のんとわん-2
冒険初心者が良く訪れる薬草が多く生える森についた。エンドルフィン草…回復系に使える薬草全般に言えることだが、群生地を見つけるのは意外に簡単だ。良く日が当たる所に生える。
しかし、2人は別の場所に向かっていった。森の深くに入り洞窟の中に入って行った?
こんな場所に日の光が当たらない所に、エンドルフィン草なんて生えるか?
疑問に思いながら2人の後に続く。そして奥を覗き込むと…
そこは丁度、洞窟の上部が崩れ日の光が一部当たっている場所があった。そこにエンドルフィン草が生えていた。驚きつい
あっ
と声を出してしまった。
『後を付けていたのは分かっています。出てきたらどうですか?』
『いつから気がついていた?』
『初めからです』
自分の気配を消す特技もあまり意味を持っていなかったようだ。
『なぁ、教えてくれ。あんたとミッドナイトシュガーの関係はなんだ?』
『師弟関係…といったところでしょうか?』
『そうのん』
聞くとミッドナイトシュガーは、導勇者を目指しているんだとか。それで様々な経験を持つゴルドウルフにこうして度々、教わっているそうだ。
『更にここに生えているエンドルフィン草は通常の倍の効果があります』
『何でだ?限られた時間しか日の当たらない最悪な状況だぞ?』
『そうです。そこが重要なんです。例えば温室育ちの薔薇は確かに綺麗かもしれません。しかし、過酷な環境で育った野薔薇は匂い・棘の鋭さも強く病気にも強いです。薬草も一部ですがこういう特性を持った物があります』
成る程、教科書や文献で教わるより目で直接確かめる方が覚えやすい。教え子の為にここまでするのは中々出来ない。現に勇者関連の学校ではしないだろう。コレはスクープだな。
『すいません、写真を1枚いいですか?』
次の日の新聞には1面記事…ではなかったがスラムドッグスクールの事が掲載された。
【教え子の為なら一肌脱ぐのが教師!その真髄を見た!】
と題された記事だ。真写も掲載されスラムドッグスクールのいい宣伝になった。その真写は、教え子が先生に頭を撫でて貰っている物でその顔には微笑みが映し出されていた。
残念な事に先生の顔にタイミング悪く光が差し顔が写らなかった。しかし、子供を笑顔にする事が出来る私塾としてスラムドッグスクールに入学者が殺到した…という話。
そしてその記事の切り抜きを、宝箱にしまったミッドナイトシュガー。
『本来ならデート券を利用したデートのはずだったのん…だけどこれはこれでいい気分のん』
そうこの記事のお陰で、自分がゴルドウルフの一番弟子と公言しているようなものだ。フフフと笑い、狂犬が来るまでもう間も無く。
~END~




