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覚悟の剣

スラムドッグスクール〜DEAD or ALIVE time

この時間は、子供達に自衛のために学ばせる時間ではない。大人たちが、生き残る為に手段を選ばない…そんな方法を学ぶ時間だ。今日の講師はサシミで屋外実習の様だ。


『では、今日は儂が教えよう。まず始めに【常識を捨てよ】だ』


ざわざわと周りで声がする。どういうことか?


『では、儂とゴルドウルフで手本を見せよう』

『はい、いいですよ』


お互いに刃を潰した剣を構える。試合開始は誰も知らせない。実戦と同じ、タイミングなどその時で違う。


『しっ!』

『ふっ!』


カキーン!ザッ!サクっ!


音だけでは何が起きたかわかるまい。まず、サシミが剣をゴルドウルフに投げた。振るのではなく投げたのだ。そのあと、踏み込み顎に拳を突き立てた。


『おぉー!』

『このまま顎を殴れば、ゴルドウルフ殿は脳震盪を起こし、まともには立ってはおられまい』

『成る程、確かに剣を投げられたら咄嗟に剣を弾く為に剣を振り上げる。その隙に懐に忍び込み拳を構える訳ですね?』

『その通りですじゃ。では次に打ち合いたい者はこちらに』


常識を捨てるというのは意外と難しい。歳を重ねるごとに、その難易度は上がる。


『じゃあ、次は私がやるわ』


ここで最年少のシャルルンロットが名乗りを上げた。


『子供といえど容赦はしませぬぞ?』

『余計なお世話よ。さ、始めましょ』

『ふっふっふ、いつまで持つかな?』


お互いに刃を構え、辺りに静けさが包む。先に動いたのはサシミだった。剣を水平に振る。普通ならバックステップで避けるが、シャルルンロットは屈み、払い蹴りをお見舞いする。獲物を振っている最中は足は固定されている。そうでないと、力が入らないからだ。しかし、シャルルンロットはサシミの足は狙わず下の地面を狙った。砂が巻き上げられ一時的な目くらましにした。


『成る程、視界を奪うことで攻撃を察せられない様にしたか…しかし』


サシミの後ろに、バッと広がる音がした。シャルルンロットの長髪が舞う音だ。


『視界を奪うまではいいが、その舞う音でバレバレよ…まだまだ…なんじゃと⁈』


振り返り剣を振り下ろすが、それは金色の髪の束だった。シャルルンロットは、自分より背の高い者に攻撃するときは高く跳ねる。サシミはそうだと思ったから、振り返ったのだ。


『あんたはミスを3つも犯したわ。1つはこの砂塵を甘く見たこと、2つは私の覚悟を甘く見ていたこと、3つは私が攻撃する時に癖があるとおもったことね!』


そう、シャルルンロットが砂塵を作り出したのは、自分の攻撃を見えなくするだけではない。自分の変化を相手に悟らせないためだ。砂塵を作り出した瞬間、自身の髪をバッサリ切り落とし1つにまとめたのだ。そして簡単な浮遊魔法で、サシミの背後から浮かせ振り返った瞬間に下からすくい上げる攻撃を仕掛けたのだ。


『どうかしら?』

『合格じゃよ。確かに【髪は女の命】という常識を破った策・そして戦う相手の特徴を知ってるが故の、慢心をついた素晴らしい戦法じゃった』

『なかなか素晴らしい方法でした。髪の毛は、私の方で治し方を知っている人がいるのでその人にお願いしましょう』

『別にいいわ。【この髪型はサシミに一撃入れた】ていう証だから。それにすぐ伸びるしね。それともゴルドウルフは髪の短い女はいや?』

『人には個性があります。シャルルンロットさんの活発な行動力とその髪型は合ってると私は思いますよ』

『ふにゃ、あ、ありがとう。じゃあ暫くはこのままでいるわ』

『さぁ、皆の衆。どんどん参れ』


結局、その後にサシミに一撃を入れられた者は0だった。


~END~

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