彼女の教え子、後の英雄の話-1
ルタンベスタに数あるスラムドッグマートの1つに、まん丸メガネを掛けた女性が駆け込んできた。駆ける、駆ける、駆ける!育ちつつあるお山を揺らしながら、彼女は走った。そして、キッススペースにいる彼に泣きついた!
『ゴルドく〜ん、今日も上手く生徒たちに教えられたかな?不安だよ〜!』
そして振り返るアホ毛付きのゴルドくん…
彼の笑みは深い者だった。
『安心して下さい、コレで答えがわかります』
ゴルドくんは一旦後ろを向くと何かを唱えた。すると光が生まれ、木枠に鏡板が張られた物が現れた。
『ゴルドくん、これは?』
『これは来るかもしれない世界を映す鏡です。これで生徒さんの未来の可能性を、見てみましょう』
それに触れると、何やら浮かび上がってきた。それは白い靄の様だ。
『あ、何か映ってきた!』
その白い靄が晴れると…
元はツインテールだった髪を下ろし、金色の髪を持つ美しい女性の裸体だった。丁度、入浴中なのだろう。
『きゃー、ゴルドくんのエッチ!』
そう言いグラスパリーンはその魔道具を、叩いてしまいその道具は機能しなくなった。
『私としたことが…うっかりしてました。次は成功させます』
ゴルドくん…痛恨のミス!うっかり入浴シーンを映してしまった。
これを挽回する手立てはあるのか…?
『次はこれを使います』
取り出したのは、ツルツルした板と時計が繋がった機械…!
このマシンを知っている人がいたら、恐らく解る…これが何なのか!
『さぁ、グラスパリーンさん。この板の上で滑ってください』
『え、そんなこと言われても…きゃ!』
意図せず転び…滑る!
そして唱える呪文!
『タイムスリップ!』
~to be continued~