愛娘-3
奥へと行く地上へと繋がる昇降機と縮こまっている3人組がいた。しかし、パーティメンバーでは無い。
『あ、あぁああああああ!終わったんだ!やっと終わったんだ!』
『良かった、良かったよ!』
『これからは信仰心を忘れずに祈ります!』
『君たちは?』
彼らはセーラーにパーティより前にアタックした、別の勇者パーティだった。彼らもゾンビに捕まり、バルルミンテの裁きを受け今日、解放されたそうだ。
『あ、あの捕まった人たちの解放は出来ないんですか』
『戦勇者…いや勇者は変わるべきだ。解放は出来ないし、しようにもダンジョンの何処にいるかわからないし。ここのダンジョンはありの巣の様に日々、地下へ広がり続けているからね。ところで君のパーティメンバーの勇者はどんな奴だ?』
包み隠さずセーラーが話すと
『まるで以前の自分を見ているようだ。そんなパーティは脱退したほうがいい』
『でも、彼の家族が…心配します。それに…』
『安心しな。僕はその勇者よりも地位が上だ。君に迷惑がかからないように取り計らっておく』
昇降機に乗り地上へ戻る。
そこでその勇者パーティとは別れた。
『その…俺とパーティを組まないか?』
『え…その、なんで?』
『いやぁ、実は後方で支援して貰ったのは今日が初めてじゃないんだけど、すっごく安心したんだ。君となら高みに行けそうなんだ。頼む!』
こうして後に名を残す名コンビが誕生した。
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さて、覚えているだろうか?セーラーとパーティを組むこととなった、青年の出会いを見ていた者がいたのを。それはこんなことが起きていた。
『よし、セーラーさんが優しい将来有望株と出会った!ブレザーさんに報告だ!』
ゾンビのみ知る秘密の通路を通ると、そこは採石場の様な場所に幾人もの人が働かされていた。そこで現場指揮を取っていたブレザーと呼ばれるゾンビに報告をした。
『何、本当か⁉︎やっと娘に会えるな!じゃあ俺はこれで逝くから、次の現場監督の任はお前だ!』
『了解です!ご武運をお祈りします!』
『馬鹿野郎、祈って貰うのは娘だけで十分だ!』
『その通りですね!』
ブレザーは現場を離れバルルミンテに挨拶に向かった。
『バルルミンテ様!娘が今日、ダンジョンに来たみたいです。今日をもちまして逝きます。今までお世話になりました!』
『うむ、そうか。其方の働きの度合いは…【ゾンビキング】だな。では確認するぞ?ゾンビキングになれば、自我を失い例え娘であれど襲うことになるが良いな?』
『はい!それにセーラーの祈りがあればゾンビキングぐらいならすぐに討伐できます』
『では、ゾンビキングに進化させる。そして倒された時に出るドロップアイテムが遺族に残す退職金だ』
バルルミンテは、右手をかざしブレザーをゾンビからゾンビキングに進化させた。
『デハ、バルルミンテ様。侵入者ヲ排除シテキマス』
『よし、行けい!さて次の裁きの者をこちらへ』
ゾンビ3体が後ろ手にした3人の人間を連れてきた。
『離せ、このゾンビ野郎!』
『まじキモいんだけど!』
『臭〜い!』
裁きの者たちはセーラーの元パーティメンバーだった。
『これから貴様らを裁く。私語を慎みたまえ』
『うるせぇ!俺は勇者だぞ!お前らの大元の魔王を倒した子孫だ!』
『「そうだ、そうだ!」』
『…でどうした?その子孫なら我ぐらい簡単に倒せるであろう?』
勇者を拘束していたゾンビに命令し、拘束を解かす。そして、3人vsバルルミンテをおこなったが結果は、勇者の惨敗だった。
『ふん、準備運動にもならん』
『それは…今本調子じゃないし』
『戯けが、貴様なぞゴブリンキングより弱いわ。後方支援が優れてたからこそ、勝ち抜いたもの。さぁ、この鏡を見よ…』
その鏡には、今までのセーラーの有能性を示す証拠が次々映し出された。そして自分たちの罪も映し出され、それにより被害を受けた者の怨念が彼らに纏まりついた。
『ほう。強制労働ですんだか。その怨念の鎖が消える時、貴様らは解放されるだろう』
近くにいたゾンビに1枚の紙を渡された。
強制労働のススメ
1.労働時間は14時間(内1時間休憩)
2.食事は3回(各30分のみ)
3.道徳時間とし2時間の教材熟読
4.入浴は30分のみ
5.睡眠時間は6時間30分
6.7日に1日は休日とする
7.尚、脱走を企てた場合、不死者となり永久的に労働させるものとする
勇者パーティのメンバーは悲鳴をあげた。
さて、ブレザーは仮のボス部屋に転移した。奥へと通じる扉の先には昇降機と、魔法陣がある。この魔法陣は、裁きの度合いで【1または2】になった者が現れる者である。ちょうど今日、3人のある程度の勇者の地位がある者が解放される。改心した3人なら、娘の不安要素もなんとかしてくれるだろう。
さぁ、扉が開いたぞ!
~END~
肥えた勇者・貴族に対して
13時間の肉体労働にその後の2時間の道徳…つまり15時間の縛られた時間
贅を尽くした料理ではなく質素な食事(デザート無し)
たっぷりのお湯に浸かれず、家畜の様な入浴(当然、ボディ用石鹸で頭も洗う)
ふかふかのベットで個室はなく、板の上に薄い布団を敷いて集団で寝る苦痛
そして、ムチだけではなく飴としての1日の休日…
耐えれますかな?




