその姿は、また素晴らしい。特に周りが暑苦しい男が多いと。
『やっば、あの人たちカッコよくない⁈』
『相席したいけど勇気がな〜い』
「『〈ケッ!〉』」
だが、楽しい時間はそう続かなかった。ツン…と明らかに場違いな…甘ったるい香りがしてきた。匂いの先を見ると、ケバケバしい姿の一行が見えた。
『相変わらず此処はむさ苦しい所ザマス』
『ほんと、汗臭くて低脳が集まる所ジャマス』
『全くこの世には私ら聖女と勇者様だけがいれば善いズルス』
この近くに根城を構える聖女三姉妹【ツキイ一家】だ。長女のコースィ、次女のケーショ、末女のセーカク。彼女らが来ただけで、場の雰囲気は一気にダダ下がりした。
『なぁに?この料理…切っただけじゃないザマス』
『こっちは焼いただけジャマス』
『見てお姉様たち、ドブみたいな色の麺を啜って喜んでいるズルス。勇者様以外のものは下品ズルス』
何故、彼女たちは来たか?
答えは簡単。獲物を探しに来たのだ。見目麗しい者を見つけると、権力を傘に屋敷へと連れ込みアレやコレをし、飽きると大体1週間で捨てる。中で何が行われているか、不明だが捨てられた者は全員、目が死んでいた。可哀想なことに彼女らの対象は、幼い子も対象のため事情を知る子持ちの親はこの付近には来ない。
3日ほど前にも被害があり、あと4日は彼女たちは来ないと思った。しかも、ここは汗臭い野郎共が多く来る港…
だから、ナンパ目的の野郎とビッチ達に出店を出して、もてなしていたのだ。
何故、ここに…
誰かが呟いた。
『あ、いたザマス!報告通りのいい男ザマス!』
『本当ジャマス!私、あの癖っ毛がいいジャマス!』
『私はぬいゴーレムがいいズルス。壊れにくいから』
周りの人達はそっと距離をとった。心中で詫びながら…かつ自分じゃなくて良かったと思いながら。
〜to be continued〜




