乙女の秘密-1
【残飯出したら折檻やで】
そこは連日の賑わいを見せている人気食堂。そして常連客枠に仲間入りを果たしたプルもいた。今日も元気に彼女専用【プルスペシャル】を食べていた。それは【わんぱくビック盛り】より量もカロリーも割増の特別メニューだ。
食事時を過ぎると騒がしい食堂も暫し、大人しくなる。この隙に、トメは次の食事時用に下拵えをする。
『ねー、おばちゃん。何か面白い話とかな〜い?』
『ひょひょ、プルちゃんは暇なのかい?』
『うん、我が君が移動式?店舗製作で構ってくれないの!』
『しょ〜しゃねぇ、ならおばちゃんの昔話でも聞くかい?』
『え!なにそれ、気になる!』
『丁度、下拵えもひと段落つくから話そうかね。この話は他言無用だよ。つまり秘密てことさ』
『うん!僕、口硬いから冥界神のハデスに誓ってもいい!』
じゃあ話そうかね。おっと、読者のみなしゃんには、分かりやすく言語変換させて貰うよ。ひょひょ、何でこんなことが出来るかって?それは、ひみちゅさ
コホン、テステス。
私の昔話を語るにはまず、私の正体を教えなくてはいけません。三角巾を取るとほら、耳が中途半端に長いでしょ?私はエルフと人間のハーフの【ハーフエルフ】何です。今はさほど、ハーフエルフに対する偏見や差別・迫害は有りませんが、私が産まれた200年ほど前は異形とし周りから石を投げられる立場だったのです。
そんな私を想い両親は、生まれ故郷を捨てて旅に出ました。正体がバレればまた引越しというのを繰り返し50年後に漸く安息地を見つけました。
それはダンジョン内に住むこと。エルフである母は兎も角、人間である父はすでに高齢でもう体力的に長距離の移動が出来なかったからというのもあります。
そのダンジョンは【空の荷て近地巣に、後の無きラテ等の荷も淫乱】という不思議な立て看板と沢山の入り口と出口がある事で不気味さを出すダンジョンでした。母がダンジョンの外で番で獲物を生け捕りにし、賢者であった父は己の賢さを駆使しダンジョン内で畑を作りました。私はハーフエルフだったので外には出させてはくれません。
しかし家族3人だけの世界でしたが、確かに幸せで楽しかったです。ですが、そんな幸せもそう長くは続きませんでした。
~to be continued~




