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2匹の猫-1

2匹の白い猫が仲良くハールバーリー内を歩いていた。その姿はどこかの貴族がお忍びで街を散策しているよう。2匹はゴージャスマートの店先を通ろうとした。その時の事だ。


『なんだ?この猫は?シッシッ、うちは華麗とスマートさで売ってんだ。野良猫が来たらどっかの犬の店の仲間入りになっちまう。ほら、あっちへ行け!』


猫にも容赦しないゴージャスマートの店員は、窓ガラスを拭いていたバケツを持ち上げ逆さまにし水を猫に被せた。2匹の猫は恨めしそうに後にした。その数分後、極地的ゲリラ豪雨でそのゴージャスマートに大雨が降り泥でぬかるんだ土を付けた冒険者の来店により床は泥だらけになった。

ずぶ濡れになりながら2匹が歩いていると、今度はスラムドッグマートの前に来た。そこでも店員が窓を拭いている。店員は2匹の猫に気付くと、慌てて脚立を降り店内の入り口近くに設置されている【フキフキタオル】を手に取り2匹を綺麗に拭き始めた。


『全く誰がこんなことを…聖女様にはかなわないけど、俺がフキフキしてあげるからな』


濡れた体が乾いた2匹はペコリとお辞儀をして店を後にした。それと入れ違いで、買い求めやすい雨靴を購入希望のお客が雪崩れ込んだ。

歩いているとやはり腹は減るもの。2匹は今度は別のゴージャスマートの店に来た。出て来たお客さん、又は店員におねだりをする為だ。

少し待つと店員が入り口の扉を開け、お客さんを外へお見送りしていた。


『お買い上げ有難うございました』

『ホッホッホ、この剣を早く試したくて仕方がないわい』

『おや?丁度いい所に試し斬りが出来そうな獲物が』

『おぉ、本当だな。剣の錆にしてくれようぞ!』


そういい包装紙を破くと、今しがた購入した剣を振るった。その武器は風魔法が付与され振ると斬撃が飛び、スキルなしでも強力な攻撃ができる。剣から産み出された斬撃は、猫に真っ直ぐに向かう。しかし2匹の猫は紙一重で躱した。幸か不幸か、斬撃の先には人はおらず代わりに別のゴージャスマートの壁に当たった。

2匹はまた歩き出し今度はスラムドッグマートの前に来た。此方でも丁度、お客さんのお見送りをしていた所だ。


『ニャーン』

『ん?猫チャン猫チャン!お〜い、誰かキャットポッド持って来てくれ』

『はい、どうぞ。わぁ、可愛い猫ですね』

『ん〜見てて癒されるなぁ。ほれ猫チャン。俺のおごりだからお食べ』


キャットポッド(猫缶)を器に出し2匹に差し出す店員。彼は猫好きでもあるが、【助けを乞うものに手を差し伸べよ】というゴルドウルフの教えを思い出し食事を差し出したのだ。


『おぉ、2匹とも顔をかいている。可愛えぇなぁ』

『本当ですね。しかも雄の方は右手でかいて雌の方は反対の手でかいて…絵になりますね〜』


2匹は食事に満足したのか店を後にした。その数分後に2匹が食事したスラムドッグマートには普段の倍の集客があった。


~to be continued~

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