卵の茹で時間
憲兵ー食堂
ここでまた一つ新たな戦いの火蓋が落とされようとしていた。魔火徳の前に佇む4人の男達。彼らは自分のプライドをかけて待っているのだ。
そう、ベストなタイミングを…!
今回の一件…始まりはやはり凸凹コンビの喧嘩からだった。言い争いを止めに来たサシミも混じり、なぜかゴルドウルフも巻き込んでの騒ぎになったのだ。
内容は実にくだらない【卵の美味しい茹で時間】だ。白黒つけようとなり、料理勝負が始まった。そして、それを使った料理の味を審査し勝敗を決める。審査員は聖女三姉妹とサシミの妻のワサビである。更に公平さを保つ為に、誰がどの料理を作ったかわからないように、料理人の名前を伏せて提供する徹底振り。
第1品目【固茹で卵の塩かけ】
殻をむき、シンプルに塩をかけてお召し上がりください
『硬いわ〜』
『むきぇない…』
『シンプルな分、素材の味が生きますね』
『〜ん、ありきたりだねぇ』
第2品目【半熟卵の新鮮サラダ和え】
オリーブの実を絞り独自の発想で作ったドレッシングを、かけてお召し上がりください
『サッパリと美味しいわ。ママにも作れそう』
『ちゃきちゃき〜』
『健康管理に有名なお料理ですね』
『オリーブとレモン、塩と胡椒で作られたドレッシングと葉物野菜のバランスがいいねぇ』
第3品目【ゆで卵のポテトサラダ】
ジャガイモに人参、玉ねぎとベーコンで作られたポテトサラダにゆで卵を潰し合えました
『ゆで卵の料理と言ったらこれね!ママも作ったこと有るわ』
『おいちぃ〜』
『この味付け…』
『ジャガイモを敢えて全部潰さず、アクセント程度に残す技…侮れないねぇ』
第4品目【温泉卵の雑炊】
お好みで塩、又はポン酢をかけてお召し上がりください
『ふ〜ふ〜、心まであったまりそうなお料理ね。風邪の時にいいかも〜』
『はふはふ、あちぃ。けろ、おいちぃ』
『摩り下ろした生姜が、身体を温めるのに一役買ってますね』
『おやおや、これは』
舞台裏〜
『意外ですね。【武士】という職業だったサシミさんがあの料理を作るとは…』
『あれは思い出の料理でしてな』
あれは、某が無名の男だった頃の話でござる。当時の某は、それはもう上様…こちらでは王ですな。に認められたくて暇さえあれば刀を握り、修行の日々でした。
そんなある日の事で御座います。物陰からこちらを伺う視線を感じました。某は無視を決め込み刀をただひたすらに振りました。季節が変わりましても、常に視線は物陰から感じます。そして季節が2周りした時でしょうか、不意にどさりと倒れる音がしたのです。振り返ると薄着の女性が倒れていたのでござる。
顔は赤く誰が見ても風邪をひいているのは分かりまする。すぐ様に抱きかかえ某の家へ、運び申した。当時の自分は貧乏でしてな。卵と僅かな米と少量の野菜、調味料しかなかった。身体を芯から温めかつ、消化に良いものという事であの料理を作ったのでござる。
それからでしてな…その…布団も某の家には1組しかござらんかった。で身体を温める為にその…あ、やましい事はしてないでござる。命が関わっておったから…責任も取りました!ガンハウンド殿、ニヤニヤ笑わないで下され!
審査の結果発表〜
【温泉卵の雑炊】
が、見事1位に輝きました!
審査員の方々、一様に
『ポテトサラダは確かに美味しいが、雑炊は美味しく愛する人のための味がしたから選んだ』
だそうです。では、調理したサシミさんコメントをどうぞ!
『あ〜そのですな、ワサビ。愛しているぞ』
『私は貴方が手にマメを作りながらも、休まず刀を振っている頃から変わらず愛してますよぉ』
『バ、バカモノ///』
以上、料理勝負でした!
~END~




