愛娘-2
ゾンビの弱点である聖魔術を唱える。その光は、とても聖女学校を卒業して数年のレベルでは無い。明らかに同年代より格上だ。浄化が終わりそうになった時、不意に目の前が暗くなった。魔力切れでは無い。顔に麻袋を被せられ担がれているのだ。どうやら後方にいた彼らも同じようで
『離せ!汚い手で触るんじゃ無い!』
『も〜最悪!臭いつくじゃん』
『ネイル剥がれた〜、弁償して!』
担がれて何処かに運ばれているようだ。3人の声がだんだんと離れ、別々の方向に離れていった。セーラーはこの先に起こるだろう事を予想し、家で帰りを待つ母に心から謝った。そして、今は亡き父にそちらに行くことを述べ覚悟を決めた。慰め者になるぐらいなら死を選ぶ。舌を噛み切ろうと思った、その時
『待てそこのゾンビ!そいつを離しな』
まさかの追撃者に驚いたのか、ゾンビはセーラーを離し逃げていった。
『君、大丈夫か?』
丁寧に麻袋を外したのは、見覚えある顔。冒険者の中ではまだランクは低いが将来有望と言われている人物だった。
『あ、ありがとうございます』
『良いってことよ。ここには【アンデットマウス】ていうネズミがいるらしいから狩りに来たんだ』
2人はお互いにここにいる経緯を話し一時的だが、パーティを組むことにした。理由は勇者を救う為だ。
そして、その様子を伺う影があった。
ダンジョン内を進む。いつものように先行しようとセーラーは前に出たが
『君は聖女だろ?回復役は後方にいるべきだ』
ちゃんと役割を決め、時に男が攻撃しセーラーが回復したり浄化をしいよいよ最深部まで来た。
『ここはボス部屋か?』
『わからないわ。開けてみましょう』
扉を開けると1体のゾンビがいた。しかし、頭には王冠を戴せている。
『ワレコソハ、ゾンビキング也。侵入者ヨ、今ナラ見逃ス。立チ去ルガヨイ』
『残念だがそれは出来ない。彼女の仲間が君らの仲間に捕まっているのでね』
『…立チ去ラナイトイウナラ、戦ウノミダ』
戦闘が始まった。ゾンビキングは、何故かツルハシを武器とし男と戦った。後方でセーラーは支援魔術を男にかけ、遂にはたった2人でゾンビキングを倒してしまった。
『はぁはぁ、勝ったのか?』
『待って!普通のゾンビなら頭を破壊すればいいけど、ゾンビキングの場合は高度な浄化が必要よ』
そして、歌のような素晴らしい祈りを捧げるセーラー。
『あぁ、浄化されていく。ありがとう、本当にありがとう。そして成長した君が見れて良かった』
『どういうこと?』
『天界で待ってるよ〜』
ゾンビキングが浄化された事により、奥への通路が開いた。
~to be continued~




