野良犬の身体
きっかけは些細なことだった。ゴルドウルフがいつもの業務を終え、軽くストレッチをした時のこと。
ミシッ、ミシミシ。ゴキン、パキン!
まるで身体からのSOS信号の様に関節が鳴ったのだ。ゴルドウルフの歳と、業務を考えれば当然のこと。ギックリ腰などに成らない様に、ストレッチや体操を業務開始前と後にしっかりおこなっているがやはり疲労は溜まる。そして、これを一番聞かれたくない人物に聞かれた。
『ごりゅたん!』
『パ、パインパックさん…』
ゴゴゴゴ…
本人達には見えていない(出現させていない)が、いま守護者同士が争っていた!
『我が主人の願い…叶えて見せましょうぞ!』
パインパック側は神獣フェンリル…対するゴルドウルフは…
『よーし、我ら現場衆…行くぞー!』
『うぉぉーーー!』
工事ヘルメットを被った男達…!
結果…!負けた…現場衆…!
『ごりゅたん、しゅわって!』
この時は、まさに有無を言わせない気迫…姉妹そっくりだ。
『はい…』
大人しく座り…
『たんとんたんとん♬』
始まった、聖女による【祈りの肩叩き】
まだ祈りの作法も、教わっていない彼女が救いたい者のためにその刻み込まれている血で、おっさんの肩を叩く。おっさんの疲労はみるみる消えていく。
この時…ゴルドウルフはもちろん、パインパック本人も気付いてなかったが…
彼女が肩叩きをするたび、ゴルドウルフは僅かにだが若返っていたのだった!
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また別の日、ゴルドウルフは周囲にパインパックがいないのを確認してからストレッチを開始した。こう見えてゴルドウルフは身体が驚くほど柔らかい。エンドを始めとする師匠からの教えで柔軟性を身につけているからだ。そうしないと、機敏な動きができない。
すると背後から…
ポヨン、ポヨン
とスライムが跳ねる様な音がした。振り返ると…
『あ、おじ様。そのストレッチを手伝いましょうか?いえ、手伝わせてくだしゃい!』
プリムラだ。
ポポポポポポ
本人達には見えていない(出現させていない)が、また守護者同士が争っていた!
『プリムラさまの願い、しかと私が叶える!』
プリンセス-スライムがプリムラの背後から現れた。対するゴルドウルフは…
『GAOOOOO!』(お嬢に変わって護ってみせる!)
白黒の…熊!両者にらみ合い…ゴングが鳴った!
・・・
・・
・
『わぁ、おじ様の背中大きい…』
『あの…プリムラさん?』
『は⁈い、いきましゅよ!えい!』
『あ、あのゆっくり…ああ“〜』
勝者、プリンセス-スライム!
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またまた別の日、ゴルドウルフは入念に周囲を見回しパインパックとプリムラがいないのを確認した。いつも自分の相手をしてくれるのは嬉しいが、流石に周囲の目もあるし彼女達の今後を考えると自分の様な人間にはあまり触れさせない方がいい。
上着を脱ぎ筋トレを始める。闘うための筋肉は、量よりその質が大切なのだ。静かに、しかし確実に筋肉に負荷を掛け身体を作る。
一方その頃、ゴルドウルフがいる部屋の前では激しい攻防戦が繰り広げられていた。
『くっ、何て力だ!』
『貴様は正面から、私は側面から行くぞ!』
『弟子を守るのが師というもの!お2人に負けないように頑張ります!』
『争いはいけません。さぁ、前を退いて下さい』
『あら〜ゴルちゃんはどこかしら?あ、かくれんぼしてるのかしら〜?』
『ぐふぅ、何て破壊力!所詮、絶壁の私では太刀打ちできないのか⁈』
『絶壁とか言っている暇があったら、早く抑えてくれ!』
『絶壁いうなー!』
『ば、馬鹿、野郎…グフ』
『3人で精一杯なのに、1人でも崩れたら…!』
『あら〜この部屋から物音がするわ〜』
〜END〜
この後はゴルドウルフは【ふきふき無双】されます( ´∀`)




