勇気ある者【Ⅳ】
壁を作り周辺を補修したとは言えまだ危険はある。2人も転移石を使おうと石を出す。その時
ぐら
『オッサン、危ねぇ!!!』
『ワインレッドさん!』
ワインレッドは、崩れた岩に半身を押し潰されていた。
『待ってて下さい!今、また学園に行って救助要請を…!』
『いや、もういいんだ。これはバチが当たったんだよ』
『何を…言ってるんですか…!』
『へへへ、ここは俺たち勇者達が散々荒らして迷惑かけてきたんだ。それを、噴火の威力を弱めただけでチャラには山の神はしたくなかったんだろうな』
『そんな…、そんな事ありません!』
『いいんだ。最後くらいカッコよく〆たい。それに助かったところで、半身は使い物にはならない。もう終わりなんだよ。俺は…なぁ、オッサン名前は?』
『ゴルドウルフ…スラムドッグです!』
『ゴルドウルフさん、俺たち我儘な勇者に付き合ってくれて有り難う。これはせめてもの礼と詫びだ。先に離脱したあの2人と母にこの勇者票を、ゴルドウルフさんには彼女達にあげたから少ないけど俺の残りの遺産を分け与すよ』
『まだ諦めては…そうだ!アークギアがあります!これなら…!』
『…ありがとうよ』
ワインレッドはそう言うと持っていた剣で己の首を切った。噴水のように血が出て、ピクリとも動かなくなった。
0:05
~~この日の正午、ホンワカボッボ山が噴火した。だが威力は今までの噴火より弱く、麓への被害は少なくすんだ。その噴火を期に麓には温泉が湧き、地熱のお陰で作物が育ちやすい環境に変化する。だが、噴火の時にまるでドラゴンのような咆哮が火口から聞こえたそうだ。
暫の後、多くの者がドラゴンを退治しようと火口に乗り込むが激戦虚しく撤退。ドラゴンは攻撃しなければ特に被害を出さないため現状維持となった。
〜国際ガンクプフル新聞抜粋〜
ホンワカボッボ山〜火口〜
そこには1匹のドラゴンがいる。まだ幼体だが力強く、容赦ない攻撃を冒険者達に浴びせると冒険者達の間では有名だ。そのドラゴンは、キャンディレッドを護るようにその場所を動かない。
ドラゴンを見た冒険者達は口々に言う。
『あのドラゴンの鱗は、それはそれは綺麗で美しい透き通る赤色をした鱗を持っていた』
と。
ワインレッド・グレープ・ゴージャスティス
ゴットスマイルが、魔王討伐の旅先の際につまみ食いした葡萄農家の娘が産んだ子供。
ゴットスマイルが魔王討伐後に、親子共々迎え入れられた為、勇者一族の中ではかなりマトモな部類に入る。母親の教えでいざと言う時のために貯金をしていた。ハーレム願望はなく、ただ必要だったから魔法使いと聖女をパーティに入れていたが、仲はそんなに悪くはなかった。ジェノサイドロアーとは知り合い。
死んだと思ったら…?
ワインホワイト・マスカット・ゴージャスティス
ワインレッドの弟。残念ながら彼は、腐れ卵になってしまった。成人になり兄の遺産を整理(と言う名の略奪)がまるでなく癇癪を起こした。しかし兄からの紹介状を手にした大魔導女学園生徒-50人のハーレムができウハウハしていた。しかし、アノお方からの依頼でホンワカボッボ山にあるキャンディレッドを採掘する依頼で命を落とした。
その時のハーレムメンバーにはキズ1つなく、ドラゴン七不思議の1つに入る。
証言のよるとドラゴンは涙していたそうだ。
アノお方(名前募集中)
ある地位の高い創勇者。アークギアの手柄を横取りした。
え?最初のエピソードで【あのお方】て書いていたって?なんのことかな(⁎⁍̴̆Ɛ⁍̴̆⁎)〜♪
魔法使い
ワインレッドから別の勇者に鞍替えした。しかし鞍替えした勇者&ハーレムメンバーに酷い扱いをされる。のちに彼だけは言葉が上手く話せない自分を、馬鹿にしない優しさある勇者だったと胸に抱きながら、彼との最後の思い出のホンワカボッボ山に身投げをする。それからの消息は不明だが、火口内に人影を見たという噂がある。
聖女
ワインレッドから別の勇者に鞍替えした。しかし、身体だけの関係にされ飽きたら捨てられてしまった。死にかけの所を老夫婦に助けられ、心を洗い彼のお墓に活けるための花畑をホンワカボッボ山中腹地点に作った。時折り、花束を作り火口に供える姿が目撃されている。
ドラゴン
とても知能が高いのか、パーティのリーダーのみ狙って砲撃する。妙に人間臭い仕草をし、あるオッサンに懐いているという噂がある。