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鍋-2

お鍋を食べ進めていくと、だし汁のみになる。となると最後は〆のオジヤだ。昼の残りの冷や飯を投入しクツクツと温めて溶き卵を入れて完成だ。


『う〜む、美味い!』

『野菜の旨味がご飯に染み込んで味わい深いですね』


仲良くオジヤを掻き込みお腹を満たした。その後は、カードゲームをしみんなで楽しんだ。部屋は暖かくお腹も満たされていると眠くなるものだ。ゴルドウルフとサシミ以外は皆、うたた寝に入った。


『ゴルドウルフ殿、どうですかな?月見酒と洒落込みませんか』

『お言葉に甘えて』


コタツから抜け出し縁側に向かう。少々冷えるが火照った体には心地よい。


『この酒はシブカミの米で精製された混じりけ無しのものです』

『どうも』


2人でチビチビ呑みつつ近況のことを話した。暫くするとサシミはふと思いあることを聞いた。


『そういえばゴルドウルフ殿は所帯を持たないのですかな?』


森の何処かで狼が遠吠えした。その後、静寂が辺りを包む。


『サシミさん。私は今、あるとてつもない影も形も掴みずらい敵と闘っています。とても所帯を持つ余裕はありません』

『持つ余裕が無い…それは優しい嘘ですな』


人は守るべきものがあると強くなる、と言われるがそれは全員ではない。もし敵が自分ではなく、その守るべきものに手を出したら?守るべきもの友が敵に狙われたら?

身動きが取れなくなるのだ。そのために、守るべきものを作らず個人で片付けようとする人がいる。ゴルドウルフもその1人だ。


『ですがゴルドウルフ殿、少しは我々を頼ってくだされ。貴方の敵はみんなの敵ですぞ』

『ふふふ、ありがとうございます』

『ではもう一度、少し質問を変えましょう。もし敵を倒した時に、所帯を持つならどういう女性がタイプですかな?』

『そうですね…容姿は特にこだわりはありません。権力も歳も関係ありません。私は孤児でしたので、あたたかい家庭が築ける…そんな女性と人生を共にしたいです』

『流石ですな。人は見てくればかり気にしがちですが、中身が良くなくては共にいて楽しくないですからな』

『恐縮です』

『例えるなら誰ですかな?うたた寝している女性陣にいますか?』

『…そうですね…』

『その人物は…?』


ガタガタ!と物音がし襖が倒れ込んだ。振り返るとうたた寝していた者たち雪崩のように転げ落ちてきた。


『おや、皆さん起きましたか?錆びた風とサクラを呼びますのでそろそろお暇しますか』


どこかバツが悪い顔をする女性陣。その後は滞りなく帰途についた。


『ところであなた。ゴルドウルフさんの好みの女性は知れたの?』

『お前みたいないい女だよ』

『こっぱずかしいこと言うんじゃないよ!』

『痛てぇ!』


〜END〜

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