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いただきもの

『おそうじ、おそうじ〜♫ル〜ルル♫』


鼻歌混じりに掃除道具を持ち、ホーリードール邸の廊下を進むプリムラ。本日、プリムラは休日だった。それに加えてゴルドウルフは、新規仕入れ開拓の為ここにはいない。ならばと屋敷のメイド達と共に掃除をしようと決めた日でもあった。


『パインちゃん、はいりま〜す』


パインパックの私室を開けると…


『…』サッサッ


バタン


絨毯が掃き掃除をしていた。その絨毯は、つい先日、パインパックがゴルドくんと一緒に何処からか貰ってきた物だ。不思議な模様で、パインパックが偉く気に入っていたのを覚えている。


えっと、絨毯が起き上がって掃き掃除をしていた?え?でも、絨毯は動く物でしたっけ?


そ〜と、扉を開けると絨毯は床に敷かれていた状態だった。


『あ、あれ?さっき確かに立ち上がっていたのに⁇』


摘んでみるが、布厚の上質な絨毯に違いがなかった。


『??』


プリムラは疑問に思いながらも掃除をした。

~~~

また別の日、パインパックが部屋でジュースを零した。泣きながら、必死に拭いている。


『プリたん…ごめんなしゃい』

『大丈夫よ、パインちゃん。洗えば元通りになるわ』

『じゅーしゃんも、ごめんなしゃい』


絨毯を持ち裏庭に持っていく。大きく浅い桶を用意し、湯をはる。あとは洗剤を入れて踏み洗いをすればいい。ところが洗剤を忘れてしまった。


・・・

・・


ジャブ、ジャブ


桶を置いた所から音がする。


おや?もしかしてメイドさんが既に洗ってくださっている?


そ〜と、覗くと桶の近くには何か燃えた跡があり、灰色に濁ったお湯にまるで行水のように絨毯が浸かっていた。暫くすると、絨毯はふわりと浮かび空中でその身を捩った。水分を出し切り、屋根の上に着地した。


『はわわわ、やっぱりあの絨毯は何か秘密があったんです!おじさまに報告しないと!』


慌てて、駆け出したためローブの裾を踏んで転んでしまった。

~~~

次の日


『おじさま!あの絨毯は何やら変です!』

『?店舗に出している絨毯がですか?』

『違います!パインちゃんの部屋にある絨毯が、です!』

『あぁ、あのアラビアン柄のですね』

『絶対、あれは普通の絨毯ではありません。ここに目撃者さんからの証言があります!』


証言1:ツインゴールデン

パインパックの絨毯?確かに不思議な柄ね。それだけじゃない?

そーいえば、この前のことだけどゴルドくんがその絨毯の上で騎馬戦盤(チェスのようなもの)をやっていたわね。1人で

結構、接戦していたけど負けて悔しがっていたわ。自分で自分に負けて悔しがるて笑えない?


証言2:頭巾先生

あの絨毯には不思議な魔力を感じるのん。織り込まれている柄に、1つ1つ意味があるとのんは睨んでいるのん。

じっくり見ようとしたら、風が吹いて何処かに行ってしまったのん


証言3:腹ペコ先生

パインパックさんの絨毯ですか〜?と〜ても優しい人?です!重い荷物を持っていた時に、載せてくれました!


『どうですか、おじさま!これらの証言を合わせれば、あの絨毯は

意思を持ち

空を飛び

人をも載せられる

です!』

『そうですか、ではパインパックさんに聞いてみましょう』

『へ?』


ゴルドウルフはそう言うと、キッズスペースにいるパインパックとゴルドくんの元に来た。


『ごりゅたん!おちごとおわり?』

『すみません、まだです。パインパックさん、あの絨毯はどうしたんですか?』

『あのね、おうしゃまとおひめしゃまからもらったの!』

『ハールバーリ王からですか?』

『ん!ちがう、しゃばくのおうしゃまとおひめしゃま!』


そろ〜と、逃げ出そうとしているゴルドくんに手を掴む。


『詳しく教えて頂けますよね?』

『はい』


ゴルドくんは全て話した。


『そうですか…あのダンジョンにそんな秘密が…』

『はい、ダンジョンを真に制覇したとしてその証に貰った物です』

『…だ、そうです。プリムラさん』

『絨毯の件は納得しました。不思議なダンジョンの魔法の絨毯なら納得です。しかしまだ幼いパインちゃんを、そんな危険なダンジョンに連れて行ったゴルドくんの行為は、許し難いです。だけど、パインちゃんに構えなかった私たちも同罪です。今回は許しましょう』

『ありがとうございます』

『おやつを一週間ほど抜きで』

『プリムラさん⁈』


〜END〜

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