こちら天界4丁目
天界〜
天界とは神々がいる国とされるが、少し脇に逸れると来世を待つ者の街なる物がある。此処に来れる者は、現世で善い行いか多少の悪事(嘘など)をした者のみとされる。他の者は冥界に落ち、罪が許されるまで拷問され時に奴隷として働かせられる。
天界に来た者は此処で前世の垢を落とし、来世に旅立つ。その垢落としは、数日の者もいれば数年・数百年という者もいる。
それだけ人が滞在して天界はすし詰めにならないのか?ということを疑問に思う方もいるだろう。大丈夫、天界は宇宙の様に広がり続けるから。そんな中、賑わいを見せている一画がある。
天界4丁目〜
ここには様々な娯楽施設がある。そして件の場所に、白黒の動物とそれにお揃いの民族衣装を着た少女がいた。
『いらっしゃいねー、いらっしゃいね!マオマオとシャオマオの【スラムドッグマート〜天界支部〜】で前世の垢を落として行ってね!』
そう、ブラックノームの毒牙にやられたマオマオとシャオマオだ。彼女らは死後、天界でゴルドウルフに教えてもらった【愛】と【思いやり】を元にスラムドッグマートを作ったのだ。最初の店名はゴージャスマートだったが、男神のタリオンからゴルドウルフの店のことを聞き屋号を改めたのだ。
『さぁさぁ、そこのお疲れのあなた。精一杯のおもてなしをさせて貰いますね!』
天界では前世の善行、感謝によって得られた物がポイントとなる。また天界でも心から感謝されればプラスされ、逆ならマイナスになる。それは感謝の度合いによって得られるものである。よく感謝されたいから行う善意を反対する者がいる。しかし逆に考えれば【やらない善意より、やる偽善】の方が助かる人が増えるのも事実。つまりバランスだ。
マオマオとシャオマオは前世に、ゴルドウルフの手伝いをしたとし善行ポイント【スマイル】がかなりあった。それを元手に、ゴルドウルフがしていたペンションを作った。
細かなサービス、美味しい食事が売りで連日の賑わいだ。
『マオマオちゃんありがとう。これで思い残すことなく来世に行けるわ』
『お礼なんて要らないね!マオマオは皆んなが喜んでくれるだけで嬉しいね!』
『うふふ、本当にいい子ね。私の孫を紹介したいぐらいだね』
『ごめんね、おばあちゃん。マオマオ、心に決めた人がいるね。その人とこのペンションを経営するのが夢ね。で、契りを交わして来世で結婚するね‼︎』
天界では結婚のことを契りという。前世で結婚したものは、天界で契りを交わした者もいる。すると来世でもその人と出会える確率が高くなるのだ。ハーレムの主人公は、天界で契りを交わした人数が多い…という噂もある。
『マオマオちゃんと契りを交わしたいて人が羨ましいぜ!』
『全くだ』
ある日のこと、マオマオが店先と3軒隣まで掃除していると宅配便が届いた。差出人は【メル】とある。
『こないだ来たお客さんね。中身は…』
ぱかっと開けると、にゅとデカイ一枚板のガラスが出てきた。壁に掛けられる様に、紐付きだ。
『凄いね!これ【天界水晶板】ね』
天界水晶板
本来神が下界を見るための物。特別にメルがマオマオに劣化版だが寄贈した。
『これがあれば、みんなで楽しめるね!ゴルドウルフさんの事も観れるし…』
天界水晶板を設置し、お客さん全員で楽しんだ。残念ながら、視点は12箇所しか変えれない物だったが、それでも楽しかった。
『これを観てたら来世が楽しみになったよ!』
『あぁ、子供達が無事に育ってよかった』
そして今日も賑わいを見せた、スラムドッグマート〜天界支部〜だった。
〜END〜
薄暗くどこか悲しい雰囲気に包まれている場所。それは、天界の正反対の位置にある冥界だ。此処に来る者は生前に相当な悪事を働いたものが来る。そして、場違いとも思えるかわいいマスコットが飾られている場所がある。
『ようこそ来たな!さぁ【スラムドッグマート〜冥界支部〜】で見てきな!』
『ハデス様お辞めくだされ!冥界長のあなた様がこのようなことを…!』
『だまれぇい!プルちゃんの願い事だから聞かねばならぬのだ!』
『あぁ〜おいたわしや〜』
実はプルは冥界では、ブラックノーム以上の人気を持つデビルなのだ。そんなデビルにお願いされたら、二つ返事で受けおること間違いなし。
『さぁこれは【アダムの改心】に改良を重ねた【堪王の悲鳴】だ!』
【アダムの改心】とは股間にキツイ一撃を喰らわす恐器だ。そして【堪王の悲鳴】はそのキツイ一撃を連続で喰らわす恐ろしいものだ。
そう天界支部は安らぎを、冥界支部では苦痛を提供する。
『よし、あのエテ公にそいつを喰らわすか。ハデス様、それ1つ下さい』
『うむ。では実際に体験してみてくれ』
『え“』
今日も冥界では悲鳴が響きます。




